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超能力者と拳銃

作者:葛西みや
気づくと私は薄暗い部屋に立っていた。無機質なコンクリートの壁に、妙に眩しい裸電球。ここには、私以外に少女が5人と、サングラスにスキンヘッドの厳つい男がいた。少女達は皆戸惑っている様子だった。

「はい、これ。」

男がそう言い、無造作に何かを投げてきた。私は目の前に飛んできたものを反射的にキャッチした。ずしりと重く黒い金属の塊。独特のフォルム、これが何かは一目でわかった。

拳銃だ。

「君。ここ立って。」

男は一番端に立っていた少女の腕を掴み、強引に移動させた。少女が他の5人と対面する形になる。

「じゃあ残りの5人、顔面狙ってよろしく。」

少女達の顔が一気にこわばった。

「…え?」

無意識のうちに出た声。一瞬思考が固まり、そしてぐるぐると渦巻き出す。
私が銃を撃つ…?顔を狙って…?
つまり…
つまり…

…人を殺せと?


「君たち超能力者なんでしょ?撃たれてもバリアがでるんでしょ?」

…自分が超能力者?初耳である。今まで私が何か能力を使った覚えはない。ごくごく普通の人間だったはずだ。自分がどんな能力を持っているのか皆目見当もつかない。体に何か違和感もない。

「ほら、君からね。」

思考を巡らせていると男に声をかけられた。そうだ、そういえば私が銃を持っていた。
数秒前の自分を恨む。どうしてあの時銃を受け取ってしまったのか…いや、恨むのは私の方に銃を投げてきたクソ野郎にしよう。

「はやく」

言葉にこめられた威圧感に圧され、私の足は対面にいる少女の真正面へ運ばれた。

彼女は妙に落ち着いていた。そして対面して初めて顔をまともに見たが、非常に整った顔をしている。そして、凛とした目で…いや諦めたような目で…わからない、何も読めない目でまっすぐこちらを見ている。その表情は、覚悟を決めたようにも、この状況に苛立っているようにも見えた。

そして彼女と対面して、一気に実感が湧いてきたようだ。自分の瞳孔が開いているのがわかる。嫌な汗をかいているのがわかる。震えているのがわかる。気を張らないと呼吸の仕方さえ忘れそうだ。

「ーーーー!」

男が何か怒鳴ったようだ。きっと急かしているのだろう。言語が言語として耳に入ってこない。ただの感情のある騒音にしか聞こえない。

私はゆっくりと銃を構え引き金に手をかけた。
もちろん、引き金は、引けない。

引いたらどうなる?男はバリアがでるなんて言っていたが本当か?もし私も彼女も同じ超能力者だとして、だとして…

…本当に超能力者なのか?そんな実感ないのに。つい数分までそんなこと知りもしなかったのに。このまま引き金を引いてもバリアなんか出ず彼女の綺麗な顔が吹き飛ぶだけなのではないか?

いや、そういえば銃には安全装置があったはずだ。映画で見たことがある。銃を引く前に何かカチリと操作しないと弾丸は出ないはず、私は何もいじっていないからきっとそれが働くはず…!まあ男が安全装置を外している可能性もあるのだが。それにしても綺麗な顔だなぁアイドルとかにいそうだな可愛い結構丸顔なんだね目も丸くて黒髪にあってる姫カット似合うってほんと可愛いんだねあぁ引き金引かなきゃ体が震えるこわいこわい汗が止まらない息ができないこわい引かなきゃこわいこわいこわいこわい









そこで私は目を覚ました。


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