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目覚めたらそこは異世界だった  作者: 柊 空音
第4章 英雄の記憶
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第4章14 「お花見」

この世界に来て大体9ヶ月が過ぎた。

と言っても、本当の時間で言うと1年くらいになる。

時間を戻った分って事だ。

バーンクロスもすっかり春になっていた。

不思議な事に、この世界には春夏秋冬という概念があり、桜らしい花も咲いている。

でも、よく見るとピンクの花なのは解るが桜の形はしていない。どっちかというと朝顔だ。

花見というのはした事がないという事でバーンクロス中を巻き込んでのお花見大会を開催する事に決まった。

と言い出したのはヴァルフレアだった。

俺の話を聞いているうちに、


「一種の祭りみたいだね」


そう思ったみたいで俺の協力を元に開催させられたが正しい言い方である。


「何で俺がこんな大きい花見を取り仕切らなきゃ…」

「まぁまぁ、隊長良いじゃないっすか。暇だったんだし」

「アレク、暇だと思っていたの?」

「事実っす」


正直、忙しかったのは最初の1ヶ月だけだった。

やはりこれが経営の難しさなんだろう。客がそんなに来なくなった。

まぁ、長持ちすると評判だったがいえに次買えかえるのが先の事だからだと思う。

またそのうち増えるだと思っている。今は。

その為、隊員は珍しく目を輝かせながら働いていた。よほど暇が辛かったのだろう。


「侑、ここに置いておけば良いのかな?」

「ああ、そこにたの…ん?」


街の広場で会場を作っていたのだが、そこに居てはいけない人が居た。


「ちょっとお姫様何をなさっているのでしょうか?」

「え?いや、お父様に「侑君なら広場に居るいるから行ってらっしゃい」って言われたので」

「(あの糞王様)」

「こんな所に来て大丈夫なのか?」

「目立った格好をしてなければ大丈夫」


いや、その髪の色で既に目立っているのだがとツッコミを入れたかったが止めた。


「取り敢えず、危なかったら言えよ?」

「大丈夫、バーンクロスの人は優しいよ」

「また闇の関係者とか居ないとは限らないのに」

「それを守ってくれるのが侑でしょ?」

「やっぱその前提なのね」

「当然です」


俺とフィリアが話している時、アレクが俺を呼んで来た。


「隊長、何女の子引っ掛けてるんっすか」

「引っ掛けてないよ」

「いや、こんな可愛い女の子…ん?」


アレクは不思議そうな顔をした。


「この顔、どっかで見た様な…」

「アレク、そんなまじまじ見てると怒られるぞ」

「私は怒りませんよ?」

「んーどっかで会った?」


アレクはフィリアの正体を探ろうとしていた。

まぁ、正直解らない方がおかしい。城に出入りしているのに。


「んー城に居たような…」

「アレクさん、そろそろよろしいですか?」

「あ、わりぃわりぃ邪魔したね」

「いえ、正体の話ですよ?」

「え?」

「私はフィリアです」

「ん?…」

「ええええええええええええええええええ」


アレクの声は広場中に響き渡った。


「アレク!声がでかい!」

「ご、ごめんなさい。姫様とは知らずにその」

「良いのですよ?気にしていません」

「何という天使なんだ…!!」


アレクは涙を流しながらフィリアを神様みたいに拝んでいた。


こうして花見の準備もほとんど進まないまま、時間だけが過ぎていくのであった。


花見は無事開催出来るのだろうか。


タイムリミット(日没)まで後3時間だった。


to be continued…

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