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春夢槿花
作:貴水 玲



【拾四】 隠 匿


 同刻、朝影遥かに大地に行き渡り、国中の金稜花が輝き出した頃。
 目覚めたばかりの梓宮は、官吏達の日常業務の忙しなさとは別ににわかに沸き立っていた。
「申し訳ありません・・・・・・! わたしが、わたしがちゃんと付いていれば・・・・・・!」
 朝議を終えた劉王の前に、少女は泣きじゃくりながら崩れ落ちた。
 ――瑚蝶がいなくなったことに真っ先に気付いたのは桔久であった。 一昨日前のこともあり気まずさを覚えながらもいつもの務め、朝議の前に紫芳の間に香を焚くために、明け方桔久は瑚蝶を呼びに翠遥宮へと向かった。だが部屋はもぬけの空。探し回ったが瑚蝶はおらず、途方にくれて泣き喚いているところを他の女官が気付き誅易に報告した。そして朝議の終わるのを待って、劉王の前に通されたというわけだ。
 皇帝の御前であるのにも関わらず激しく泣き伏す桔久の姿に、紫芳の間にいた朝臣達が何事かと顔を見合わせる。
 劉王が含蓄ある一瞥を誅易に送る。その意図を諒解し、誅易は皆を部屋の外へと促した。
「西侍郎、貴殿は残ってくれ」
 皆と同じく退室しようとしていた兵部次席・西蓉洵(せいようじゅん)は、劉王に呼び止められ戸口で振り返った。
「え? あ、はい・・・・・・」
 憮然とした様子で、蓉洵が誅易を見る。反応に困ったように、誅易は視線をわずかに泳がせた。 四人を残し、紫芳の間の扉が閉められた。その音を聞いて桔久が顔を上げた。しかし次々に込み上げては溢れていく涙をせき止められず、しゃくりあげるばかりだ。懸命に止まぬ涙を拭っている様子を顔色一つ変えずに眺め、次いで劉王は誅易に視点を移した。
「どう思う? 誅易」
 早朝でも曇りない凛とした声にそう振られて、誅易は少し考え込む素振りを見せる。そしてさも厳しい顔付きで献言した。「私が思いますに、最近瑚蝶殿は少し情緒不安定だったように見受けられました。その所為でよからぬ考えに辿り着いたのやもしれませぬ。実は物資運搬用の馬車が一台見当たらないのです。もしや士官の誰ぞやと通じて逃亡の画策をしていたのでは・・・・・・あくまで私の私見ですが。馬車の行方については目下捜索中でございます」
 虚言(うそ)であった。
捜索などするわけがない。行き先は重々存知しているのだから。これが劉王に対しての最初で最後の背信行為となることを願いながら、誅易は芝居がかった硬い表情を保っていた。
「嘘です!!」
 だが事は円滑にはいかなかった。突然勢いよく顔を上げ、泣き腫らした顔で桔久が反論した。
「逃亡なんて言いがかりです! 誅易将軍が瑚蝶様に出て行くようにと命じたのです! 瑚蝶様の御意志ではありません!」
「なっ・・・・・・突然何を言う! 立場をわきまえぬかっ」
 声が裏返りそうになりながら、誅易は桔久を鋭く叱責する。しかし桔久は臆することなく食い下がる。
「主人の名誉が汚されるのを黙って聞いているわけにはいきません! それにわたし聞いていました! 瑚蝶様と将軍が話されているのを」
――不味い。
 思わぬ刺客の登場に誅易の額に冷や汗が浮かぶ。これ以上喋られたら総てがふいになる。助勢を求めて部下である蓉洵を見遣るが、彼は「何で俺がここに」と言いたげな顔で遠巻きに眺めているだけだった。
「それはまことか? 誅易」
 静まり返った劉王の声音が誅易を突く。冷やりとした手が首元に差し込まれた時のような寒気が誅易の背に這い上がった。凛と張った涼しげな目元に動きを封じられて、今にも自白してしまいそうだった。
「わ、私にはそのような覚えは。心配で尋ねたことはございましたが。しかしこの一件は注意を怠った私にも責任があります。瑚蝶殿の変化に気付いていたにも関わらず、それを黙視していたことは事実。――申し訳ありませぬ」
 ともかくここは詫びを入れるのが得策、と誅易が首を垂れようとした時、「ほう」と劉王が片眉をかすかに上げた。
「己の失態を認めるとは随分と殊勝なことだな、誅易。ではそれに腹をたてた俺が何を命じたところで異議はなかろうな?」
「え? は、はっ! その所存でございます」
「先刻、士官の中に手ほどきをした者がいる、と言ったな」
「は・・・・・・? はあ」
「では全士官に当たり、その者をはじき出せ。今日中にだ。瑚蝶(あやつ)は戦利品として連れ帰ったもの。まだ用途はある、みすみす逃すわけにはいかぬ」
「ぜ、全・・・・・・!? お、お言葉ですが現在城に出仕している士官だけでもその数は数百、とても私一人では」
「異存があるのか?」
劉王の涼やかな目元に愉悦の色が浮かぶ。
「――あ、ありませぬ。こ、心得ました」
 唸るように誅易はがくりと頭を垂れた。見抜かれている、と気付いたのはその時であった。取ったつもりがまたもや一本取られたようだ。まるで碁を打つように、劉王はじわりじわりと攻めてくる。目先の利益を確保することに気を取られているうちにその間隙をつかれ、いつの間にか形勢を覆されてしまうのだ。それが劉王の詰問の手であるということに、誅易は毎回目論見が破綻してから気付くのであった。
「軍の面倒は優秀な部下に任せるが良い。そうだろう、西侍郎?」
 唐突な振りに蓉洵は面食らう。
――そういうことか。
