猫母さん2
猫母さん第二弾
猫こと三毛猫のミケ
金犬こと仔犬のレオ
まったり、のほほんと出来たらいいなぁ。
金犬「母さんの名前は何ですか?」
猫「唐突にどうしたのよ?」
金犬「知りたいです」
猫「それだけ?」
金犬「はい」
猫「そうなの。まあいいわ。私の名前はミケよ」
金犬「ミケですか?」
猫「たまに、ミィーになるわ」
金犬「ミケ母さん」
猫「だから母ではないわ」
金犬「略してミカン」
猫「略さないの」
■■■
金犬「母さん朗報です」
猫「朗報だった試しがないわ」
金犬「僕の名前が決まりました」
猫「あら、よかったわね」
金犬「レオです」
猫「あら、カッコイイ」
金犬「ミケレオ」
猫「合わせないの」
金犬「オレミケ」
猫「混ぜないの」
金犬「俺ミケ?」
猫「ミケは私よ」
■■■
金犬「母さん新事実」
猫「私が貴方の母であることが事実じゃないわ」
金犬「僕の名前はレオじゃなかった」
猫「ナッ、 ナンデスッテー」
金犬「『オバアチャン』が僕を゛亮゛と呼んでいました。僕の本当の名前は゛りょう゛なんです」
猫「それは『オバアチャン』がなまっているだけよ」
金犬「なんと!」
猫「私は稀にミケ乃助になるわ」
■■■
金犬「てぇいへんだ母さん」
猫「貴方の言葉使いの方が大変よ」
金犬「とにかくてぇいへんなんだ!」
猫「どうしたのよ?」
金犬「昨日まで地面だった場所が今日は池になっていたんでい」
猫「あれは田んぼよ」
金犬「この世の終わりだぁー」
猫「まずは話しを聞きなさい」
■■■
金犬「遊ぼう母さん」
ダッシュ
猫「疲れるから嫌よ」
回避
金犬「なら勝手に遊びます」
追撃
猫「面倒だわ」
ジャンプ
金犬「ワン!」
ジャンプ
猫「ニャ」
華麗に着地
金犬「ギャン!」
見事に激突
猫「・・・」
上から見下ろす
金犬「キャンキャン」
憐れに墜落
■■■
金犬「母さんお腹が空きました」
猫「母ではないけど私もお腹が空いたわ」
金犬「あんなところにオヤツが!」
猫「その隣には『オバアチャン』」
金犬「オヤツに向かって突撃!」
猫「あっ、無理矢理食べようとすると・・・」
金犬「キャウン!」
猫「ほら、怒られた」
■■■
金犬「母さん質問です」
猫「母ではないけれど答えましょう」
金犬「この家で一番偉いのは誰ですか?」
猫「どうしてそんなことを聞くの?」
金犬「順位付けします」
猫「そんなことをしてどうするの?」
金犬「本能です」
猫「本能なら仕方が無いわ」
金犬「では教えて下さい」
猫「私」
■■■
金犬「遊ぼう母さん」
猫「後でね」
金犬「母さん遊びませんか?」
猫「だから後で」
金犬「ここは母さんと遊ぶべきかと」
猫「今は遊ぶべきではないわ」
金犬「遊ばないと損ですよ母さん」
猫「遊んでも徳にはならないわ」
金犬「遊ぶことこそ使命なのですぞ母さん」
猫「母さんに使命なんて無いわ」
金犬「へーい母さん。遊ぼうぜい」
猫「言い方を変えても遊ばないわ」
金犬「まだ遊びたりないよ母さん」
猫「まだ遊んですらいないわ」
金犬「あーー楽しかった」
猫「まさかの言葉遊び」
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金犬「母さん質問です」
猫「母ではないけど、なーに?」
金犬「どうして母さんの名前は”ミケ”なのですか?」
猫「『オカアチャン』達がそう呼ぶからよ」
金犬「では、どうしてそう呼ぶのですか?」
猫「私の毛並みが三色だからよ。三毛猫だからミケ」
金犬「安直です」
猫「安直ね」
金犬「『オカアチャン』達は単純です」
猫「単純ね」
