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夢と現の瞳万華鏡

作者: 嘩月

泣いた後の瞳を、鏡で覗き込んだ。

赤と黒の中には、切ない音に震える、弱い心が見えた。



瞼を閉じ、耳を塞いで、今日も聴こうよ、誰彼の想いを……。

暗くて広い部屋で、ただ眠るように静かに息をする。



流れてくる歌。

溢れてくる涙。

流れてくる痛み。

溢れてくる音。

優しいはずなのに、泣いてしまうのは何故?

ひとり、泣声を口遊んだ。



夢から覚める日は、いつか来る?

悪夢なのだろう、今は。

けれど、瞼を開くのは恐過ぎるから。

だから、夢と歌に生かされて。

この体、上の空……。



心を開き、心を溶かし、ずっと聴こうよ、想いを混ぜて……。

暗くて広い部屋で、ただ眠るように静かに息をする。



流れてくる歌。

溢れてくる涙。

流れてくる痛み。

溢れてくる音。

優しいはずなのに、泣いてしまうのは何故?

ひとり、泣声を口遊んだ。



現実に夢を見て、夢に現実を見て、そんな心に歌は響く。

泣いてしまうのは、歌が世界を繋いでしまうから。

きっと、これからも泣いてしまう。



ひとり、泣声を口遊んだ。



泣いた後の瞳を、鏡で覗き込んだ。

赤と黒の中には、切ない音に震える、弱い心が見えた。

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― 新着の感想 ―
[一言] おはようございます。前に一度感想をいただきました、ふさふさしっぽです。 「自分を見つめる」「泣きながらの執筆」というところに強い意志を感じ、読ませていただきました。 作者さまからしぼりだ…
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