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02-藍色心
1人だった寮の部屋に
雅紀が手続き一切なしで
いきなり乗り込んできた

そりゃね、雅紀。
僕だって嬉しいよ?
でもね…

雅紀:
「理ぃぃ人ぉぉーー!!
今日から俺もこの部屋に
住むことにしたから!」

理人:
「………へ?」

まさか夜の12時過ぎた
途端に来ることも
ないだろうに‥

雅紀:
「どうしたんだよ
その顔はよ!もっと
元気に行こうぜ!!」

その顔は単なる
睡眠不足なんだよ雅紀。
誰のせいとは
言わないけど。

雅紀:
「ったく、
しょうがねえなぁ。
じゃあ明日から
よろしく頼むぜ」

雅紀はそれだけ言うと、
すんなりと持ってきた
ベッド(シングル)に
潜って眠ってしまった。


《藍色心》


というのが
あのあとの話で、
(手続きは
僕がしておきました)

次は要の番だ。
今回は雅紀も
協力してくれるらしい。

教室

理人:
「おはよう、雅紀」

雅紀:
「おう!
やっぱ、朝からの
コミュニケーションが
大切なんだな、うん」

そこに炎が到着。

理人:
「おはよう、炎」

雅紀:
「おっす炎」

炎:「………ん」

多分頷いたっぽい。
というかあれ?
炎は雅紀が戻ってきた
のに驚かないのかな?

そして、
今日のメインゲスト。
要が入ってきた。

理人:
「…おはよう、要」

要:「ああ‥」

呆気なく
流されてしまった。

彼とも、雅紀のように
体を張らなければ
いけないのだろうか。

放課後

理人:「…そうだ!
要と話さなくちゃ…
…ってあれ?」

教室に残っているのは
僕に炎、雅紀とあとは
クラスメートだけだった
要の姿はない。

理人:
「ねえ、
要が今どこにいるか
知ってる?」

生徒A:
「宮島なら
弓道じゃないか、多分」

理人:「弓道?」

初耳だ。
要が弓道を
やっていたなんて。

雅紀:
「そういや校舎の屋上で
練習してたような‥」

炎:
「1階のあの縦長部屋
じゃないのか?」

意見が2つに分かれる。

雅紀:
「じゃあ俺は理人と
屋上行くからよ、
1階は任せたぜ」

炎:
「おまえが1人で行け」

雅紀:「あぁ!?
俺にできることなんて
限られてんだよ!」

炎:「たとえば何だ」

雅紀:
「理人をこっから
屋上まで肩車しつつ
スクワットを階段を
5段上がるごとに
10回するとか?」

炎:「1人で行ってこい。
理人行くぞ!」

理人:
「待ってよ、炎!」

そして廊下に
取り残されてしまった
雅紀。

雅紀:
「うおーーっ!!
結局かよーっ!!」

?:「……雅紀」

小さいがはっきりと
突然聞こえた声に
反射的に後ろを振り向く
そこに立っていたのは‥

雅紀:「直弥‥」

直弥:
「雅紀。今から俺が
話すことをしっかりと
覚えていてくれ。
もし、
俺がいなくなっても
その通り実行してくれ」

雅紀:「お、おお‥」
Ι
Ι
理人:
「なんでだろう‥」

また炎と
はぐれてしまった…
なんかわざと
逃げてない?

そんなことを考えながら
階段を降りていくと、
ドスンッ、とか、
メーン!コテッ、とか
いうような武道系の
声や音が聞こえてきた。

階段を降り終え、
〈柔道場〉と
書かれた部屋を
通り過ぎようとした、
その時!

?:「しゃがめ!!理人!!」

理人:「っ!!」

コンマ数秒間
体が固まったように
動かなくなる。
でも咄嗟にしゃがむ
姿勢に移る。

すると頭の上を何かが
通過する。

眼を凝らす………弓!?

