僕は今日も授業が終わるのを待っている。
僕の名前は山道仁。17歳。
運動音痴でバカでマヌケ。特別な能力も、何もない平凡な高校生である。
そんな僕に最近好きな子が出来た。
時間帯はSHRが終わってからの放課後。
場所は2階の図書館。
季節は冬。飛び切り寒かったあの日。
あの日は・・・確か暖かいストーブを挟んで、僕の前に1人の女の子が座ったんだった。
話はたった数秒。
「寒いね。」
にっこりと微笑み、白く小さな手をすり合わせる彼女。上靴の色からしてまだ1年生だろう。
でもその子は僕が先輩だってこと、気づいてないようだった。
「そうだね。」
それだけ返すのが精一杯だった僕。
ふっくらとした唇に、大きな黒い瞳。ポニーテールにした黒髪。寒さで少しだけ赤らむ頬。
彼女の可愛らしい声も、僕の胸をドキドキさせた。
名前の知らないあの子だけど、一瞬で僕は胸を突きぬかれた。
いつもあの子のことが頭から離れず、考えているのはあの子のことばかり。
僕の趣味は読書だけど、あの子もそうらしい。
毎日図書館に通ったけど、あの子が姿を現す日はほとんどない。
気まぐれなあの子は今日も図書館にいるのだろうか・・・?
待ちに待った放課後の時間・・・・・。
何故か足がステップを踏んでいる。
フワフワと気持ちが浮かぶ。表情もいつしか笑っている。
回りの人が変な目で見てくるけど、僕は全然気にしない。
図書館で出会ったところで話は出来ないけど・・・。
今日も僕はあの子に会いに図書館に行こう。
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