10.舞鶴2
〔青、白、青…〕
ここは教室。
私は参考書を片手に10本目のミサンガを編んでいた。
今日は中学最後のイベント、鶴美祭が終了し後片付けに追われていた。
私は…もちろんさぼり♪
鶴美祭も終わり、もうすぐ私立入試がある。
そして私の本命:推薦入試がある。
私立も滑り止めだからと言ってバカにはできなかった。
「…清水?」
気づけば彰太が私を呼んでいた。
「な…なに?」
あれから私は彰太を意識していた。
〔もしかしてさぼってんの怒られる…?〕
「ミサンガ、そんなに編んでるけど誰にやんの?」
〔ミサンガ…?〕
この青と白のミサンガたちは、私がクラス全員が合格するように一人一人に編んでいた物だった。
それに、このことは内緒で…
「えっと…飾るの!!」
我ながら下手な嘘…
「ふ〜〜ん…」
彰太は不審気に私を見ていたが、何もなかったかのように去って行った。
彰太の後姿を見ていると、やっぱり男の子なんだな…と思ってしまう。
彰太を想った方が幸せなのかもしれないと思う。
でも、やっぱり巧のことが忘れられなかった。
〔変なキモチ…〕
今の私には誰が好きで誰が友達なのか分からなかった。
「亜弥♪」
満月と南月が私を呼びながらやって来た。
〔2人もさぼりかな?〕
「ん?」
「なんか元気ない?」
2人にはなんでもお見通しのようだ。
「…なんか…自分の気持ちが分からなくなっちゃって…」
私は2人に話してみた。
歩から聞いた話と自分の気持ちを…
「そっかぁ…」
南月が難しそうな顔をしている。
「彰太はさ、友達だから悩むんじゃない?」
満月が問いかけてきた。
「友達だから傷つけたくない。
だから無理して好きになろうとしてるんじゃない?」
〔なるほど…〕
確かに思い返せばそのとうりだった。
無理して巧を忘れようとして、無理して彰太を友達以上に見ようとした。
「亜弥が本当に好きな人を見てあげた方がいいと思うよ♪」
〔私が本当に好きな人…〕
「…亜弥?」
南月が不安そうに顔を覗きこんだ。
「満月、南月…」
「ん?」
「ありがとぉ!!」
〔私の好きな人はやっぱり…〕
窓を開けた。
夕方の空は少し薄暗い――
でも、少し桃色のかかった空。
この空を見て浮かんだのはあの人の笑顔…
〔私は…やっぱり、キミが好き…〕
桃色の空と仲間の声が、私の背中を押した。 |