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  H×H~X番目の人生記~ 作者:スリジャヤワルダナプラコッテ
俺、がんばってみる!





 「お前、馬鹿か?」
俺の話を聞いたジンの第一声がこれだった。


 ハンター試験でクラピカというクルタ族の友達ができたこと、そいつが一族を滅ぼした幻影旅団に並々ならぬ恨みを抱いていること、さらに少し前、俺は喫茶店で幻影旅団の団長と知り合いになり、成り行きで幻影旅団のメンバーとも仲良くしているということ、9月のヨークシンでそいつらがバトルしそうな雲行きであること、そういうことを俺は順に話していった。
 それを聞くなりジンは
「お前、馬鹿か?」
の一言だ。……馬鹿じゃないつもりだったんだけど。
「あのな、友達の仇と友達になる馬鹿がいるか?俺、いろんな奴にバカバカ言われてきたけど、お前ほどじゃないぞ!」
へ~、バカバカ言われてきたんだ。てかさ、友達の仇と友達になって何が悪いわけ?旅団はクラピカの敵だけど、俺の敵じゃないし!
「……お前、幻影旅団と出会った時にはすでに、そいつらがクラピカだっけ(?)の敵だってわかってたんだろ?クラピカが旅団に復讐しようとしていることを知っていたんだろ?それならいつかはこうなることも分かってたはずだぞ!自分から対立する二人の間に入ってどうする!」
……ま、確かに、その通りだ。
 ジンはまっすぐなやつだ。そういうところはゴンと一緒。だから、友達の敵なら自分にとっても敵だと思っちまう。
「ジン、あのな、幻影旅団だって俺にとっちゃあ友達なんだぞ」
「だーかーら、それがおかしいんだって。お前、それはクラピカに対する裏切りじゃねぇのかよ」
裏切り……だと?
「それは違う。俺はクラピカのことも友達だと思ってる!」
「だがクラピカにとっては裏切り以外の何でもない」
「違う!」
俺はついかっとなって怒鳴ってしまった。ジンは険しい顔をしたまま俺を見つめてくる。俺は深呼吸した。
「ジン、今日の仲間が明日の敵って言う言葉があるだろ?……けどな、俺はその逆もあると思っている。……つまり、今日の敵が明日の仲間になるってことだ」
ジンは黙ったまま俺の話を聞く。
「……昔、俺にはチキタとラーっていう友達がいた。ラーは、チキタの家族全員を皆殺しにしたやつだ。チキタはそれを知っていた。ラーを一生許さないとも言った。だけど、だけどその上でチキタはラーと一緒に生きることを決めていた。……チキタとラーの間には確かな絆があったよ。……旅団とクラピカが、そういう風になるとは思ってないけど、でも……クラピカが旅団を恨むからと言って、俺が旅団を恨む理由にはならない」
「……ハヤト……」
自分で自分の思いを言葉にしてみると、少しだけ落ち着いた。
「ジン、俺は、旅団にもクラピカにも死んでほしくない。できることなら双方が戦うことを避けたい。……ジンなら、こういう時どうする?」
「どうするって……そんなことあった試しがねぇのに……」
ジンの性格的に、そういうことはあり得ないんだろうなぁ。
「……だがもしそうなったなら……うーん……クラピカを何とかするしかねぇよな。説得して、復讐をやめさせるか……」
「やっぱりそうするしかないよね……それで聞くような奴じゃないんだけど。てか、もうすでに一度は説得済みだ。それでも復讐はやめないって言われちまった」
「一族郎党殺されたらそれが普通だ」
「……けど、人を恨み続けるのってしんどいし、難しいものなんだけどな」
「俺にはわからねぇよ」
「クラピカは、旅団を鬼畜だとしか考えられないんだ。それが当り前なんだけど。……でも、旅団だって人間なんだぞ。旅団の人間らしさを知ったら……って言いたいところだけど、そう考えられるようになるには、クラピカはまだ若すぎる。……難しいなぁ……」
俺は自分の腕の中に顔をうずめた。
 本当に、考えるのも嫌になってくる。つらいなぁ。
「……てか……クラピカは何歳だ?」
と、ジンが聞いてきた。
「あー、確か十七歳って言ってた気が……。俺より二つ上だな」
「自分より年上の奴に若すぎるって言うなよ……」
それもそうだ。悪い、ついつい……。あはははは。
「……ハヤトは気持ち悪いくらいに老成して見えるときがある」
気持ち悪いは余計だぞ、ジン。
「みんながハヤトみたいなやつばっかりなら、憎悪も復讐もなくなるんだろうな」
……それって褒め言葉?……てれるな、おい。
 ふと、ジンの手が伸びてきて、俺の頭に置かれた。
「ま、お前ならクラピカも旅団も両方救う道を見つけられると思うぜ。俺には無理でも、お前ならできそうな気がする」
「……なにそれ」
「なんとなくだ。お前はお前の思う通りにやってみたら良い。なんとかなるだろ」
……すっごく適当だ。けど、なんか嬉しくなるな。
 やっぱりジンって良いやつだ。
「うん、なんか重たい話して悪かったな。けどありがとう、ジン」
ジンは満面の笑みを浮かべて俺の頭をなでた。
 本当に、ありがたいよ。俺、ジンみたいな友達を持てて本当に良かったと思う。俺、頑張ってみる。俺に何ができるかはわからないけど、何もせずに傍観するよりはましだろ。旅団とクラピカ、そのどちらも死ぬことがないように。そのためなら命をかけたって構わない。友達が死ぬくらいなら、俺が死んだ方がましだからな。
 とにかく、ありがとう、ジン。ジンのおかげで少し心が軽くなったから。
 と、その時、俺達がいるテントに突然の乱入者が……
「ジン!ハヤト!大発見だぞ!!こいつは今世紀最高の発見かもしれねぇ!!」
ジャックさんだった。
「古代アメリ人のすべての謎がこの本一冊で解けた!!すぐに論文書くぞ!!手伝え!!」
ジンは露骨に嫌な顔をする。
「いや、論文とか面倒くさいことはお前に任せる!」
「なに!?ハヤト、お前は!?」
「俺もそれはちょっと……それに俺、もうすぐヨークシンに行くから」
「はぁ?何を言ってやがる!てつだわねぇとこの手がら一人占めにするぞ!!」
「「どうぞ!!」」
俺とジンが声をそろえて言うと、ジャックはひどくショックを受けたように一瞬固まった。
「おいおい、これ発表したら世界的に名を知られるようになるぞ!ハヤト、お前も一気に星持ちハンターになれるぞ!!」
「別に星とかいらねぇし」
「そうそう、星なんて持っててもあんまり意味ないぞ」
「お前らなぁ……」
ジャックさんはがっくりと肩を落とした。
「本当にこの意味分かっているのか?……百年に一度あるかないかの大発見だぞ!」
「はいはいわかったわかった。全部ジャックの頑張りだ。そういうことで、論文作成頑張れよ!」
ジンがそう言って手を振ると、ジャックさんはショックを通り越してひどく悲しそうな顔をした。
「……俺ぁ、お前らがわからねぇ……」











もうすぐ原作沿いに戻りますよ!!



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