要:「大丈夫か理人!!」

後ろから要が
駆け寄ってくる。

理人:
「う、うん…
大丈夫だよ‥」

要:「すまない。
俺が後輩から目を
離しているうちに‥」

理人:
「要のせいじゃないよ」

要:「ああ……
ところで、こんな所に
何の用だ?」

理人:「……要。
ウィアスターズに
戻ってきてほしいんだ」

要:「いいぞ」

理人:
「やっぱり……
…って、ええ!?
い、いいの?」

すごくあっさりとした
OKサインだった。

要:
「ただし、条件がある」

理人:
「あ、やっぱり‥‥」

要:「今から俺と、
弓道対決だ!」

理人:
「弓道対決?
要と‥弓道で‥‥」

って勝てるかいっ!!

理人:
「それはちょっと‥」

要:「なんだ理人。
これくらいのことに
怖じけづいて
しまうのか?」

怖じけづくとは
少し違うけど‥

要:「なら、始めるぞ」

そう言うと要は少しの間
弓道部の人たちに
休憩だと言って場所を
あけさせてもらった。
Ι
Ι
要:「…というのが
弓の射方だ」

理人:
「おおよそ理解したよ」

要:「勝負は2回。
特別に的に点数を
書いておいたから、
2本とも真ん中を
狙ってくれ」

■■■■10=10■■■■
■■■10=50=10■■■
■■10=100=10■■
■■10=100=10■■
■■■10=50=10■■■
■■■■10=10■■■■

理人:「わかった」

要:「なら俺が先攻だ」

要はゆっくりと
弓を引き始めると、
意識を集中し、
弓を、放つ!

……ほぼ真ん中を
射抜いていた。

要:
「あれは…
真ん中じゃない。
少しズレたな。90点だ」

理人:「僕の番だね」

要を真似て、
姿勢を整える。
あとは意識を集中して…
討つのみ!

……要よりも少し右に
ズレてしまったが、
自分なりには良い所を
射抜いたと思う。

弓道部の面々も初心者の
僕がいきなり高得点を
穫ったので、
おおー、とか、
やるねー、とかいう
歓声をだしている。

要:「やはりやるな理人。
俺が見込んだだけある」

いつ見込まれたかは
知らないけどさ‥

要:
「さっきのは…80点だな
よし、俺も
負けてはいられん」

その言葉に少し
ふと考える。
……負けてはいられん
っていうのは自然に出た
言葉なのかな。
それとも要はやっぱり
戻りたくないのか‥な。

そうこう考えてるうちに
要が2本目を
射ようとしていた。

さっきよりも
要の眼が鋭い。
これだと多分……!!

弓は地面と平行に
一直線に飛んでいき、
的の真ん中を
綺麗に射抜く。

これには
弓道部の面々全員が
歓声をあげる。

要:「ふー……
さあ、次は理人の番だ」

理人:
「…ちょっと待って。
これってもう僕に
勝ち目なんて‥」

要:「ハンデだ。
理人はまだ
初心者だからな。
俺の認める弓を
射ることができれば
俺は負けを認めよう」

緊張が高ぶる。
要の認める弓とはきっと
的の真ん中を
射抜くことなんだろう。
僕に残された
チャンスは1回。
この最後の1本に、
全神経を集中させる…!!
Ι
Ι
弓道部員が学生鞄を
肩にかけて帰っていく。
もう日は
沈みかけようとしていた

僕は……負けた。

2本目も当たった場所は
80点の位置。
真ん中を射抜くことは
できなかった‥‥

膝をつく。

要:「……理人」

見上げると、
要が僕に手を
差しのべてくれていた。
大きな、温かい手を。

僕はその手をとり、
立ち上がる。

理人:
「僕の…負けだね」

要:
「…いや、俺の負けだ」

理人:
「えっ!?
だって僕は
真ん中を射抜け‥」

要:
「誰が真ん中を
射抜けと言ったんだ。
俺はただ単に
俺が認める弓を射ろ
と言っただけだ」

どこに要が
認めたかはわからない。
でも、
僕が勝ったってことは‥

理人:
「要…
ウィアスターズに…
戻ってきてくれる?」

要:「おおとも!」
Ι
Ι
雅紀:
「っ!嘘だろ!?
そんな…
俺や要や理人に炎!
俺たちは全員‥!!」

直弥:
「それ以上は言うな。
雅紀、俺は何か解決策を
最期までに考えておく。
それまで、理人たちとの
時間を大いに
楽しく過ごしてくれ」

雅紀:
「くっ……ああ」


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