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久々です。今回、渡君との話は展開が大分速いです。
……ああ、これってガンアクションなのかラブコメなのか時々分かんなくなるなぁ……
33.あー・ゆー・はっぴぃー? の巻
『悟(君/お兄ちゃん)――――――――ッ!!』

 主観時間で結構久々の再開。お出迎えは熱い抱擁ではなく、3つの拳だった。

「チョバムッッ!!」

 どりるみるきぃなんちゃら並みの威力を持って放たれたそれらをまともに受け、俺は衛星軌道上まで飛ばされることとなった。……キレイだったなぁ、太平洋。

「どこ行ってたんだよ、この馬鹿!」
「狩野、さっきお前の手で衛星軌道に行ってたんだが……」
「悟君、本当に、ほんっとうに心配したのよ?」
「う、すみません……」
「お兄ちゃん……どりるみるきぃ――」
「え、ちょ、問答無用!?」
「――ぶれいかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「ライカァァアァアアアァアアァアアアァッッ!!」

 そんな真面目なんだか不真面目なんだか分からん会話をした後、人工衛星に乗って地球の衛星軌道上を始めて周回した犬の名を叫びながら、俺は再び衛星軌道上に舞い戻っていった。

 んで、数分後。

「まあまあ、彼も反省してるようじゃし……そこまでにしてやってはくれんかの?」

 確かに、公共の場(野外公園)でこれ以上宇宙に飛ばされてもその内NASAとかに感づかれるだろう。……なんか根本的に間違ってる気がするけど。

「ったく、その、あれだぞ……別に、心配なんか……してないんだからな……」

 少し照れてるのか、顔を赤くしてもじもじと呟く狩野。

「ふむ、これが巷で噂の、『つんでれ』という奴か」
「ああ。――可愛いだろ?」

 興味深そうに狩野を見つめる渡。俺は奴の肩に手をポンと置くと、歯をキランと光らせながらサムスアップした。

「……申し訳ないが、ワシの好みではないな」
「ガァーン!」
「悟君、擬音が口から出てる」

 くっ、この可愛さが分からんとは……『首取り屋』も堕ちたものだな!

『はいマスター、コントはその辺にしておきましょう』
「そうだな……ソア、岡田とは連絡つくか?」

 思考をシリアスモードに切り替え、俺は表情を改める。
 と、突然狩野ら三人娘がボーッと俺のほうを見てきた。

「やっぱ、普段ふざけてる奴が急にキリッとすると……クルよねぇ……」
「うん、そうね……」
「狩姉ちゃんに同意です……」

 クルって……何が?

『マスター、岡田様は現在就寝中です』
「叩き起こせ」
『無理です、私人間じゃないですから』
「チッ、こんなところでAIの弊害がッ!」

 まったく、こんな時に寝ているとは岡田も間の悪い奴だ。

「そうじゃ、岡崎よ」
「ん? ……どうかした、のか?」

 念のため、渡と狩野達の間に体を割り込ませながら、俺は正面から渡を睨みつけた。
 場の空気が変わり、身も凍るような殺気のやり取りが始まった。

「何じゃ、急に警戒なぞしおって」
「それで、俺達をどうするつもりだ?」
「どうするも何も……ここで出会ったのも何かの縁じゃろうと思っての」
「質問に答えろ……俺達をどうするつもりだ?」

 声の中に、一般人でさえも気づけるほどドス黒い殺意を混ぜた。渡は一瞬だけ眼を細めたが、すぐに口元を歪める。

「……流石は、『鮮血の狂戦士』」
「「「ッ!!?」」」

 と、渡が突然俺の通り名を口にする。これでこいつも非日常(コッチ)側だってのが狩野達にも分かっただろう。

『……それで、渡さん。縁だと思って、マスター達になにをしようとしたのですか?』
「ははは、機械の女子(おなご)にも好かれておるとは、岡崎悟とは真に面白き男じゃのう」
「テメェの戯言に付き合ってる暇はねえんだよ。さっさと『グゥ~』……さっさと、テメェの『グゥ~』………………テメェの目的をはな『グゥ~』……………………」

 人がシリアスモードに移行していたというのに、後ろの三人娘は揃いも揃って、順々にお腹の音を鳴らしてくれやがりました。ナイスギャグアシストです。本当にありがとうございました。
 赤面する狩野達。けれども空気は緩んだまま戻らない。

「……とりあえず、コンビニにでも行くかの……?」
「…………はい」

 なぜだろう、俺と渡って友達になれるかもしれない、そう思えた。


「狩野、もうメシはいいのか?」
「ちょっと、今話しかけないで」

 雑誌コーナーで大マジに週刊ジャ○プを立ち読みする狩野。足元には栄養ブロック食が二つ入っているカゴがあるだけ。
 ……コイツ、コンビニなめてんのか……!?
 
