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東方凡人記:8話
「あと少しだと思うぜ」
「だと思う、ってなんだよそんな曖昧な」
「だって徒歩で移動なんてあまりしてないから距離感がわからないんだぜ」
「あーはいはい、そうですか」

 魔理沙が一緒にいるおかげなのか妖怪にもあれから襲われず順調に博麗神社までの道を進んでいく。
 魔理沙は話下手な俺でも気軽に会話することが出来て(というか魔理沙が殆ど話題を振ってくる)中々付き合いやすい性格をしていた。道中暇だったので助かる。
 それはそうとルーミアは大丈夫かね。食われそうになって心配するのも変かと思うが見た目は女の子なのである。見た目オッサンか化け物だったらストンピングでもれなくトドメを刺しているが。(狙いは下半身)
 魔理沙にこいつはこのままでいいのかと聞いてみたが、

「いつもの事だから気にしなくていいぜ。それに妖怪はタフだからな」

 だ、そうです。なんというサバイバル。すごいぜ幻想郷。

「そういえば魔理沙も妖怪なのか?」

 なんだか妖怪と人間の区別がつかなくて困る。それも仕方ない、見た目は人間なんだもの。

「おいおい、私は人間だぜ? 普通の魔法使いって言ったじゃないか。人間やめた魔法使いってのもいるけどな」

 魔法使いの時点で普通じゃない……いや、魔法使いとしては普通なのか? そして俺は人間をやめるぞォー!! 魔理沙ァァァァ!! と叫びながら謎の誰かが仮面を装着するシーンを何故か連想する。

「石仮面で吸血鬼になるんですね」
「ん? 何を言ってるんだ?」

 違うらしい。

「でも、人間でも魔法を使えたりできるのか」
「私は魔法使いだからな」
「バカかおめぇ、黒魔が魔法使えるのはセコい」
「魔法使いが魔法を使えるのは当然だろ?」
「ちょっと言ってみたかっただけだ」
「変な奴だな」

 白黒には言われたくない。

「ところで刀を持っているようだが使えるのか?」
「俺に斬れるものはあんまりない」
「あ、そう……ならなんで持ってきてるんだ?」
「カッコいいから」
「聞いた私が馬鹿だったぜ」

 失礼な。

 でも中途半端に護身術を覚えているのはかえって危険だそうだ。変質者に襲われた時に護身術を行使して逆上されて危ない目に逢った人も多いらしい。
 幻想郷(ここ)の場合は変質者よりタチの悪い妖怪なのだが。

「刀から弾幕とか出せたらなあ……」
「出してる奴、いるぞ」

 幻想郷やっぱパネぇ。

「おっ……神社見えてきたぜ!」
「やっとか」

 大体今午後5時頃か。夜までに人里に戻れるかなぁ。際どい時間だ。台車を押すのも、もう飽きたぜ。


☆☆☆☆☆


「やっと着いたぜ~! 飛ばないとやっぱり遅いなー!」
「飛べない俺への当て付けか」

 妬ましい。俺だって本気だしゃ飛べ……ませんよ。

「おーい霊夢!!」

 ぶつぶつ愚痴っていると魔理沙が誰かを呼んでいた。恐らく博麗神社の巫女だろう。

「全く五月蝿いわねぇ……宴会の準備で忙しいのよ……ってあら?」

 出てきたのはやっぱり巫女さんだった。俺がいるのが予想外だったようで。つーか、なんだよあの巫女服。肩と腋丸出し。最近の巫女服はああいうスタイルなのか。
 が、初詣とかでよく見る巫女さんのバイトと違って着こなしている所を見ると流石本職と云うか。

「コイツはリュートっていって、酒の配達に来たそうだ」
「どうも、俺リュート。よろしく」
「へえ、まさか本当に届くとは。私は霊夢、博麗霊夢よ」

 待て、聞き捨てならん言葉が。

「まさか届くとは、って何だ?」

「宴会で使うお酒が足りなくなっていたのよ。作るには間に合わないし、それで酒屋に行ったんだけど。でもやっぱり人里で買って運ぶの面倒だから買わないって酒屋に言ったら、
『配達も最近始めましたんで買っていってくだせぇ!』とか言われたのよ。胡散臭かったけどとりあえず利用しようかなって」

 あのオッサンマジで妖怪の餌にすっぞ……! 俺はなんでも屋じゃねえぞ!

「通りで配達とか変だと思ったぜ。上手いこと利用されたな」

 ハハハ、と笑う魔理沙。ムカついてきた! あのじじい! 安運賃で危険な仕事押し付けやがって!

「うおおおおお!!!」
「五月蝿い」
「はい」

 霊夢さんは淡泊な人みたいだ。ナイスドライ。売上No.1。(混乱中)

「で、リュートさんって言ったかしら」
「うん?」

 なんですかレディ。

「帰りはどうするの?」
「え?」

 酒がなくなって軽くなったとはいえ台車押しながら今から帰ったら太陽がオサラバしてしまうのは当然のこと、であった。どうしよう。

「宴会の準備って言ってたけど今日だっけか? 宴会」
「何ボケてるのよ。昨日言ったじゃない」

 宴会ねぇ、楽しそうですねそっちは! こっちは素早く帰る手立てを考えなきゃならんのに!

「そうだリュート、お前も宴会参加するか?」
「は? どうして?」
「夜に外ほっつき歩くより宴会に参加して呑み明かした方が安全だと思うぜ? 霊夢もいいだろ?」
「好きにしたらいいわ」
「だとよ。どうだ?」

 成る程。確かにほっつき歩くよりこっちの方が安全だ。なにより宴会って楽しそうだし。

「でも、いいのか? 俺なんかが参加して」
「許可もとらずに連中はいっぱい来るし気にしなくていいと思うぜ」
「散らかすだけ散らかしてね」

 そうなのか、霊夢も大変だな。

「じゃあ参加しようかな」

 宴会。この単語にウキウキするのは俺だけじゃないはずだ。酒配達、面倒臭い仕事だったけど引き受けてよかったかな。
やっと原作主人公登場。キャラ付けが難しい


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