 劉王の意図がなんとなく読めた気がした。どうやら誅易を追い込む作戦のようだ、と。
納得しかけていると、便宜を求めるような恨みがましい誅易の目付きとぶつかった。だが権威の重きを考慮すれば、蓉洵の中で忠義を向ける方向はすでに明らかであった。
「陛下の命とあらば、御意に。ご安心の程を、将軍。遠征軍の到着もまだですし、平常訓練でしたら一日くらい私がみても問題はないでしょう」
 理知的な微笑みをもって蓉洵は誅易に向かって頷いて見せた。劉王がくすりと笑う。
「だそうだ、頼もしいな。これで後顧の憂いなく己の任務に従事出来るであろう。早速取り掛かったらどうだ?」
「・・・・・・お、仰せのままに」
 こうして無益な犯人探しを命じられ、誅易はその巨体を丸めながらやむなく紫芳の間を後にした。
「さて」
 誅易が出て行くのを見届けて、劉王は座り込んだまま唇を噛みしめて俯く桔久の前で膝を折った。
「桔久といったな。お前はそれほどまでに瑚蝶が好きか」
 突然眼前に迫った劉王の秀麗な顔に、桔久ははちきれんばかりに目を見開いた。
「は、はい・・・・・! わ、私は一生あの方にお仕えする気持ちでおります」
「だがもう、二度と戻らぬやもしれんぞ。此度の失踪が亜奴自らの意思であるならな」
「そ、そのようなことは決してありません! すべて将軍のはかりごとにございます!」
 思わず声を高くした桔久だったがそこは皇帝の面前、自分の犯した失態に急に青ざめて両手で口を覆った。
「も、申し訳ありませんっ!!」
 再び両目に涙を溜めて、桔久はがたがたと震え出す。今にも失神しそうなその顔色に、劉王は失笑を漏らした。
「そう怖れずともよい、取って食いそうにでも見えるか? 安心しろ、まだそれほど餓えてはおらん。それよりも先刻の話を聞こうか。誅易と瑚蝶が何を話していたと?」
思いがけず穏やかに問われて、桔久は慌てて零れ落ちた涙を官女服の袖で拭った。
「は、はい。すべてを聞いたわけではないのですが・・・・・・将軍は、瑚蝶様を解放すべきだとおっしゃっていました。そのために別の住いを用意したとか、それから、后妃を迎える準備がどうとか」
「なるほど」桔久の話に浅く頷いて劉王は後ろに立っている蓉洵に声を投げた。
「西侍郎。女一人が安穏と暮らせるような土地といえば、貴殿ならば何所を思い浮かべる?」
またもや急な振りに、顎の無精髭をさすりながら蓉洵は双龍の天井画を仰ぐ。
「・・・・・・そうですねぇ、見つからぬように隠すとしたら山奥でしょうか。そうなると東夷地方の輝陽か、南聖地方の懐湖辺りですかね。懐湖は素封家の子女が訪れることで名高い温泉郷。寡婦となり単身移り住む者も多いと聞きます。女人の一人住いには慣れた土地かと」
 まったくの思いつきで蓉洵が挙げた土地の名に、劉王の口元がゆるりと綻んだ。
「懐湖ならば、どんなに遅い馬車でも半日ほどか」
「あの・・・・・・」
若干震えを帯びた声で桔久が切り出した。
「非礼を承知で・・・・・・申し上げます。瑚蝶様を引き止められなかったのはわたしの罪です。どんな罰でも受けます。このまま、わたしを切り捨てても構いません! ですがどうか、瑚蝶様を連れ戻してくださいませ・・・・・・! 確かに瑚蝶様にとって、今の境遇は心許ないものかもしれません。けれどあの方にはもう他に行く場所などないのです。それは陛下がよくご存じのはず。それにこの一年ほどでやっと、あの方は本当の笑顔を見せてくださるようになったのです。もう二度と失わせないでくださいませ。わたしは瑚蝶様の悲しい顔は見たくはないのです。それが陛下の義務でございます。罪は――消えることはありません。ですがわたしは、瑚蝶様の心の枷を軽くすることが出来るのは陛下ではないかと思うのです」
懇願するような目で真っ直ぐに劉王を見上げながら、桔久は言い切った。
覚悟を決めたその表情は、先程の怯えを一掃した毅然たるものであった。
まさに極刑必至の訴えであった。
玉座に近付いただけでも重刑に値するこの時世に、よもや眼前で皇帝に諫言するとは。学のない貧しい農民でもそんな馬鹿な真似はしないであろうと言えるほどの、愚の骨頂。
重鎮の嫡子でありある程度の権力を約束されている身の蓉洵といえども、桔久のその剣幕には唖然とさせられた。
「随分と惚れられたものだな、亜奴も」だが劉王はそれを叱責する様子はなく、喉の奥で笑いを噛み殺している。
「――だが、見つけたところで素直に戻るかな? 俺はあれからは憎まれ口しか聞いたことが無いぞ」
「いいえ! だって瑚蝶様は出て行くのは陛下の重荷になりたくないからだと、そうおっしゃっていました。憎んでいるだけの相手に、そんな心配りなど出来ません!」
 懸命に首を横に振る桔久の力説に劉王は「・・・・・・そうか」と短く答え、立ち上がった。
「責任を感じているか?」
 不安そうに自分を仰ぐ桔久を見下ろして、劉王は訊いた。大きな両目に一瞬畏れの色が過ぎったが、固唾を飲んで桔久ははい、と呟くように言った。
「ではこの先、翠遥宮の管理はお前に一任しよう。その主人も含めてだ。次からは鎖でもつけて繋いでおくんだな。よいか? わかったらもう行くがよい」
 思わぬ言葉に桔久は一瞬呆然とする。だが劉王が自分の意を解してくれたのだと悟り、
「は、はい・・・・・・!」
とこぼれそうなほどの満面の笑顔で力強く頷いた。