「狩野、お前が買うやつ俺が決めとくから」
「ん? あぁ」

 そんなに死神代行のアクションバトルが見たいか。そうかそうか。
 上等だ。
 まずは、その(コンビニ=栄養食っていう)幻想からブチ殺す……!

 

 数分後。

「悟、これ本当にコンビニで買ったの……?」
「――全て、コンビニだ」

 呆然とレジ袋を見る狩野。中にはサンドウィッチやおにぎりは勿論、菓子パンにアイスまで入っている。

「負けたわ……コンビニの予想外なレパートリーの豊富さに敗北したわ……」

 公園で膝を突く狩野。端から見ていて怪しいことこの上ない。

「なぁ渡、ここで食うのもなんだしさ」
「む、近場に良き食場などあったかのう?」
「お前の家に上がらせろ」
「図々しすぎるじゃろ!」

 結論:渡家にゴー!

「……何故じゃろう、ワシだけひどく置いて行かれておる気がするのじゃが……」
「気にしないでください、久美は気にしませんっ」



 渡家。
 そこは某シスコン騎士の住んでいたセンスの悪い豪邸などではなく、由緒正しい和風の屋敷だった。
 広さはちょうど、うちの学校の総面積ぐらいだろうか。――うん、馬鹿みたいに広い。

「おい渡、断罪の騎士って皆、家広いのか?」

 渡が断罪の騎士だということは、俺とソア以外知らない。よって必然的に小声になってしまう。

「何を言うか。『氷結の鉄』は廃工場に住んでおるし、後の二人は何処に住んでおるか誰も知らんぞ」
「あっさり情報漏えいしたなお前!」

 断罪会って、なんか凄いのか凄くないのか時々分かんなくなる。

「あ、渡さん、この家には一人で住んでらっしゃるんですか?」
「うむ、いかにも」

 由美に対して、厳格に頷く渡。……ただ、美少年がそれをしても絵にならない。むしろ『こめでぃちっく』。

「何故じゃろう。今、隣に居るお主を無性に『天原導尊(あまばらどうのみこと)』の錆にしたくなったのじゃが……」
「冗談になってねぇ!?」

 ばっちり居合いの構えをとる渡。ああ、俺の生涯はこんなコメディシーンで終わるのか。

『グゥ~』×3

「…………………………(俺)」
「…………………………(渡)」
「…………………………(狩野)」
「…………………………(由美)」
「…………………………(久美)」

 無言。ただひたすらに、無言。

「……渡、とりあえず、メシ食おっか」
「……そうじゃな」

 頬を撫でるエアコンの送風が、無性に優しく感じた。


 
 ――――今は午後二時、ユーレイとか出そうな丑三つ時。
 はっきり言って怖いです。うん、だって真っ暗な空間の中、刀持った男と二人きりだぞ?

「さて、『鮮血の狂戦士』よ……得物はあるか?」
「……ああ」

 俺は右手に持った白銀のレイピアを、一層強く握り締める。渡からの借り物で、一応近距離での戦闘にも備えての装備だ。
 左手にはいつも通り拳銃。銘は『SIG SAUER P250』といい、シグ社が2004年に発表したオートマチック式の拳銃だ。……正直、こんなにカスタムの自由性が高い拳銃は見たことがない。
 ちなみに現在は左利き用に改造し、サイズを極力小さめにしてある。これが一番扱いやすい。

「……お主は戦いに生きておる。して、その人生は幸せか?」

 と、唐突に聞かれたその問い。
 俺は口元を歪め、レイピアを正眼に構え――全力で駆け出しながら、咆哮した。



「――幸せなわけねえだろォッッ!!」



 『鮮血の狂戦士』と『首取り屋』が、交錯した。
多分、後2話ぐらいで渡君の話は終わり、かな……?
そろそろファンタジーのほうも更新したいです。
っていうか、現代高校生暗殺者ガンアクションと主人公最強ハーレムファンタジーを並行して執筆する奴なんて居るのか……?

ま、それはそれで、評価・感想お願いします。
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