悪魔のSF用語集
明らかに小説の体をしていない形の作品を投稿する事に抵抗がないと言えば嘘になります。
しかし、SFには『鼻行類』や『平行植物』のように小説ではないけど確実にSFと呼べる作品があり、ましてやSFの壁を破壊すると謳うこの企画ならば、必ずしも小説という形である必要はないのでは?
と考えこれを投稿します。
まぁ失格なら失格でそれはそれで美味しい。
自分のSFは再定義フィクションです。
用例
【貴方①】あなた②
→これを読んでいる人間。これを読んでいるという事は高い精度でSFの愛好者。③
①単語名
②振り仮名
③語義解説。複数あるものは順次記す。
あ行
【アイザック・アジモフ】あいざっく・あじもふ
→SF御三家の一人。SFのみならず広い分野の著作を残した。彼がストーリーのネタに考えたルールに本気になる者多数。
【貴方】あなた
→これを読んでいる人間。これを読んでいるという事は高い確率でSFの愛好者。
→ここまで読んで「これ企画的にアリなのかよ、ふざけんな」と思っている人。
【アルベルト・アインシュタイン】あるべると・あいんしゅたいん
→性欲は時間を捻じ曲げる事を証明した人間。
【インターネット】いんたーねっと
→自分の恥を全世界に公開する為のシステム。
【インベーダー】いんべーだー
→宇宙や異次元からの侵略者。凄い科学を持っている割にしょうもない手で撃退される。
【ウ】う
→宇宙船のウ。
【宇宙】うちゅう
→しばしばSF作品の舞台となる広大な空間。例え全生涯を掛けたとしても我々は0.1%も踏破する事が出来ない。
【宇宙船】うちゅうせん
→宇宙を航行する為の船。往々にしてアインシュタインの理論を小バカにするエンジンを積んでいる。
【エイリアン】えいりあん
→異星人を指す。よく人間を猿呼ばわりするが、向こうも大して猿と変わらない事が多い。
【SF】えすえふ
→あらゆる創作を内包しうるジャンル。ただし選定者次第でどんな作品も拒絶される恐れがある。
【男】おとこ
→常にロクでもない事を考えている存在。
→悪と同義。
【女】おんな
→男を生む諸悪の根源。
か行
【怪獣】かいじゅう
→正体不明の獣。
→主として特撮作品において度々登場する巨大生物。しばしば核兵器や大自然の猛威といった災害に例えられる、人間にはどうする事も出来ない巨大な力の象徴。
→異性の事。
→木之……おっと、これは怪獣じゃなかった。
【火星】かせい
→太陽系第四惑星。多くのSF作品において、月と並んで人類の入植先と目されている。いい迷惑である。
【奇】き
→SFを書こうと思い立った者が最初に衒おうとするもの。そんなものあろうがなかろうが、面白い物は面白いと気づけば半人前。
【記憶】きおく
→肝心な時に抜け落ちる物。
→SF作品においてはクローンなどに対し簡単にコピー&ペーストが可能だが、大抵そのテクノロジーの説明はされない。
【キャラクター】きゃらくたー
→架空の登場人物。作者の気分により散々な目にあった挙句殺されたりする。
【クローン】くろーん
→遺伝的に複製された動物を指す。
→読者の要望に応え作者がキャラクターに見せる慈悲。
【煙に巻く】けむにまく
→一見関係のありそうで、全く無関係の事を捲し立てるなどして不備を誤魔化す事。
→この作品の前書きでやっている事。
【コールドスリープ】こーるどすりーぷ
→未来に希望を託す危険な賭け。
【光学兵器】こうがくへいき
→SF、とりわけスペースオペラなどで多く使用される兵器。拳銃の代用品から惑星を破壊する巨大な物まで数多くの種類がある。
剣の形にもなる。これはどんなに荒唐無稽な設定でも、有名な作品でやっている事はそれ以後の作品で説明なく使っても許される好例である。
さ行
【サイボーグ】さいぼーぐ
→機械により肉体を強化した存在。体を欠損した人物が体の一部をサイボーグ化する場合もある。極端な場合は脳以外全て機械へと変える事も。その場合取り替える所を誤っている。
【時間】じかん
→SFの主要なテーマの一つ。作家ごとに非常に多岐にわたる解釈がある。
→この世で最も価値ある資産。ただしその値打ちに気が付く為に時間が必要。
【シュレーディンガーの猫】しゅれーでぃんがーのねこ
→ドラえもん、ピート、ガミッチに並ぶSF界のスター・キャット。主としてなんでもありの記号として用いられる。
【進化】しんか
→SFの主要なテーマの一つ。種の変化のみならず、個体の著しい変異も時にこう呼ばれる。
→これといって誇る所を持たない動物が、格下だと信じる動物を貶す際のお決まりのフレーズ。「野蛮」「文明」と並んで、地球でも好んで使用されている。
【世界の中心で、愛を叫ぶ】せかいのちゅうしんで、あいをさけぶ
→日本において大ヒットを記録した恋愛小説。
【世界の中心でアイを叫んだけもの】せかいのちゅうしんであいをさけんだけもの
→TVアニメ新世紀エヴァンゲリオンの最終話のサブタイトル。上記をパクッた。
【せっかち】せっかち
→ここまで読んで上の二項目を修正し、もう一つの項目を追加したくてたまらない人の事。冗談ですよ、冗談。
【セックス】せっくす
