桜が散る頃。縦書き表示RDF


僕の短編小説ですが、今回のテーマは家族です。家族の絆を深めることは大切だと思います。みなさん。読んでみて下さい。
桜が散る頃。
作:夕露龍鳳


がっくり。それは桜が舞い散った、ある朝のことだった。今日は広島の宮島に旅行に行くつもりだったのに、朝から父が仕事なんだって。
「早く起きたら?」
「今日は起きる気がしないから10時まで寝ておく。」
「あっ。そう。なら勝手に寝ていたら。」
今日の母は、冷たかった。母だって旅行に行きたかったに違いない。だからわたしに当たるんだ。

わたしの名は、佐久間理佐。みんなからは、りっちゃんって呼ばれてる。

ふと気がつき起きたときにはもう時計は11時を回っていた。
「ふぅ。」
そう、自分に掛け声をかけて起きると誰もいなかった。玄関に書置きがしてあった。
「りさへ。
 今から買い物に行ってきます。12時には帰ると思うので、待っていてください。」
今日はなんだかいい気分だなと思いました。
予想通り、母は12時3分前に帰ってきました。母の機嫌もよさそうなので、今日はいろいろ話しかけてみることにしました。
「ねえねえ、今日さ、旅行に行きたかった?」
わたしは何気なく聞いてみた。
「うん。そりゃあ行きたかったけど、隆男さんの仕事だもの、仕方ないでしょう。」
「へえ。やっぱり行きたかったんだ。」
「そりゃあそうよ。家族交流の機会だもの。」
わたしは、母にも旅行に行きたいという気持ちがあったことに、すこしほっとした。
「今日は退屈だね。」
母は言った。
「トランプでもしない?」
あーあ。この言葉が出てしまった。わたしは、トランプに勝ったことがない。どうせ今日も神経衰弱ということになるだろう。
「もちろん・・・・・・。」
「神経衰弱でしょ。」
「そう。当たり。」
「でもさ、二人じゃあ面白くないから、裕美もよんでいい?」
「ええ。もちろんいいよ。」
裕美はわたしの親友。近くにあるアパートの一角に住んでいる。

「裕美、一緒にトランプしない?」
「いいよ〜。」
「神経衰弱なんだけどさ、わたしとお母さんしかやる人いなくてさ、裕美も呼ぼうってことになったの。」
「ふ〜ん。そうなんだ。」

わたしと裕美が帰ってきてから、神経衰弱が始まった。
「よっしゃ〜。一番枚数多い!!!」
「えっっ!!!おばさん強い。」
「しょうがないよ。お母さん神経衰弱大得意だから。」
「えっっ!!そうだったの。」

1回目は母40枚、裕美10枚、わたし4枚だったの。
「ああっっ!!!いつの間にか12時30分じゃないの。裕美ちゃんうちで一緒にご飯食べる?」
「えっっ!いいんですか?」
「もちろん。ピザでも取ろうか。」

プルルルルルルル。電話の音。
「あのすみません。桜木町4丁目の佐久間と申します。スペシャルミックスピザ2つください。」
「はい。分かりました。」
ピザが到着したのは、それから15分後のことだった。
「こんにちは。」
「ピザーラ。桜木店です。」
「あっっ!!ピザが来た。」
「よし。食べようか。」
「はーい。」
この三人はみなピザ好きだ。だからみんな早い早い。あっという間に全部食べてしまった。
「ごちそうさま。」
「あー。おいしかった。」
「おばさん。ありがとう。」
その後、裕美は3時ごろ帰っていった。
「あーあ。楽しかったね。」
裕美が帰ってから、わたしは母に話しかけて言った。
「うん。」
母も同じ気持ちだったんだなと思うと、とても嬉しくなった。

父は、9時30分ぐらいに帰ってきた。
その時わたしはとても機嫌が良かったので、父を恨むのも忘れて、話しかけた。
たった一言。
「おかえり。」
「ただいま。」
父も機嫌よく答えてくれた。
「今日はさ、わたしとお母さんと裕美で神経衰弱やったんだ。すごく楽しかったんだ。」
「おうおう。それは良かったな。」
「あとお昼にピザも食べたんだ。」
「ほう。お父さんも食べたかったな。」
「あとね・・・・・・。」
話は途切れることなく続いた。

わたしは、家族って本当に大切なものだと思った。また、家族なしでは生きていけないということも分かった。だからわたしは、一人暮らしの人に何かをしてあげれたらいいなと思った。

今日もいい星空が浮かび上がっていた。

「きれいな桜だなぁ。」
一人で夜桜を見ていたわたしは、すっかり寝てしまっていた。

END


この小説を読んでくださってありがとうございました。













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