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妖祓師物語
作:蘿奏  霄



§十二 太陽 §



ガッッッ!!!


巨大な影狼・・・旻が駈焔を背後から襲った


旻の鋭い牙と爪が駈焔の肩や背中に食い込む


「う・・ぁ・・・っ!」


傷口から鮮血が舞い、パタパタと地面に落ち、吸い込まれていく


旻にのしかかられた駈焔はおもいっきり地面に叩きつけられた


「っ・・・」


旻は低く唸ったまま駈焔を地面に押さえる


その様子を面白そうに見ていた影抂が、堪え切れずに吹き出した


「プッ・・・・アハハハハハハハハ!!
こっちに気をとられてるからそうなるんだよ!!
主様が連れて来いって言うからどんな奴かと思ったら・・・アハハハハ!」


大笑いしている影抂の横で、莉依は震えていた


(駈焔・・・さん・・・)


影抂の存在も怖かったが、もっと怖いのは駈焔が死にかけていることだった


駈焔と会ってまだ少ししか経っていないが、莉依は駈焔がどんな人なのか少し分かってきた


駈焔は、冷たい態度をとっているが、本当は優しい人なんだと


金烏の尻尾を引っ張ったりするけれど、本当は金烏を大切な仲間だと思っていると


会って間もない莉依にも、ぶっきらぼうなところもあるが、何かと気にかけてくれたりもした


そんな人が、今傷を負って血を流している


「・・・・・めて」


「え?何か言った〜?」


「これ以上駈焔さんを傷つけるのは、やめてくださいっっっ!!」


「な・・・っ!?」


「今すぐ駈焔さんから離れてくださいっっ!」


「ぅるさいっっ!こっちの気も知らないで勝手に喚くなっ!
あたしだって主様に逆らうと消されるんだっ!
黙ってないとアンタから先に主様に渡しに行くよっ!!」


「今すぐどこかに行ってくださいっっ!!」


「黙れっっ!!」


影抂が莉依に殴りかかろうとする


“・・・・・・”


ピタ・・・・・


「今の・・・・なんだ?」


“・・・・我、今”


「コレ・・・・駈焔さんの声・・・」


「な・・・なんだよ、それ!」


“鎖を解き放つ者”


「させるかっ!!旻っ!」


旻が爪を駈焔の頭に向かって振り下ろす


しかし、駈焔の方が速かった


“汝、我に真の姿を現せ・・・・っ!”


言い終わった瞬間、駈焔の体から光の柱が立ち上った


「ギャウウウウウウウウウウ!!!」


旻が苦しそうな声を上げる


「旻―――――っっ!!」


光の柱から逃げてきた旻は火傷を負っていた


「嘘だ・・・っ!影が火傷なんて・・・!」


影抂はキッと光の柱を睨み付けて、眉をしかめた


駈焔以外に、光の柱の中に誰かいる・・・・・


始めは朧な姿だったが、すぐにはっきりとした人の姿になった


青年だった


金色の長髪に金の目、羽織ったマントには、蒼い玉


「蒼い、玉・・・・」


どこかで見たような・・・・


青年はチッと舌打ちした後、不機嫌そうに呟く


「ったく、駈焔の奴、もっと早く呼び出せよな」


突然現れた青年に、影抂は食ってかかる


「何だよ、お前っ!一体誰だっ!」


青年は毅然とした態度で言う


「はんっ。お前なんかに教えられるほど俺の名前は安くないんだよ」


この言葉が、影抂の怒りに触れた


「ざっけんじゃねぇぇぇぇ!!!」


影抂がバッと両手を挙げると、背後から大波のような影が湧き出てきた


しかし青年は動じなかった


「影、か。そんなモノ、俺に効くと思ってんのか?」


青年がパチンと指を鳴らすと、太陽色に輝く長杖が現れた


杖の先には光の玉とそれを囲うように散らばった光の欠片が回っていた


まるで、太陽をかたどったよう


青年が杖を軽く振る


カッと太陽の光が玉から放たれた


一瞬にして影が消える


「な・・・・・」


動揺する影抂に、青年は言った


「その程度で、この俺に勝てるとでも?ふざけるのも体外にしろよ」


青年は、傷ついた駈焔たちを一瞥する


「・・・・そして、俺の仲間を傷つけた罪は重い」


青年の怒りが混ざった声に応えるように、長杖の光が眩しくなっていく


「ヤバ・・・っ!旻っ!退くよ!」


ヨロヨロとした足取りの旻とともに影抂は走り出した


「・・・・・神の裁きを受けろ―――・・・」


夜の空を、光の柱が切り裂いた


**********************


少年は、立ち止まった


「アレは・・・・」


あの光は、確か・・・・


「あっ!」


光が薄れていき、フッと消えた


「あそこか!」


少年は、光が消えたほうへ走り出した


**********************


青年はふぅ、とため息をつくと、駈焔を抱き起こした


「駈焔・・・・」


玉兎が右目にいないため、傷口からはまだ血が滲んでいた


意識をなくしている駈焔に、青年は言う


「駈焔・・・お前が傷ついて悲しむのは、もう、俺達だけじゃないんだぜ?」


よいしょ、と青年は駈焔を抱き上げると莉依に言った


「行こうぜ」


「え、あ、あの・・・」


「?」


「えっと・・・・あなた、誰ですか?」


「・・・・・あーそっか、知らなかったっけ・・・。
まぁ、その話は後でしてあげるから、とりあえず今は駈焔を手当てしないと」


どっかいいとこあるかなぁ、と青年が思案する


莉依は、とりあえず敵ではないことは分かっているので、青年についていくことにした


「だいぶ林の奥に来ちゃったからな・・・どこかに探しに」


「その必要はないで」


青年の言葉をさえぎる声がした


林の暗がりから、一人の少年が姿を現す


「俺が治したる。そこに寝かせときぃな」


「お、お前は・・・・っ!」


青年は驚きと喜びの声をあげる


現れた少年は、懐からトランプを取り出して、笑った


「俺に任しとき♪」


こんにちはandはじめましてw霄です

今回はちょっと長いかな・・・
そしてまた新しいキャラが登場です!
やっと出せました・・・

感想・評価、いただけると嬉しいです
読んでくれてありがとうございます♪
それでは!













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