ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
Chapter:04 交渉
Episode:69
「ともかくやめなさいって。割るんだったらあたしが持って帰るわ」
「――あなた、意外とみみっちいのね」
「みみっちいって……」

 もったいないものは、もったいないと思うんだけど。
 というか、それより。

「よかったらディアス、貸すわよ?」
「お金じゃあるまいし。
 だいいちいくらあたしだって、人様のものに手をつけるほど、あさましくないわよ」
「あ、気兼ねしなくていいのよ〜。
 どうせあたしら、2人で好き勝手やってるんだもん♪」
「――どういう夫婦よ」
 これ、よく言われるけど……なんでかしらね?

「ま、気にしないで♪」
 それからあたし、ちょっと真剣になって彼女に訊いた。
「ねぇ、このスラムで近々、なにかあるの?」

 実はここへ来ることになったのは、ディアスが言い出したから。
 あの子がスラムに来るって話を訊いたロシュマーの連中が人を用意しようとしてたんだけど、そこに珍しく横槍入れて、彼ってば来たのよね。
 そりゃ、ルーフェイアが心配なのはわかる。
 でもロシュマー連中の洗い出したここの情報見て飛び出したから、それだけじゃないはず。

「ちびちゃんたちの抗争があるのは、あたしも一応聞いてる。
 けど、それだけじゃないんでしょ?」
 こう言うとレニーサが躊躇った。

「ちょっと部外者に言うわけにはね……」
「お願い、教えて。
 うちの娘と、その友達が絡んでるのよ」
「娘さんが?」
 一瞬だけ、レニーサが間をあけた。
 そしておもむろに口を開く。

「まぁ、あたしもそれほど細かいこと、知ってるわけじゃないのよね」
「それでいいわ」
 なんにも状況がわかんないのに比べれば、ずっとマシだろうし。
 わかった、と言ってレニーサが話し始める。

「祭りがあるのは知ってるって言ったわよね。そうしたら――原因、聞いてる?」
「ぜ〜んぜん」

――やぁね、そんな呆れた顔しなくたっていいじゃない。
 ともかくレニーサったらひとつ溜息ついてから、気を取りなおしたみたいに話を続ける。

「双方のチームのちっちゃい子を、互いに殺っちゃったのが原因なのよね」
「ちっちゃい子って、まさかよちよち歩きの子?」
「もうちょっと大きいけど、どっちも5歳くらいじゃないかしら」

 気が滅入るような話。
 世の中何がイヤって、子供が死ぬのくらい嫌なものってないもの。

「――ここもシビアなのね」
「そう言うのかしら?
 でももともと、このスラムじゃこういうことはご法度だし、だいいち普段はちゃんとしてるあの子たちがどうしてそんなことしたのか、まるっきり見当つかないんだけど……」
「じゃぁ何? なんの怨みか知らないけど、双方でご法度破ってやりあってるわけ?」
「そうなっちゃうわね」

 なんてことかしら。
 そりゃ怨みが嵩じてやりあうっていうのは、古今東西ありきたりなパターンだろうけど……。




Web拍手 ←Web拍手です

FT小説ランキング  毎日OK:FT小説ランキング“ルーフェイア・シリーズ”に投票
 順位だけ見たい方はこちら

NEVEL Ranking  月に1回:NEWVELランキング“ルーフェイア・シリーズ”に投票


◇イラストいろいろです。随時募集中です♪◇
シエラ学院制服  Blue Ocean  ルーフェイア・シリーズ

自サイト美術室はこちら
掲示板はこちら。お気軽にどうぞ♪


筆者サイト
↑筆者サイトへ
最新話へのリンク、改行なし版等があります


+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。