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この作品には 〔残酷描写〕 が含まれています。

トリップ昔話「お年寄りを大切に」

作者:京野あがり
 
 むかしむかしある異世界ところに おじいさんと おばあさんが トリップしていました

 おじいさんは やまへ しばかりに いくとちゅうに
 おばあさんは かわへ せんたくに いくとちゅうに
 まばゆいひかりに つつまれて
 きがつくと ふたりは もりのなかにいました

 みなれたもりとは ちがう こうけいに おじいさんと おばあさんは おどろきました

「いったい なにが あったのかのう」

 ふたりは ふあんになりながらも しゅういをみわたします

「こわいのう じいさんや」

 おばあさんは せんたくものを もったままです

 がさ がさ
 そのときでした ふたりのうしろで なにやら おとがしたのです
 ふたりが ふりかえって みてみると
 なんと そこからでてきたのは ふたりの とうぞくでした
 これには ふたりとも びっくり

「ひゃあ ころされてしまう」

 おばあさんは はやくも ねんぶつをとなえます


「オイオイ、反応があったと思って来て見れば……クククッ」
「なぁんだぁ?ただのジジイとババアじゃねぇか。おいシーザ、さっさと殺っちまおうぜ」


 とうぞくのひとりが おばあさんに ちかづいていきました
 そして そのくびに うでをのばし――




 ――刹那。


 おじさんの手斧による一線は、流星の煌きを体現して盗賊の腕を根元深くへと切り刻む。
 痛みを感じる間も無く半身を失った盗賊は、バランスを維持できずその場に転倒し、迷い無く振り下ろされた斧により頭蓋を割られて絶命した。

 その間、仲間が目の前で解体されていく様を、シーザと呼ばれた男はただ目で追う事しかできなかった。

「大丈夫か、サチコ」
「ああ、久々の戦闘で少し驚いただけだよ。面目ないね」

 おばあさんの無事を確認したおじいさんは、柴刈り用の籠を背負ったまま山賊の残党へと向き直り、口を開く。

「少し聞きたい事があるんだが」
「てめえよくも……てめええええええええええええええ!!!!!!」

 仲間を失った盗賊は奇声を発しながら半狂乱で短剣を振り回すが、その刃はおじいさんを切り刻む寸前でおばあさんの木桶に阻まれる。
 桶と短剣が激しい金属音を発している一瞬、おばあさんは昔の自分を思い出していた。

「なっ!?クソッ!離しやがれ!」
「”おいた”が過ぎるよ!ボウヤッ!」

 おばあさんは無意識に笑顔を作りながら盗賊を怒鳴りつけ、木桶を力任せに回転させる。
 とっさに盗賊は手を離し骨折を免れるが、そのあまりの力に短剣は地面に叩きつけられ、鍔から二つに折れてしまう。

 衝撃で桶の木板が剥がれ落ちると、その中から姿を現したのは小型のバックラーであった。

「あいかわらずの馬鹿力だな」
「オンナはいつまでも現役なのさ。失礼な事を言ってると飯を抜くよ、ヨシヲ」
「やれやれ。……おい、お前」

 おじいさんは素手で立ち尽くす盗賊に声をかける。
 言葉が通じる原住民――彼には死ぬ前に教えてもらわなければならない事が山ほどあった。
 咄嗟に盗賊は振り返り逃げ出そうとするが、背後に現れたおばあさんに即座に組み伏されてしまう。
 仲間の体液で濡れた地面へ頭を押し込まれながら、盗賊は自らの結末を本能で感じ取っていた。

 短い人生の何処を間違えたのか、自らの胸に問い質しながら……



……

 こうして とうぞくは このことを つよく こうかいして
 つぎのじんせいは ろうじんを たいせつにしようと こころにちかったのでした

 めでたしめでたし

……



 ――この後、おじいさんとおじいさんは異世界の王としての覇道を歩み始めるのだが、それはまた別のお話。


おしまい
 
 
後日彼らは大陸の精霊を従えて帝国を打ち破ります。

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