拾った女の子(5/40)PDFで表示縦書き表示RDF


拾った女の子
作:た〜



厄介な女の子 その2


 僕の脳裏に浮かぶのは、彼女の抱えた傷。推測される虐待と、確実な自傷。
 見なかったことに、当然しようと思う。厄介事には、食傷気味だ。

「わたしのからだ、どう思いました?」

 女性にしては低い声だ。無理に抑えていると言われても納得出来る。
 彼女は、随分と面倒くさい質問を投げかけてきた。どう答えてほしいのか、推し量ることすらままならない。

「隠さずに裸を見せる程、発育の良い身体だとは思わなかった。まぁそんな事は良いんだ。興味無いから。で、体調は?」

 質問には答えた。僕の聞きたいことはそこに無い。ひとに合わせられる程に人間は出来ていない。だから僕は、自分にとって必要な情報を尋ねた。
 彼女は自分の身体を一通り確認した後で「だいじょうぶ」とだけ答える。黒髪が顔の動きにつられて揺れる。
 僕は無言で台所に向かい、冷蔵庫からリンゴジュースを調達して彼女に渡した。気を使う必要など無いのだから、つくづく今日は厄日である。自分の調子がおかしい。

「それを飲んだら、話を聞かせてもらうから。あと、体温計。ここに置いておくから熱を測っといてくれる? 僕はシャワーを浴びてくる」

 部屋の隅にあるタンスから下着とタオルを取り出して、僕は浴室に向かう。願わくば、この隙にこの部屋から女の子が出て行ってくれることを。

 ・・・・・・・・・

 部屋に戻ると、彼女はこちらをじっ、と見て、テーブルの上の体温計を指差した。僕の心は、まだいたのか、という落胆に捉われた。怪訝そうな表情を向けられたから、多分表情に出ていたんだと思う。
 37.8℃。体温計の表示は、どう見ても健康的な数字じゃ無かった。

「寝ろ! 阿呆」

 ベッドを指さすが、彼女は首を横にふって難色を示す。何が嫌なのかは分からないが、そういう問題では無い。彼女の頭を引っつかんでベッドに連れて行くと、力一杯放り投げる。

「ふぅわっ」

 間の抜けた声である。まぁどうでもいい。

「とにかく寝ろ。今すぐ寝ろ。何かあったら呼べ。良いから、へばってろ」

 そう、言うだけ言って彼女を見る。布団をかぶって、でも目だけでこちらの様子を確認している。

「・・・ねむります」

 彼女は宣言してから眠るようだ。珍しい。
 落ち着いたらしく、彼女はやっと眠りにつく。煙草でも吸おうと思って、部屋を移動する。
 一服しながら、思う。
 追い出せないじゃないか、というか、率先して寝かせてしまったでは無いか。
 不甲斐ない自分を呪おうと思う今日この頃。まぁ一日くらいなら、仕方の無い話なのだろう。病人だからな。
 そこまで考えて、僕はさっき、足を掴まれなかったところで何にせよ介抱していたんでは無いか、とかそんな事を思ってしまった。
 まるで善良ではないか。・・・いや、あの時の二の舞は、避けよう。そうは、ならないようにしよう。
 気付くと、煙草はほとんど燃えてしまっていた。


僕)根が善人になってきたんだけど、どうすんだよ。
>素晴らしいじゃないか、誇れるよ。てか誇れば?
女)・・・全然喋らせてもらえてない。
作)僕)あっ、喋りたいんだ。
女)そういうわけでも・・・。
作)僕)でも、さっき言ったよね。
女)うっう。
>わかった。作者としては珍しく考えておこう。でも、いま君は寝てるからね。
僕)僕が言ったとはいえ、寝てるし風邪だし、喋る云々の前に安静にしとけよ。
>ほら、善良。
僕)・・・・・・。

>では次回・・・こそ追い出されると思うな女の子。予定改変が通常! まだあらすじの内容にすら入れない第五話完でした。 











ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう