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応援して下さる皆様、お待たせいたしました♪  なんと嬉しいことに「MENT THE RIGHT ONE」が田舎ワードで3位になりましたっ☆  これも応援して下さる皆さんのおかげです(*^_^*)ありがとうございます!!!  今回は前回巧と接近した亜弥が心が揺れてしまいます…。  2人に何があったのか!?注目です☆★
MENT THE RIGHT ONE
作:葉稚恋



9.舞鶴1


この町は、日本でも数少ない鶴の飛来地。
鶴が舞い降りてくる季節と共に冬もやって来る。
‘冬の使者’と呼ばれる鶴が空を舞っている中、地上で佇んでいる私は吐息の白さに心打たれていた。
「もぅ…冬なんだ…」
あれからどれだけ時間(トキ)は過ぎたのだろう?
巧と過ごした日々が、遠い昔のように思えて仕方がない。
〔今キミはこの同じ空の下で何をしていますか?〕
冬になったからなのか、巧への想いを断ち切ったからなのか分からないが、私の心は一肌恋しかった。
「寒いなぁ…」
1人トボトボと歩いて通う通学路は、余計寒さを感じさせる。
「よっ♪」
声をかけられ振り向くと、自転車を押している彰太が居た。
彰太とは悠祐との一件以来仲がよくなった。
私が…唯一信頼している男友達――
「おはよ…」
「ん?なんか元気なくない?」
「そ、そんなことないよ〜」
「…そ?じゃあ準備があるから先行くわ」
「また…ね」
そう言うと彰太は自転車に乗って学校へ行ってしまった。
後に居る私をチラチラ見ながら…
〔もしかして考えてることバレたかな…?〕
私はまた1人で学校を目指して歩いた。

200mの道のりを歩ききり、ようやく学校に着いた。
学校は体育館と校舎を行き来する生徒が忙しそうにしていた。
「あっ、亜弥おはよぉ♪」
「おはよ…なんか忙しそうだね〜」
「うん↓でも鶴祭のためだもん!」
「そっか♪もうすぐだもんね〜!」
鶴祭とは通称:鶴美祭の略で、この学校でいう文化祭の事だ。
「そう!じゃ、また教室でね」
「ガンバ〜♪」
〔そっか…もうそんな時期なんだ…〕
この鶴美祭は中学校生活最後の行事となる。
受験前の私たちにとっての大イベント!
みんな最後の思い出作りに張りきっていた。

「あ、清水〜!このダンボール体育館に持ってってくんね?」
教室に着いたばかりの私に諒が声をかけてきた。
この日の学校1イケメンは、朝から女子に囲まれていた。
「えっ?ちょ…」
「じゃ、よろしく〜♪」
諒はダンボールを2個私に渡した後、女子の群れと共に居なくなった。
〔はぁ……〕
仕方がないので運ぶことにした…が、体の小さな私の視界をダンボールが遮ってしまった。
〔前が…見えない…〕
ひとまず階段を降りようと思い、震える足で一段ずつ降りていく。
「あれ、ちっこいのどうしたの?」
この声は彰太だ…!
「ち、ちっこくない!」
「ハハ♪つい本音が…(笑)」
頬を膨らませて怒った表情をする私の顔を見て彰太はまた笑った。
〔朝は心配してたくせに、この変わりようはなんなの!?〕
小さな苛立ちを乗せて私はまた歩き出した。
「ふぅ…諒にパシられたの?」
笑いの虫が治まったのか、彰太は真剣な顔をして聞いてきた。
「ん?まぁ…」
〔そうだけど…〕
言い終わらないうちに視界が広くなり抱えている物が軽くなった。
隣を見ると彰太がダンボールを抱えていた。
小さな私にとって大きく見えたダンボールは、背の高い彰太が持つと小さく見えた。
「前…見えなかったんじゃね?」
〔気づいてたの?〕
一瞬、聞こうと思ったが止めておいた。
「ありがと…」
「いえいえ♪
それにこの荷物、諒に頼んでたヤツだし」
「そうだったんだ…」
「ん♪だから礼を言うのはこっちだから」
隣に居る彰太はハニカンでいた。
こう見ると彰太はカッコイイし優しい…
諒程カッコイイ!という訳ではないが、まぁまぁのイケメン…
淳平程優しい!って訳じゃないけど、不器用な優しさがあった。
微妙なバランスを取れている人だった。
彰太が友達でよかった♪と思っている。
その反面、友達じゃなきゃな…と思うこともある。
なぜかは分からないけど…最近そう思っていた。
「…ここに置けばいいから」
気がつくと体育館に着いていた。
「あ…うん…」
返事をして、指示された場所にダンボールを置いた。
「てか、早く背伸ばせよ〜♪」
ハニカンだ彰太が私の頭を軽く叩いた。
口を尖らしながらも内心ドキッとしていた。
私はまだこのボディタッチに慣れていないせいで、彰太の笑顔を見るのが恥ずかしかった。
でも、このボディタッチを私以外にしないことを知ってからは恥ずかしながらも嬉しさを感じた。
〔どうして私だけなんだろう?〕
妙なモヤモヤと嬉しさが入れ混じった私の心はかなり複雑――
それでも、私は彰太を友達以外に見ることができなかった。
あの言葉を聞くまでは……

