あれって針治療なのか?
第三次試験、トリックタワー
高いな。さて、どうやって下りよう。
ノーロープバンジーでもしてみますか?
あれ、気がつけば受験生の数が減ってる気が……どこ行ったんだろ。
「おーい、ハヤトー!」
あ、ゴンが呼んでる。
「今行k……」
一歩踏み出した時、がごんと足元で音がして一瞬の浮遊感。
あっちゃ~。
落ちました。なんかしかけ扉があったみたい。俺は床下の小さな部屋に落ちてきたっぽいです。
どっこだろ、ここ。
カタカタカタカタカタカタカタカタ…………
怖っ!!誰この人!?へんな人がいました。顔じゅうに鋲をぶっさしている変な人!
「やっと来た。遅いよ君」
「はい?」
顔に似合わない美声だった。ってか喋れたんだこの人!
「早くしてよ。君がくるまで俺、前に進めなかったんだからね」
そう言ってカタカタの人、何かを指さす。たどってみると、そこの壁に「助け合いの道」って書かれてありました。
「やっと相方となる受験生のお出ましのようだ」
突然スピーカーから声が聞こえた。試験官さんですかね?
「ではこの道について説明しよう」
助け合いの道、試験官さんの説明を要約すると、つまり二人で助け合いながら進みなさいってこと。片方が何らかの理由で脱落したらもう片方も失格になるんだとさ。
ふーん。やっと試験らしくなってきたな。
「ほら、さっさと行くよ」
そんなに急かさなくても。
「わかったよ……って誰だよあんた!?」
え?ちょっとカタカタの人どこ行っちゃったわけ?代わりに黒いさらさらヘアーで猫目の美青年がいるんですけど!誰よ君!
「さっきからいただろ。ちょっと顔の形変えてたけど」
「……お名前は?」
「ギタラクル」
「ハヤトと申します」
「あっそ」
そっけないな。つまり何?さっきのカタカタとこの美青年が同一人物なわけ?詐欺じゃね?
「ねぇ、早くしてくれない?俺待たされるの嫌いなんだけど」
はいはい。
ギタラクルが前を歩き、一歩下がって俺がついていく。なにやら細い通路が続く。なんかやだね、じめじめして気味が悪い。
しばらく歩くとやや広い空間に出た。目の前には二つの扉。
「どっちへ行く?」
と聞いてみたら、
「どっちでもいいけど」
ってそっけない答えが返ってきた。
「じゃ左で」
俺がそう言うと、ギタラクルさんは無言ですたすたと扉に向かっていく。
なんか愛想がないな。もっとこう、会話があってもいいと思うんだよね。せっかく一緒の場所に落ちてきた仲なんだからさ。
俺もギタラクルさんの後に続いて歩き出した。そしたら……ぷちん……足元で変な音が……
足元を見てみたら変なボタン。俺踏んじゃったよ。そしたらぷしゅーーって音がして、左の扉が開きました。
ギタラクルさん、こっちを見てるけど何思ってるか全然わからない。しかも何も言わずに歩きだしたし。
「ちょっとまって」
俺も慌ててついていこうとしてボタンから足を外した瞬間、シュッって扉が閉じた。
……え?これって……
あーギタラクルさんじっと見てくるよ。え?まじで?
俺はおずおずとボタンの位置に戻りました。ギタラクルさん、俺を置いて行っちゃうのか……てかさ、ここって協力の道って書いてなかった?片方リタイアしたらもう片方もアウトじゃなかったの?いいの?俺、ここに残って!?ギタラクルさん戻ってきてくんないの?
一人でもんもん悩んでたら、ういーーんって聞き覚えのある音が聞こえた。見てみると、右側のドアが開いていました。
……えっ!これって行っていいのかな?うん、いいや行っちゃえ。
意気揚々と右側のドアをくぐった。そしたら、筋骨たくましい男が一人立っていました。
なにここ?
ちらっと横を見たら、超強化ガラスを挟んで向こう側にギタラクルさんがいました。……えっ、ギタラクルさんの足元に死体が一つ転がってるんですけど!何があったわけ?てかギタラクルさんが踏んでるボタンってさっき俺が踏んでたやつといっしょじゃね?これって……あ、そういうことか。
「運が悪かったな小僧」
目の前の男が言った。
「ここはトリックタワーの中でも最難関の道!お前たちは五回のデスマッチをクリアしなければならない」
デスマッチ……ですか。
「この道には五つの部屋が存在する。その部屋ごとに試験官が一人ずつ。それを倒すことで相棒の進む扉を開くボタンが得られる。その名も『協力の道』。互いに相棒の道を切り開き合いながら進んでいく道だ」
あ~なるほど。
「つまり、あんたを倒せってこと?」
「そうだな」
「わかった。じゃ、さっさとやろう」
ギタラクルさんの視線が痛いもん。早くしろって言ってるよ絶対。
試験官さんはにやりと笑んだ。
「良いだろう、そんなに早く死にたければ、一瞬で殺してやる!」
試験官さんはミサイルみたいに突進してきた。うわっ、怖い怖い。あれあたったら痛いかな。
うん、早く終わらそ。
------念能力発動【魂を斬る刀】
俺は一本の日本刀を具現化した。これはあれだ、かつて死神だったころの戦友斬魄刀をモデルにした能力だ。ま、今回は解放しないけどね。
勝負は一瞬で終わった。あっけなかったな。瞬歩で懐に飛び込んで、急所を一突き。もう息してない。命ってはかないなぁ。あ、因みに瞬歩だけど、あれはもともと特殊能力じゃなくて単なる歩行術だったから、この世界でも修行したら普通に使えました。ま、この世界で使えるのは知識を持ってる俺だけだろうけど。
がごんって音がして、床の一部からボタンが現れた。俺はそれを踏んで、ギタラクルさんに手を振った。なんか言いたそうな眼差しをこっちに向けつつ、ギタラクルさんは次の部屋へと向かいました。
最難関って言われたけど、結局俺たちは三次試験を二位と三位でクリアした。
ちなみに一番はヒソカね。
【魂を斬る刀】
・斬魄刀を具現化する。
*制約
・発動のためには必ず開号と刀の名前を正確に叫ばなければならない。
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