「初めからお気付きだったのでしょう、将軍が関与していることに」
 桔久も立ち去った室内で、蓉洵は少し大げさに溜め息をついた。
「面白いほど顔に出るからな」
 厳粛さの滲み出る紫の衣装が振り返る。だがその衣を纏う男の口元にはくだけた笑み。
「では初めから問い糺してもよかったのでは?」
「ふ、面目を損じるような問いには口を割るまい。あれでも禁軍指揮官として名望ある身だからな。――だがこの一計、誅易の専断とは言い難い」
「それは――将軍に示唆した者がいるということですか?」
 是を示すように劉王は口角を引き上げてみせる。さして深刻そうでない余裕漂うその素振りを、蓉洵は怪訝そうに眺めた。
――飄々としおって。
 何度となく対話をしても読めぬ若僧だ、と蓉洵は胸中で毒づく。
 年の差は二歳なれど泰然自若とした挙止や言動は時折妙に鼻持ちならない。それに加え身丈も己とさほど変わらないというのがかわいげがない。見下ろせる位置にいるのなら「小童が」と罵れたものを。――それは単なる“ ひがみ ”なのであるが。
 蓉洵が朝廷で確固たる地位を築き上げることが出来たのは、背後に四宰の一人で西鄭地方領主の父が控えているからではない。壮挙と呼ばれる統の官吏登用試験では「七光」は通用しない。名家出身といえども実力を示せなければ最終試である殿試に辿り着くのは至難の技、華々しい経歴を手襁掛けすることは出来ないというわけだ。それ故蓉洵には、刻苦なくして世襲君臨した国王などには劣らぬ才器であるという自負があった。
「そう悠長に構えているばかりでは、手に入るものも入らなくなりますよ。囲うだけでは女性の心は留まりませんからね」
 嫌味のつもりで蓉洵は同じ目線の高さの男に言った。
 劉王の有能さは認めている。だが身魂投げ打って尽くすべき存在であるのか、それはまだ見極め途中だ。完全に忠義を預けるには時期尚早、そう思っていた。
「貴殿は瑚蝶の存在を疎ましくは思わないのか」
「それは」
瑚蝶のことは杞憂ではある。だが蓉洵の場合は他臣とは少し観点が違っていた。
――なぜ劉王が瑚蝶に拘りを見せるのか、その“ 事情 ”を知っているからだ。
だがそれを劉王に告げるつもりはなかった。とりたてて国政に何事も影響がなければ、皇帝の艶聞で片付けられる事項であるからだ。何より面倒事にはなるべく黙殺したいというのが蓉洵の正直な気持ちであった。
「私が口出しすることではないでしょう。・・・・・・決めるのは、貴方様ご自身でしょうから。それよりも早めに手を打ったほうがよいのでは? 将軍の降伏を待つよりも、早馬でも放ったほうが手っ取り早いと思いますが」
 いかがいたしますか、と蓉洵が提言する。女一人己の力で手にいれられんようでは甲斐性者とは呼べんと思ってはいたが、“ 臣下としての義理はきっちり果たす ” それが蓉洵の方針だ。だがしばしの沈黙の後劉王はゆるやかに首を横に振り、
「いや――それよりも、貴殿には他に頼みたいことがある」
蓉洵の対抗意識を煽るような、強かな笑みを呈示した。

