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盾の勇者の成り上がり 作者:アネコユサギ

外伝 槍の勇者のやり直し

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変身願望

「あのね、何度も言うけど、なんでも暴力で解決するのはどうかと思うんだよ」

 現在、俺はお義父さんから説教を受けていますぞ。
 おや? 錬と樹がやってきましたな。
 今日もぐったりしていますぞ。

「尚文さん、騙しましたね……」

 サクラちゃんの背中からずり落ちた樹がお義父さんにうらみがましく手を伸ばして言いました。
 お義父さんの悪口とは、どういう事ですかな?

「ええ!? なんで俺が恨まれる事態に?」
「サクラさんに乗れば乗り物酔いになる心配は低いと騙したから……です」

 クエ! っとサクラちゃんは誇らしげにしていますぞ。
 樹もLvの方は十分に上がってきている様ですな。

「いやいや、そんな事言ってないよ?」
「淡い期待をさせたのが、いけないんですよ」

 とはいえ、前日よりも余裕があるようですぞ。
 徐々に慣れて来ているのではないですかな?

「最初の内は薬が効いているお陰で少しは楽だったが、段々と厳しくなった」

 錬も同様にぐったりしてますな。
 ユキちゃんは優雅に錬を抱き起こして立たせますぞ。
 背景に花が見えますな。

「じゃあ昼食は?」
「それは問題ない。時間に遅れそうだと思う所まで徒歩で魔物と戦っていたら、コイツが強引に乗せて爆走したんだ」
「僕はサクラさんの背中に乗れば酔わないと思っていたので……」

 そのままドライブですか。
 樹は馬鹿ですな。

「はぁ……酔い耐性とか便利な技能があれば良いんだがな」
「異世界文字理解が無いのですから、そう都合よくある訳ないですよ」
「ありますぞ」

 酔い耐性はありますな。
 魔物の一部には麻痺に近い攻撃で三半規管を攻撃してくる者がいます。
 それに対しての物ですが、これは酒や乗り物酔いにも効果がありますな。

 おや? 錬と樹がゆっくりと顔を上げて俺を睨みますぞ。
 俺は事実を話しただけですが?

「それを先に言え!」
「朝も似たような事があったねー……じゃあ酔い無効もあるかもね」
「生憎見ませんな」
「そっちは無いのか」
「最初の世界でお義父さんにそれとなく聞いたら、お義父さんは見たことないらしいですぞ」
「元々酔わない人に耐性なんて無意味ですからね」
「同一の技能はステータスアップになるのですぞ。きっとお義父さんの酔い耐性に該当する武器は変化してるでしょうな」

 どれだけ知っていても発見があるのが、勇者の武器の奥深さですな。

「うう……そんな物がある勇者達が羨ましい……ガハ」

 おや? エクレアがぐったりして動きませんな。
 状態異常を緩和する魔法で治療してやりますかな?

「そうだった! 錬、樹! 元康くんがまたやらかしたよ!」
「尚文、お前が元康の手綱を握れ!」
「そうですよ」
「俺だけじゃ無理なのは錬も樹もわかってるでしょ!」

 何を言い争っているのでしょうか?
 俺が今日行った偉業をお義父さんは錬と樹に話しました。

「くっ……もうこの国にいられなくなったか」
「誰か監視して引き留めないといけませんね」
「曲解して暴走するから見張らないと……」

 などとお義父さん達は話していますぞ。

「とりあえず、移動を開始するべきじゃないか?」
「そうですね。いつ僕達が指名手配されるかわかったものじゃないですよ」
「宿にヤクザとか押し掛けてくるかもしれないよ」

 何やら不安がっていますな。
 その程度、俺の実力の前では造作もありませんな。
 軽く皆殺しにしてやりますぞ。

「問題ないですぞ。お義父さん達に教えた強化方法をちゃんと実践すれば、例え低Lvであろうとも一般冒険者程度、造作もありませんからな」

 さすがにフィロリアル様達の服が完成していない状態で出発するのは少々面倒ですぞ。
 みんなの晴れ姿をお義父さん達に見て貰わない限り、俺は移動する気は起きませんな。
 そもそも錬や樹にフィロリアル様の素晴らしさを実感してもらうのが目的なのですぞ。
 今夜が楽しみですな。

「完全に面子で挑んでくるとか度外視してるよ、この人!」
「まあ、元康に襲撃された連中も命がけで阻止するんじゃないか?」

 お義父さん達が辺りを見渡しますぞ。
 俺もキョロキョロと見てみましょう。
 おや? 建物の影辺りからこちらを観察している連中がいますぞ。
 後は空高くから見ている様ですな。
 威嚇しておきますかな?

