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プロローグ
 プロローグ



 闇とは古来より邪なるものを目覚めさせる。それ故、人は恐れ、時としてそれを求める。

 ある国、ある場所にひっそりと建つ屋敷。その屋敷は正に闇そのものだった。

まず、その敷地内には、いかに天気予報で晴れと予想されようが、常に上空に暗雲が渦を巻き、雨が降り注いでいる。

屋敷自体は、中世ヨーロッパを意識した城のような建造物であるが、せっかくの荘厳な雰囲気も絡まる名前も分からない植物や、手入れの行き届いてない庭園のせいで台無しだ。



 時刻は午後二時を廻った頃だった。

膝元まである黒のコートに身を包んだ男が、この屋敷の門の前に現れる。

頭髪には、点々と白髪が見られ、鼻の下とあごには、無精髭、そして眼鏡。

男はくわえていた煙草を指でつまみ、足元へ放るとぐじゃぐじゃと踏み消した。そして急に駆け足になり、屋敷へと足を踏みいれた。

早速、彼は急な天気の変化に言葉を失う。門の外から見るのには何の事はない、ただの古ぼけた屋敷だったが、門をくぐればどしゃ降りの大雨だ。

だがしかし、男はすぐ気を取り戻し、庭を越え、玄関へとたどり着くと、息を荒げ必死の表情を作り、思い切り扉をドンドンと叩く。

反応はない。次は、扉を叩きながら“ごめん下さい”だの“すいません”だのと叫んだ。

そして、三回目を叫ぼうとした時だろうか、扉がゆっくりと開き、中から一人の女性・・・いや、少女が姿を現した。

格好からすればこの屋敷のメイ・・・お手伝いの者だろうか。

 「何か御用でしょうか。」

 と、少女は静かに告げた。青色の瞳がこちらを探るように動く。

 「い、今すぐ先生にお会いしたいのです。私の、私の友人が!!」

 眼前の中年男性の顔は、戦慄に染まっているように見える。

 「主でしたら、今は一番奥の・・・あの部屋にいらっしゃいます。」

 と、少女は二階の部屋の一番右手の扉を示し、続けて

 「ですが、今は少々マズイので、少しこちらでお待ち下さい。」

 と、あくまで静かに伝える。相手の態度は意に介さずといった感じであったが、男の方はさらに必死になり、

 「一刻を争うんだ!!悪いが、行かせ貰う。」

 と言い放ち、少女を無理矢理押し退け屋敷内へと突入した。

 「あっ・・・私は止めましたから・・・。」

 男は、少女の示した部屋へと一目散に走り、階段を一気に駆け上がって、息を切らしながらも扉の前にたどり着いた。

彼はノックもせずに扉を開け、部屋の中へと雪崩込んだ。

 「先生、お忙しいところ失礼しま・・・!!?」

 彼は、眼に飛び込んで来た光景に、しばし何もかも忘れた様に立ち尽くしてしまった。

 その部屋、中央に大きなベッドが配置され、そこには二十代と思われる青年が一人と、大・中・小それぞれの女が数人、生まれたままの格好で何やらごそごそしていた。

 この行為、何と表現したらいいか・・・。英単語三文字?合体?Gの次?いやいや交尾?・・・まあ、とにかくそういった行為が中で行なわれていたのだ。

 後から追い付いたお手伝いらしき少女は、中年の男の肩にポンと手を置き、こう言った。

 「ですから、今はダメって言いったのです。」
 読んで頂いてありがとうございます。これからしばらく、サキュバスキラーをよろしくお願いします。


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