月星殺編5 放火
いらっしゃいませ。今夜のショーは、見物ですよ。さぁ、どうぞ。
空沢風の次に、江戸前庄治が犠牲に。しかし、これは鈴宮彰の作戦の内だった。そして、シャルウィVS彰の戦いが始まった。
ナイフを捨てると、ベッドの上にあった日本刀を手にした。
「へぇ・・・日本刀か。武器マニアか?」
「まぁね。アリスの父親が、各国から集めて回ったんだってさ」
「ふぅん・・・さて、始めようか」
「・・アンタ、そろそろ本性現したら?」
「クク。バレたか。そうだよ、俺は警察官じゃねぇよ。立派な犯罪者だ。ま、役演じてんのも、それなりに楽しかったけどな」
【シャルウィ。これ終わったら、覚悟してろ】
「うっ・・・ゴメン。でも、こいつのことは知らなかった」
【言い訳なんて聞いてない。とにかく、さっさと終わらせろ】
アリスの久々のマジギレである。気品あるアリスが怒るときは、滅多にない。それには、シャルウィも驚いた。
「・・・はぁ、じゃ、来い!」
「ふ・・」
まず彰は、アリスの足元に2発撃った。それを正確に弾を投げたナイフで切り裂いた。
「へぇ・・正確過ぎるくらいだね」
「まぁね。ほら、終わりにしよ」
「!」
彰が足元に目を向けると、そこには大量のダイナマイトが落ちていた。チリチリと火花を散らせながら、紐は短くなってゆく。
「ふはは!バッカじゃねーの?こんなとこで爆発させたら、テメーも粉々だぜ?」
「アタシの心配ならしなくていいわ。もし死んでも、すぐに複製できるから」
「ま・・・マジ?」
「マジ」
「ひっ!た、助けてくれー!!!」
「なぁに?今更命乞い?バーカ。助けるわけないじゃん。惨めぇ!」
【シャルウィ!やりすぎぃー】
「え?いいじゃない。こっちのほうが、やりがいあるもーん」
【ふぅん】
「ふふ。じゃーね、嘘つきな鼠さん」
「うわぁぁぁ!!!!」
ドッカーン!
すごい爆音に、屋敷が一瞬揺れた。爆発後、部屋は煙に覆われ、床や壁は真っ黒に染まった。
「あはは。生きてるね」
【シャルウィ。最初っから、アイツの体中に爆弾仕掛けてたでしょ?で、足元のは、ダミーでしょ?】
「そ!まんまと騙されてくれて助かったよ」
【はぁ・・・疲れた。早いとこ済ませちゃお】
「そうだね」
シャルウィは携帯電話を取り出すと、グロールやその他のメイドたちに連絡を入れた。
「もしもし?ここ、爆破させるから、早いとこ逃げて。死んでも、責任は取らないから」
【え?それって・・・この屋敷を壊すの!!!】
「うん」
【ダメ!!ここは、私のたった一つの思い出の詰まった屋敷なの!絶対にダメ!!】
「大丈夫。爆破後、屋敷だけ綺麗に元通りにしてあげる」
【そう・・・ならいいけど】
「よし。じゃ、非難するよ」
シャルウィは、アリスの体で屋敷を出た。その様子を見ていた佐奈は、沙希を置いて外へ出てしまった。
「待って!どこに行くの!?」
「あら?佐奈ちゃんじゃない。何?出てきちゃったの。いいの?沙希ちゃん置いてきて」
「え・・?」
ドッカーンッ
佐奈の後ろで屋敷がすごい音で吹っ飛んだ。脂汗が頬を伝い、佐奈は恐る恐る後ろに振り返った。屋敷は凄まじい勢いで燃え上がり、炎に包まれた。
「あ・・・沙希!」
「ふふ。デッドエンド」
呆然とする佐奈の後ろで、シャルウィは微笑みを浮かべた。 |