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Chapter:05 追跡
Episode:89
◇Caleana
「あら、ルーフェイアったら戻ってたのね」
 あの子のお友達と一緒に例の店へ行ったら、当の本人はしっかりご飯食べてた。
「なに? おいしそうじゃない」
「うん」
 イマドに作ってもらったんだろうけどこの子、嬉しそうにシーフードのスープ食べてる。

「美味しいの。
 イマド、みんなにあげてもいい?」
「断らなくていいって」
 けっこう気の付くこのボウヤが、笑いながらちゃんとみんなにスープ分けた。

――いい子よねぇ♪
 そのうえなんだか、料理上手いし。
 今ももらったお皿から、いいにおいがしてる。

「やだもう! イマドったらあてつけ?」
「あらナティちゃん、どしたの?」
 やっぱりお皿もらったお嬢さんが、素っ頓狂な声でボウヤに抗議。後ろでシーモアちゃんが爆笑してる。

「だっておばさん、あたしがさっき同じの作ったら、イマドったら食べて文句言ったの!」
「なるほど」
 自分より上手に作られたら、そりゃ腹立つわねぇ。

「けどイマド、どうしてわざわざ同じものを?」
「いや、ルーフェイアが気に入ったらしくて、リクエストしたもんですから」
「あらあら」

 ルーフェイアがリクエストなんて、珍しい話。なにせあの子ときたら、食べられさえすれば文句言わないんだもの。
 前に最前線出てて毎日毎食携行食食べてた時も、毎度毎度「おいしい」って言うくらいだからかなり筋金入り。

――ホント、味ってもんがわかってるのかしらね?

 そりゃまぁ、味に文句言わない分生き残る率は高いんだろうけど……。
 けど見てると今は、ほんとに美味しそうに食べてる。
 と、ゆっくり食べてた手を休めて、この子が友達に尋ねた。

「そういえば……シーモアもナティエスも、なんでもなかった?」
「あはは、大丈夫だよ。あんたも心配性だね」
「ウソばっかり。ヤバかったとこ、ルーフェイアのお母さんに助けてもらったんじゃない」
「え……!」
 ナティちゃんがバラしたもんだから、ルーフェイアったらびっくりして立ち上がってる。

「け、怪我は?!」
「ないない」
 苦笑しながらシーモアちゃんが、結局詳細をこの子に教えた。

「――で、結局あんたの親父さんが、つきとめてくれたのさ」
「ほんとに? 父さん、尾行なんてできたんだ」
「あんたねぇ」
 ボケ言ってるルーフェイアに思わず突っ込む。
――この子ってばほんと、もの覚えがいいんだか悪いんだか。

「傭兵稼業やってたら、このくらい当たり前でしょうが。
 だいいち家での訓練には、こーゆーのまでカリキュラムに入ってるしね」
「そうなの……?」
 ってそういえば、この子受けてないんだっけ。
 どうもうちの実家は信用できないから、この子は最初っからあたしが、戦場連れ出しちゃったものねぇ。

「ともかく、あたしはこれで稼いでるの」
「太刀振り回すのと尾行って、関係あったんだ……」
「――それは違うだろ」
 違うかしら?

「え、おばさんってば現役なんですか?」
「そうよ♪」
 ナティちゃんが興味津々って顔で訊いてきた。




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