→人類の主要なテーマの一つ。SF界においては無重力で行われるこれはどのような物か、しばしばSF愛好者の間で激論が交わされる。
→愛のスペルミス。
【センス・オブ・ワンダー】せんす・おぶ・わんだー
→良質のSF作品が読者に与える感銘。心の中だけで輝ける宝石。言葉にした瞬間に無価値な石になる。
【ソーラーエネルギー】そーらーえねるぎー
→原子力エネルギーの代替として使用される原子力エネルギー。
た行
【タイム・スリップ】たいむ・すりっぷ
→タイムマシンなどを用いて現在ではない時間へと移動する事。
これにより過去を変える方法もしばしば描かれるが、2014年現在、まだその方法は実用化されていない。我々が変えられるのは未来だけである。
【超能力】ちょうのうりょく
→超自然的な力。SF愛好者のみならず、誰もが一度はこの様な力を得たら?という空想をする。
SF作品においては、これを持つ人間はしばしば迫害されている。空想の内容を考えれば当然の成り行き。
【月は無慈悲な夜の女王】つきはむじひなよるのじょうおう
→SF御三家の一人、ロバート・A・ハインラインの小説。このタイトルを知った者は、自作にもこのように凝った題名を付けたがるが、いろいろ考えた挙句無理だと気付かせる所が無慈悲。
類語『アンドロイドは電気羊の夢を見るのか?』『たった一つの冴えたやり方』『歌おう、感電するほどの喜びを!』『暗闇の速さはどれくらい?』『アルジャーノンに花束を』えーとあとそれから、それから……。
【テラフォーミング】てらふぉーみんぐ
→美しく、崇高で、素晴らしい考えの下、異星の環境を破壊する行為。
【トランス・セクシャル】とらんす・せくしゃる
→性転換の事。SFでは環境や年齢により性転換する種がしばしば描かれるが、実際に魚や爬虫類、ヒトの一部はそのような特質を持っている。
な行
【ナノマシン】なのましん
→極小の機械。SFにおいて多くは自己複製能力を持ち、半永久・自動的に物質の修復や分解を行うものとして描写される。
→猫よりは現実的に感じられるので、「いきなり猫を出すのはちょっとなぁ……」と考えられる程度に慎ましいSF作者に重宝がられる、なんでもありの記号。
【人間】にんげん
→多種多様な生命を描く作品においてしばしばその定義が問題になる。狭すぎると自分が外れてしまうし、広すぎるとチンパンジーも入る。
【ネビュラ賞】ねびゅらしょう
→米国で発表された優れたSFに送られる文学賞。知名度ではヒューゴー賞と並ぶ。
未だに日本人受賞者なし。頑張れば一番乗りできますね。
【ノアの方舟】のあのはこぶね
→二周目の持越しセーブデータ。
は行
【博士】はかせ
→マッドサイエンティストの前段階。多くは有能さに比例して正気を失っている。
【ブラックホール】ぶらっくほーる
→高密度、高質量の惑星が自らの重力で崩壊した天体。SF作品においては、しばしば強力な超能力者がミニチュアのブラックホールを作り出す。
その際は、ガンマ線やホーキング輻射は考慮してはならないと言う紳士協定がある。
【ブレイクスルー】ぶれいくするー
→リトマス試験紙の一種。「昔、これシンギュラリティって言われてなかった?」と感じる者は年齢的なブレイクスルーを迎えている。
【平均年齢】へいきんねんれい
→SF愛好者の間で毎年一歳ずつ上がると囁かれている概念。
【ベム】べむ
→主としてアニメのキャラクターの事。
【ペリーローダン】ぺりーろーだん
→SF文庫棚の占有者にして暇、という問題への解答。
ま行
【マッドサイエンティスト】まっどさいえんてぃすと
→完全に倫理から解放された科学者。しばしば魔法使いと同じ意味で用いられる。
【ミュータント】みゅーたんと
→何らかの要因によって通常とは異なる姿になった怪物。多くは迫害される存在。
→SF愛好者の事。
【無限】むげん
→果てのない事。SFの愛好者たちは想像力をこう考えている。
【メタフィクション】めたふぃくしょん
→さ行などで行っている事。センスが問われる技法。
【モノリス】ものりす
→SF御三家の一人、アーサー・C・クラークの小説『2001年宇宙の旅』に登場する謎の石版。
→八百万の神の一柱、モノリス大明神様の事。
や行
【野蛮】やばん
→十分な発達をした文明が、同程度の文明に向かって言う挨拶。
【ユートピア】ゆーとぴあ
→極めて高度な社会主義社会。探すのはお奨めできない。恐らく無人の地だろうから。
【42】よんじゅうに
→生命、宇宙、そして万物についての究極の疑問の答え。
→何の意味のない数字。
ら行
【ラプラスの悪魔】らぷらすのあくま
→究極の観測者にして予想者。かつての何でもありの記号。猫にとって代わられた。
【ループ】るーぷ
→ゴールに振出しに戻ると書いてあるすごろくのような、意地の悪い構造をしている物語の事。
永久に同じ物語を繰り返す完全円環型と、少しずつ結果がずれていく螺旋構造がある。
【ロボット】ろぼっと
→労働の代行をするために作られた機械、あるいは生物。よく主人に歯向かう。
→人類の99%を指す。
わ行
【私】わたし
→この作品の作者。自分の事を棚に上げて好き勝手言っている。
最後まで読んでくれてありがとう。