――迂闊だった。

門をくぐるやいなや、黎青は馬を捨て置き梓宮内へと向かった。
 己への苛立ちが募る。
 なぜあの男達が囮だと気付かなかったのか。狙いは瑚蝶だということに――
 男達を馬車から引き離そうとしたことがそもそも間違いだったのだ。黎青を馬車から遠ざける、それが敵の目論見だったのだから。
――だがなぜ、瑚蝶殿を攫う必要があるのだ?
 苦渋の表情を浮かべながら、黎青は外朝の殿下への石段を昇って行った。
「見て、黎青様よ」
 常時のように颯爽と現れた隣国の貴公子の姿に、女官達が騒ぎ出す。だがその姿を見とめるやいなや、皆一様にぎょっとした顔つきになった。
 その出で立ちは、いつもの玉姿からは想像出来ないほど不自然であった。
 星河を閉じ込めたような美しい銀の髪は乱れ、明け方の明るい昊に似た青磁色の長袍の裾は泥まみれである。そしてその上品な袍の上には、点々と飛び散る赤い染み。加えて修羅の如き気迫が宿る険相に圧倒されて、皆放心したように回廊を突き抜けて内朝の方へ向かっていく背中を見送った。
 内朝の入り口に位置する皇帝が常政を執る場所である貴宝殿(きほうでん)を抜け、黎青は木蓮の咲く庭院に降り立った。
「邦昌!!」
 首をめぐらし、城の食客の姿を探す。大抵邦昌はこの庭院の木上を好んで身を潜めているはずだった。だが返事はない。
「いないのか、邦昌!!」 
 邦昌であればこうした事態には手馴れているはず、賊徒の居場所を突き止めることくらい難なきことであろう。そう踏んで黎青は取敢えず梓宮に戻ってきたのであった。
 だが庭院に生い茂る常緑の大樹からは一向に返答がある様子はない。かわりにたわわに枝に揺れる木蓮が馥郁とした香りを振りまいていたが、酔い痴れる余裕が今の黎青にあるはずもなかった。
――ここではないのか。
 脳裏に梓宮の見取り図を広げる。幼少より自宮のように親しむこの城のことは大体黎青の頭の中には入っていた。そして見当をつけ、別の庭に向かうべく引き返そうとした時だった。
「――どうした、黎青? 随分と早いお出ましだな」
 はっとして黎青は背後を顧みた。
 古代紫の龍袍に金襴の帯という正装に身を固めた劉王が、貴宝殿の内から歩んで来る。
「劉閃、邦昌は何処です」
 庭院への階段の手前で立ち止まり、劉王は詰め寄った黎青を眺め下ろした。
「何事だ、一体。酷い格好だぞ、野盗にでも襲われたか?」
「そんなことより、邦昌は何処です!」
 只ならぬ黎青の剣幕に、劉王の後ろにいた蓉洵が顔を覗かせた。そして異状に気付き、口を開く。
「公子、酷い怪我をしておられる」
 蓉洵の指摘に黎青は己の左腕に目を向けた。左腕は血まみれだった。二の腕部分の布地は裂け、深い傷口が開いている。傷口から流れ出た血は固まりかけて赤黒く変色し始めていた。
 斬りつけられたことなどすっかり忘れていた。途端に痛みが舞い戻り、黎青は息を詰めた。
「――邦昌は今出払っている。それより傷の手当てが先決だろう。一体、何があった」
 黎青は親友を仰ぎ見た。
 冷静さを欠いていた頭に、理性がおりてくる。それに順じて悪辣な閃きが滑り込んできた。

――このまま、言わずにおくのだ、と。

 瑚蝶を見捨てたからといって、何の損害があろうか。
どうせ排除しようとしていたのだ。深憂は消え、むしろ好都合なのではないか。このまま何事もなかったかのように日々が流れていくことが、何よりの望みなのだ――
「・・・・・・いえ」
 俯きがちに黎青は頭を横に振った。
 卑劣なこととわかっている、だが。

「何も――。山犬を、四、五匹殺しただけです」
 胸の奥で揺れていた天秤が傾いた音を、黎青は聞いた気がした。












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