金犬「こんなのヒドイです」
猫「・・・そうかしら?」
金犬「そうです! 母さんにはもっともっと似合う名前があるはずです!」
猫「・・・・」
金犬「『オカアチャン』達に文句を言ってきます! そして母さんの名前をもっとカッコイイのに変えてもらいます」
猫「あっ、こらちょっと、待ちなさい!・・・・行っちゃたわ」
◆◆◆
『ん? どうしたレオ?』
『おぉ?お腹でも空いたのか?』
『やいや。遊んでほしいんか』
『違うっぽいよお婆ちゃん・・・って吼えた!』
『本当にどうした? レオが吼えるとか珍しいな』
『こらレオ!静かにしなさい!って痛!』
『どうしたの母ちゃん?』
『痛ぁー! レオが噛んだぁ』
『『『こらぁレオ! 噛んじゃダメでしょ』』』
『んな一斉に怒らなくても・・・』
◆◆◆
金犬「・・・ただいまです」
猫「お帰りなさい・・・どうしたの? 随分としょげちゃってるけど」
金犬「・・・母さんの名前を変えてくれるように『オカアチャン』達に言いに行ったら」
猫「行ったら?』
金犬「・・・全然話しを聞いてくれず」
猫「まず言葉が通じない」
金犬「・・・仕方ないので僕の本気を伝える為に」
猫「為に?」
金犬「・・・『オカアチャン』に噛み付いたら」
猫「なんてことを」
金犬「みんなに怒られました」
猫「予想通りの結末ね」
金犬「・・・くぅん」
猫「可愛くしても噛み付くのはいただけないわ」
金犬「・・・でも母さんの為に」
猫「私がいつ自分の名前が嫌だと言ったかしら?」
金犬「・・・くぅん」
猫「・・・はぁ。・・・・・・あのねぇ、少し勘違いしているようだけど、私はこの゛ミケ¨という名前を嫌ってないわ。むしろ気に入っている」
金犬「・・・でも安直です」
猫「安直なのがいいんじゃないの。安心できる素直な名前よ」
金犬「でも」
猫「単純だから何? 安直だからどうしたの? 適当に名付けた? あら、いいじゃないの。私は別に困らないわ。 私がどんな名前であっても、私の名前が私の名前である以上、大好きな家族が私を呼んでくれるわ」
金犬「・・・」
猫「カッコイイ名前じゃなくても。カワイイ名前じゃなくても。大好きな家族が呼んでくれるなら。それはとても素敵な名前よ。
『ミケ』って呼んでくれるから、私は嬉しくなるの。
『ミケ』って呼んで、喉を撫でて、頭も撫でて、抱っこしてくれて、ご飯をくれる。
『ミケ』って名前が私と家族を繋げてくれてるの
わかった?」
金犬「・・・」
猫「まぁ、今は解らなくていいわ。いずれ貴方が大きくなればちゃんとわかる」
金犬「・・・ごめんなさい母さん」
猫「え?」
金犬「母さんの気持ちを考えないで僕」
猫「・・・にゃー。それがわかってるなら十分よ。十分。レオが謝るなら、私はお礼を言わなくちゃいけないわ。
ありがとう、私の為に頑張ってくれて」
金犬「・・・・・・わん」
猫「にゃー」
金犬「『オカアチャン』達には怒られたけど、やりました!」
猫「?」
金犬「母さんが初めて僕を名前で呼んでくれました。嬉しいです。凄く嬉しいです」
猫「・・・にゃぁ」
金犬「母さん? どこ行くの母さん! 待ってよ母さん」
猫「・・・ちょっと恥ずかしくなっただけよ」
金犬「え?聞こえないよ?あっ、待って、待ってよ母さん!」
猫「・・・にゃー」
金犬「わかった! 追いかけっこだね。いいよ!それじゃあ
遊ぼう母さん
」
わんにゃー
ミケとレオ、本当にゴメン。
さて、思わず書いてしまった第二弾です。なんだかミケ母さんがツンデレみたいになった気が・・・気のせいだといいなぁ。というかあれです。最近疲れてるんです。ごめんなさい。