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童話

魔法のパウダー

作者:三の木

とある町のとある家にナオという女の子がいました。

ナオはある日の夜、夢をみました。

夢のなかに「ひょお〜んひゃら、ほいっ」と小さな老婆が現れたのです。

「あなたはだあれ?」

夢の中のナオは言いました。

「わたしは魔法使いのマホーだよ」

と、マホーは答えました。

「ほんとうに? じゃあ、なにか魔法を使ってみせてよ」
「いいともいいとも」

マホーは右手の人さし指をピッと立てると「ほいっ」と言いました。

すると、ポンッと小さなお鍋とコンロが出てきました。

「これから魔法のパウダーを作ってみせよう」

そう言うと、マホーは再び右手の人さし指を立てて「ほいっほいっほいっほいっほいっ」と唱えました。

すると、小さなにんじん、玉ねぎ、りんご、ピーマン、生クリームがでてきました。

「これを細かくすりおろして、生クリームで煮つめるんだよ」

マホーはにんじん、玉ねぎ、りんご、ピーマンを魔法で細かくすりおろして鍋に入れると、そこに生クリームを加えて煮つめはじめました。


ぐっぐっぐつぐつ ぐっぐっぐつぐつ


「さあて、最後の仕上げだよ」

マホーはそう言うと、懐から赤、青、黄の3色の飴玉を取り出しました。

それを煮立った鍋の中に入れるとーー。
鍋は赤く光って青く光って黄色く光ってポンッと音を立てました。

すると、鍋の中には白いパウダーが出来上がっていました。

「さあ、これが魔法のパウダーさ」

マホーはパウダーを袋に入れかえて言いました。

「これはいったいなんなの?」

ナオは問いかけました。

「このパウダーをかけると、どんなものでも紙の中に入ってしまうんだよ」

マホーが答えました。

「ふーん」

ナオはパウダーの入った袋を受け取りました。

「もらっていいの?」
「もちろんさ。使うも使わないも自由だよ」

マホーは笑って言いました。




ナオは目を覚ましました。

すると、枕元に夢で見たのと同じ袋がありました。

中を見てみると、白いパウダーが入っていました。

「あの夢、ほんとうだったのかな?」

ナオはラクガキ帳をひっぱり出してくると、近くにあったくまのぬいぐるみに白いパウダーをかけました。

すると、ポンッと音を立ててくまのぬいぐるみが消えてしまいました。
そして、ラクガキ帳の真っ白だったページにくまのぬいぐるみがちょこんと座っていたのです。

「わあ!」

ナオは感動しました。夢はほんとうだったのです。

ナオは嬉しくなっていろんなものをラクガキ帳の中にいれました。

お気に入りの洋服、クッション、おもちゃ、おやつのキャンディー。お庭に出て、花壇に咲いているきれいな花にもパウダーをかけました。

ラクガキ帳の中はいっぱいになりました。

そして、最後にナオは自分に残ったパウダーを全部かけました。

ポンッと音がししました。
ラクガキ帳だけを庭に残して、ナオは消えてしまいました。

ナオが目を開けると、真っ白い世界の中にくまのぬいぐるみ、お気に入りの洋服、クッション、おもちゃ、おやつのキャンディー、お花がありました。

ただしちょっと様子が変。

「わあ、みんな大きくなってる!」


そうーーナオ以外、みんな大きくなっていたのです。


ナオは楽しくなって、大きなくまのぬいぐるみに抱きつき、大きな洋服にもぐりこみ、大きなクッションでジャンプし、大きなおもちゃで遊び、大きなキャンディーを食べ、大きなお花にのぼりました。

いっぱい遊んだナオはそろそろラクガキ帳の外に出ようと思いました。

ところが大変! どうやって出ればいいかわからなかったのです。

右を見ても左を見ても前を見ても後ろを見ても真っ白い世界が続くだけ。

「魔法使いのマホーさあん! どうやって外に出るのお!」

ナオは大きな声で叫びましたが、マホーは現れません。

「ここから出してよお! パパー! ママー!」

ナオはいよいよ怖くなってわんわん泣きました。



するとーー。


庭に落ちていたラクガキ帳がみるみる濡れていくではありませんか。

ナオの涙はくまのぬいぐるみを濡らし、洋服を濡らし、クッションを濡らし、おもちゃを濡らし、キャンディーを濡らし、花を濡らし、ナオを濡らしました。


ぽぽぽぽぽぽぽん!!


なんということでしょう。
ラクガキ帳の中からくまのぬいぐるみが飛び出し、洋服が飛び出し、クッションが飛び出し、おもちゃが飛び出し、キャンディーが飛び出し、花が飛び出し、最後にナオが飛び出しました。

ナオは涙を止めてびっくりしました。

「ナオーー!」

お家からナオを呼ぶママの声がしました。

「ママーー!」

ナオは大きな声で答えます。

ママは庭に出てきてナオに聞きました。

「ずっと探してたのよ? どこにいたの?」
「ごめんなさい」

ナオはママにぎゅうっと抱きつきました。




「ひょお〜んひゃら、ほいっ」

魔法使いのマホーは夢の中を旅しながら「あっ!」と声を上げました。

「いけない、いけない。魔法のパウダーは水で洗い流せるのを言い忘れちゃったよ」

マホーはぺろっと舌を出しました。


おわり



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