人気歌手が歌う恋の歌。
恋する人には、応援歌になる。
失恋の歌は、共感を抱きやすい。
元気な歌は、辛いとき気持ちを軽くしてくれる。
ゆったりとした、ヒーリングソングは名前の通り
癒してくれる。
今まりえは歌を作りたい。
みんなが共感してくれる
いい歌を。
曲なんて後からつける。
お姉ちゃんのちかちゃんも、お兄ちゃんのかずくんも
「バンド」っていうの組んでるから
二人につけてもらうんだ。
だからまりえは歌を作るの。
でもどうやって作るんだろう・・・。
まりえはちかちゃんに聞いてみることにした。
ちかちゃんはいつも目の周りが黒くて
お口を真っ赤に塗っている。
それに
お口がとっても大きいの
髪は金色で
いっぱい寝癖がついてる。
前にお母さんがね、
「あらま!どこの口裂け女かと思ったよ!」
って言ってたの。
これは秘密だよ
ちかちゃんは口裂け女なの。
話すのにも勇気がいるんだよ。
「ちかちゃん、歌ってどうやって作るの?」
まりえは声が震えないように気をつけた。
ちかちゃんは
目の上を水色に塗ってた。
もちろん大きなお口もあるよ。
「歌ぁ?真理恵今度は何ごっこしてるのよ?」
ちかちゃんは真っ黒なカラスみたいな
服を着ていた。
「歌作りたいの。
ちかちゃん曲作って?」
ちかちゃんは大きなお口を開けて笑った。
そして
「いいよ、いいよ!しっかり作りな」
そう言って私の頭をなでてくれた。
「いい?歌って言うのはね、自分の心にとどまった言葉を書くのよ」
「どんな言葉でもいいの?」
「もちろん!いい歌作るのよ」
まりえはちかちゃんの部屋を出た。
そして深呼吸した。
ちかちゃんの部屋はいっつも変なにおいがする。
お掃除してるのかな?
でも良いこと聞けた!
まりえの心にとどまった言葉ならいっぱいあるもん!
でもどうやったら歌らしくなるのかな?
かず君に聞いてみよう。
かず君の部屋は
この家のジャングルって言われてる。
においもちかちゃんより最悪だよ。
だけどまりえはね、大丈夫なの。
かず君と話したり、部屋に入るときは
お鼻を使わないの。
使ったらあの世行きだよ。
「かず君!かず君!」
まりえはゴミだめみたいな部屋の真ん中で寝ている
かず君を起こした。
かず君は寝ているときも、おめめが開いているから
ちょっと怖いの。
かず君はね、髪の毛が頭の真ん中にしかないの
それはねお母さんが言っていたんだけど・・・
「ウチの家にはにわとりがいるのねぇ!
こりゃ、将来日本が食料不足になっても我が家は安泰だ!」
って!
かず君はにわとりなの。
絶対に秘密だよ!
「ん〜何?何か用?」
かず君は男だからひげが生えてるの。
まりえひげだけは食べたくないな。
「あのね、まりえ今ね歌を作ってるの。
ちかちゃんに作り方を聞いたの。けどちゃんと歌にならないの」
かず君は目をこすりながら
「んーそうねぇ・・・真理恵ちゃんの中に歌があるの?」
って聞いてきた。
「うん。ちかちゃんが私の心にとどまった
言葉を書くといいって教えてくれたから」
「それなら、それらを1つの物語にしたら?
全部つなげれるように頑張るんだよ、これどう?」
「物語じゃなくて!歌を作るの!」
かず君はやっぱりお馬鹿さんだ。
まりえの話聞いてたのかな。
「だからそれも歌なの!
一つ一つの言葉で歌にならないなら、真理恵ちゃんの
物語に心に残った言葉を付け足していくんだ」
「歌になる?」
私はかず君に聞いてみた。
「なる!なるよ真理恵ちゃん!」
そう言ってかず君は寝転がった。
ほこりとかゴミが漂った。
まりえがかず君の部屋を出ようとしたその時、
後ろでカチッて音がした。
まりえはかず君を見た。
かず君はライターでアルミホイルを焼いていて
その上には白い粉があった。
「かず君・・・何をしてるの?」
「ん〜?これはねぇ〜魔法のクスリなのだぁ〜!!
かず君元気になれるの〜ハハハァ!!」
まりえはかず君がだんだん正気の人ではないように思えて
部屋を出たの。
そしたらねドアの向こうから大きな笑い声がしたの。
まりえはやっぱりかず君て、にわとりなんだなって確信したの。
だって、にわとりって馬鹿なんでしょう?
だんだんわかってきたよ。
歌の作り方。
まりえの心に残った言葉で物語を作ればいいんだよね!!
がんばるぞー!
♪ウチには口裂け女とにわとりがいる
ちくわがないと不機嫌な口裂け女
のんびりおばかなにわとりさん
いえの非常食 口裂け女は食べられない
えばんりんぼうなにわとりさんの宝物は
わけのわからない白い魔法の薬
これがあったらずっと
わらっていられる 魔法のお薬
レモン色の髪の毛はいつも寝癖がついてるの
てんぷら から揚げ ハンバーグ 食べたい
いつも帰ってこない二人が帰ってくる
るすばんするあたしは さみしいだけ
これに音楽をつけてもらおう。
ちかちゃんとかず君に見せるのは恥ずかしいな。
まずお母さんとお父さんに見せてみよう。
まだかな、まだかな
もうずっと帰ってこないからまりえ心配だ。
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