「エアスト――」
「ヤバイ! 尚文! 元康を止めろ!」
「う、うん! 元康くん抑えて!」
「ジャベリン! 威嚇ですぞ。お義父さん達の命令は出来る限り守りますからな」

 上空から観察していた蝙蝠の獣人ですかな? の頬を掠める様にしてスキルを放ってやりました。
 余計な事をしたら仕留めると暗に伝えるだけですぞ。
 青ざめているのかは逆光で見えづらいですが、これで安易に突撃はしてこないでしょうな。

「止まらないよ!」
「ちゃんと言う通りにはしてますぞ」
「これで抑えたに入るのか……とりあえず、あんまり安らぐ事は無さそうだな」
「こうして少しずつ敵が増えていく事になるのですか……?」
「元康くんの言った通りになれば良いけど……とりあえず、出来る限りの強化をして備えよう。元康くんからもらった鎧も少しは軽く感じられるようになってきてるし」

 コクリとお義父さん達は頷きました。
 心は一つの様ですな。

「とりあえず、一人にさせると暴走する元康の手綱を握る為に誰か一人はこれから留守番をする事にしよう」

 錬が提案すると樹が何度も頷きました。

「名案ですね。そうすれば酔わずにゆっくりと出来ます。今日だけでも十分にLvは上がりましたし、尚文さんの様に急ぎ過ぎるのもどうかと思いますよ」

 錬も自分で言っておきながら名案だと小さく呟いてますな。

「そっか……まあ、Lvも多少上がって来たし、強化自体は材料があれば出来そうだから両立は出来るね。結局は、大きく動くにしても数日はこの国にいる事になるか」

 と、お義父さんが締めると錬も樹も同意した様です。
 しかし、何故俺が監視される事になっているのですかな?

「で? 今夜の飯は何にするんだ? 尚文の作った飯か?」
「昨日の夜と今日の昼も俺が作ったんだから、少し強くなったのもあるし外食にしない?」
「賛成ですね。とは言え、この国では差別があって外食と言っても屋台が限度では? 酒場でも問題は無いと思いますが」
「待て、確かこのフィロリアル達が今夜、変身するんだろ? 亜人の振りをさせて俺達は同行者を装えば普通に店が使える」
「なるほど!」
「ネコ耳とか犬耳とか自作して亜人の振りは……」

 お義父さんがそういうと錬と樹は何を言っているんだ? と言う顔をしていますぞ。
 何か不満があるのですかな?
 俺は喜んで付けますぞ。
 出来ればフィーロたんのような冠羽が欲しいですな。

「さすがに野郎のネコ耳は厳しいだろ」
「え? でも……」

 お義父さんが道行く亜人に目を向けますぞ。
 居ますな。かなりムキムキの筋肉質なネコ耳亜人が。
 お義父さんが凝視すると胸の筋肉をピクピクさせながらアピールしていますぞ。
 やらせませんぞ?
 俺が遮る様に立ちます。

「問題は……ないかもしれないが、さすがに細かな動作が出来ないからばれるだろ」
「そっか……後は出来ればやりたくないけど、吸血鬼に噛まれるとか?」

 映画で見たことありますぞ。
 吸血鬼に噛まれると吸血鬼になると言う奴ですな。
 この世界の吸血鬼はどうなのか知りませんが。

「却下だ」
「そんな趣味はありませんよ」
「狼男」
「そのネタから離れろ。尚文」
「そんなに獣人になりたいんですか?」

 おや? お義父さんには変身願望があるのですかな?

「パンダやゾウの獣人を見て子供みたいに興奮していたもんな」
「ち、違うよ。ただ、異世界なんだなって興奮してただけだし」
「とりあえず、俺達が人間じゃ無くなる方法は避けよう」
「出来るか分かりませんし、試したくは無いですからね」
「確か魔法で動物に変身するとかの技術はあるそうですぞ」

 お義父さん達が呆れたように俺を見ますぞ。

「俺達が変身して何になるって言うんだ」
「詳しくは知りませんな。確かお義父さんに魔法を教えた魔法屋が講義をしていたのを覚えていただけですぞ」

 正確にはお義父さんが昼間に魔法屋がやっていた講義と言うのを復習と言う形で俺達に教えていただけですがな。
 何でも初めて変身する時は、変身する姿を選べないとか聞いた様な気がしますぞ。
 試す事はありませんでした。
 必要を感じませんでしたからな。

「……何の話をしてたんだっけ? なんか元康くんのペースに乗って脱線してる気がする」
「晩飯は外食をしたいが、俺達だけじゃ安易に良い店に入れないって話だ」
「ああ、サクラちゃん達が変身するのを待ってからって話だったね」
「ええ、少し空腹ですが我慢しましょう」
「俺はもう、尚文の作る料理でも良い気がしてきた。フィロリアル共じゃないが、正直腹が減った」
「それだと主旨が完全に無駄になっちゃうよ」
「だが、コイツ等が変身をするのがいつになるか分からないだろ」
「すぐに変身してくれれば良いけど……」

 と言う所で、サクラちゃんがお義父さんの立候補を受け入れて変身しようとしていますぞ。
 ぶわっと羽毛を広げてますが……。

「クエ」

 特に何もおこりませんでした。

「期待させて何もなしか」
「もう少し時間が必要なのですぞ。本当に、後少しですな」

 本当だったら、明日の夜頃なのですぞ。
 俺が強引に上げた所為で、一日早まっただけなので、まだ変化を完了させていないのでしょう。
 現にフィロリアル様達はまだ成長音をさせておりますぞ。
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