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拾った女の子
作:た〜



女の子との交渉あんど迂回路。


『本当はね、迂回路があるのよ』

 唐突にそんな事を、この状況で言われたら彼女はどのような反応を示すのだろう。
 これは興味ではない。観察だ。電話越しの聴覚情報。目の前のモニタに映る視覚情報。そして、彼の頭と身体を独占していることに対する嫉妬に駆られつつある心。それらによる観察。本心を言うのなら、嫉妬という感情を恥ずかしいと思う。私が茅野ちのゆず未たる存在である以上、そういう位置付けにいたくなかった。

『そ、そんなの、あったんですか?』

 会話主、桧山ひやま孤絵このえは困惑が前面に出た表情をしていた。声音は、怯えているものに近い。

『あったの』

 これはマップと監視カメラからの映像を見比べた上での結論。ニュアンス的には迂回路と言うよりも抜け道の方が近いかもしれない。安全を考えるのなら、彼にはこちらから逃げてもらいたい。誘導の最中も悩んだのだ。しかし、私はまず彼女との交渉の機会を得てからでも遅くないと判断した。

『じゃあ、お父さ・・あのひとの情報は必要ないんじゃないですか?』
『そうね。私は、貴女と話したくてそこまで導いたといっても過言ではないかもしれない』

 それが、見守る者としての最良の手と考えたから、そう付け加えておいた。

『見守るって言っても、それじゃあミズグチさんがあぶないですよ。』

 控えめに責めてくる彼女は、やはり思考の中心を彼に据えている。私と、彼の友人等と、同じ発想。どうしても彼に関わるとそうなるのだろうか。魅力は、説明できない感覚的なものである。

『そうね、でも。振り返って考えてみて。いま最も彼を危険に晒しているのは誰?』

 利助りすけくんが聞いていたら感情的になる一言だ。彼はこう言う。僕だ、と。

『あのひと、警官です。』

 言いよどんだ上での一言は、実に聞き苦しいものだった。無意識のうちの言い逃れか、自覚的な責任転嫁かは彼女をもっと知るまで分からないことだ。でも、そんな情報は得ても意味が無いと考える。

『違うわ』

 私の声を聞いた彼女は、ビクっ、と身を竦めた。そんなに冷たい物言いだったのかは分からないけれど、結果は上々である。

『分かっているのに、否定しているのかもしれない。とにかく、言わせてもらうわ。彼を危険に陥れている何よりの原因は、貴女よ』

 貴女。桧山孤絵。彼が今、自分を危険に晒してメリットも無く追いかけてきた人物であり、私の当面の問題。当面の課題。そして、当面の庇護対象。

『貴女が彼と行動をともにしていなければ、彼の元に舞い戻らなければ起きなかったことよ。あるいは、彼に告白をして暴走さえしなければ、ね』
『そこまで、知って、いるんですか。』
『ええ。彼に関わることなら大半は。世界規模で私のような存在をストーカーと言うのだそうよ。だからどうということでは無いけれど』
『わたしは、でも、まず。そんなことよりも迂回路のことが聞きたいです』
『そう急かないで。ここからよ、ここから。彼も貴女の反応にのみ注意を割いているわけでは無いと分かったから、これから。交渉といきましょう』

 そう、言ってみた。彼女がどう受け取るかは、彼女次第だった。


孤絵)どうしよ。
水口)こんな会話が・・・。
>あ、水口ちょっと待て! お前は聞かんかったことにしないと話が変になる。
水)いや、そんなこと言われてもなぁ。
>仕方ないな。こういう時は・・・横川さーん。
横川)はい、お久しぶりです。呼ばれたので来てみました。
水)え、アパートの警備は!?
横)ちょっとぐらい良いではないですか。私にだって登場したい時はあるんですよ。で、何で呼ばれたのでしょう?
>あ、それはですね。えーっと、ちょっとこちらへ。

作者、舞台裏に横川を連れ込み耳打ち中。
・・・耳打ち中。
・・・耳打ち中。
・・・耳打ち終了。

横)了解しました。任せて下さい!
>はい、ちょっとした勘違いの恨みとかまで乗っけちゃって構いませんので。
横)是非も無くっ!
水)結局何の話をしてたわけ?
>あー、まぁ、ちょっとね。
水)何だよ。気になるなぁ。
>まあまあ。というわけで、ちょっと向こう向いてくんない?
水)え?
>とにかく頼む。話を思いつくにはこっち向かれてると困るんだよ。
水)え、あ、えーとそういうもんなのか。わかった。
>さぁ! 今です。横川さん!
横)はい。まぁ私も心苦しいのですからね! すみません!
水)なに言っ・・・おい!
孤)きゃ、ミズグチさん!?

>はい、まぁ、古典的な手法ですが、水口くんは気を失ったようですね。殴ったら忘れるのかなぁ、って感じで。
横)すっきりしましたね。
孤)ダメぇ。
>いや、ダメって言われてもなぁ。このまんまだと話の展開辛かったし。いや、ごめん、腕振りかぶるな。イヤ、悪かったてヴぁ!
・・・

孤)・・・結局なんにもかんがえる時間がなかった。拾った女の子33話め。おわります・・・。ミズグチさん、大丈夫かな。
>作者の心配・・も・・・。
孤)ダメ。











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