ダイヤモンド・リング
わたしは誰からも見えない空気のようなもの。
強い重力で引かれた空気のようなもの。
こんなに近く、あなたのそばにいるのに
誰もその姿を見届けることができない。
あなたはいつも輝いている。
あなたのその輝かしい光は誰もが認める金色の光。
わたしはそばでその光をこの身に受ける。
そうしてわたしを貫いていく。
わたしはあなたが生まれてずっと
あなたの光を受けてきた。
そうしてこの身を焦がしてきた。
誰にも知られないように。
けれどもわたしの存在は秘密じゃない。
次は11月14日。
月の女神があなたを覆う。
そうしてわたしは露になるの。
わたしはコロナ。
月の女神があなたの全身を隠すときだけ
わたしは地上の人々にその身をさらす。
この身に宿る高熱と光冠。
あなたにそっと捧げましょう。