今は劇の練習の休憩時間。
そしてここは舞台裏のカーテンの中。
私たち…女子は、最近の語り場としてこの空間を利用している。
誰にも邪魔されないこの空間で最も多い話題が恋バナだった。
私はこの空間でミサンガを編みながら会話をするのが日課になっていた。
ツンツン
肩をつつかれ振り向くと歩が笑っていた。
「耳かして♪」
私は歩の言われたままに耳を歩の方へ傾けた。
「彰太って亜弥のことスキだよね!」
「えぇっ!!!?」
いきなり立ち上がった私にみんなの視線が集まる。
「んな…なんれそふなんほ?」
〔んな…なんでそうなんの?〕
驚きすぎて呂律が回らない。
「だって〜10年以上も幼なじみやってるもん!見てたらすぐ分かるよ♪」
〔なるほど…っておい!流されてる!!〕
「で、どうすんの!?」
「どうするって?」
「だから〜付き合うか付き合わないかってコト!」
〔付き合うって、まだ相手の気持ちが本当か知らないのに?〕
「歩…付き合うって…」
「お邪魔〜♪」
タイミング良く現れたのは彰太だった。
「どうぞ〜♪」
女子と仲がいい彰太はすんなりと女子の輪に入ってきた。
そして空いている私の隣に座った。
「てかここ寒くね?俺にも毛布ちょうだい〜♪」
この日は体育館が冷えきっていたため、劇用に使う毛布にくるまって会話をしていた。
「え?」
返事をする前に彰太は毛布に入ってきた。
〔いきなり密着ですか!!!?〕
私の頭の中はパニック状態だった。
反射的に私の体は隣に居る歩の方へ傾いた。
〔彰太のことキライ?〕
心の中の私がもう1人の私に問いかける。
〔そうじゃないけど…〕
〔じゃあなんで避けるの?〕
〔だって…意識しちゃうじゃん〕
〔意識してるってことは彰太のことスキだからじゃないの?〕
〔え?〕
〔スキじゃなかったら意識しないと思うよ〕
〔私が…彰太を…?〕
〔そう…〕
〔でも、彰太はただの友達だよ〕
〔友達じゃなくて、1人の男として見てあげようよ〕
〔1人の…男…?〕
〔彰太なら寂しい思いせずに済むよ!〕
〔でも…〕
〔巧のことだって、時間が経てば忘れられるよ♪〕
〔……〕
「…清水聞いてる?」
「え!何…?」
「だから清水、さっき工藤に何か言いかけてなかった?」
「え?…な、なんでもないよ!」
「ふ――ん…そっか…」

私は彰太の横顔にドキドキしていた。
密着しているからなのかもしれない……
でもこの日を境に、私は彰太を意識し出した。
1人の…男性として…――












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