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盾の勇者の成り上がり 作者:アネコユサギ

外伝 槍の勇者のやり直し

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ファンタジーの不思議

 朝になるとフィロリアル様の卵にヒビが入りましたぞ。

「ん……?」

 お義父さん達が卵から出てくるフィロリアル様達の音を聞いて目を覚まします。

「もう朝か……ふわぁああ……」
「もうフィロリアル様達が孵りましたぞ」
「お? どれどれ?」

 お義父さん達が孵化して辺りをキョロキョロと見渡すフィロリアル様達を見ます。

「うわー可愛いね、ヒヨコみたい」
「雛だな。これがあの馬車を引く鳥になるのか」
「不思議なものですね。卵を孵化器に入れると一日ですか」
「そこは異世界ってことなんだろう」

 はは、確かにフィロリアル様の卵は不思議な力を持っておりますな。
 俺は深く考えませんぞ。
 何せフィロリアル様ですからな。

「えっと、俺が登録した子はこの子だね」
「ピイ!」

 サクラちゃんが元気よくアピールいたしますぞ。

「残りの二匹は元康だな。名前とかはもう決まっているのか?」
「決まってますぞ。前々回のお義父さんが名付けてくださいました」
「へー……どんな名前?」
「白い女の子はユキちゃん、黄色い男の子はコウ、桜色の女の子はサクラちゃんですぞ」
「「「ピイ!」」」

 ユキちゃん達が一斉に鳴いてポーズをとりますぞ。
 なんとも可愛らしく、そして知能に溢れていますな。

「なんか頭良さそうだねー」
「ええ、不思議なくらい連携が取れてますよ」
「で、今日はコイツ等のLvを上げるのか?」
「ですぞ」
「流されてパワーレベリングについて聞いたけど、ぶっちゃけこの子達が急速成長するってことだよね?」
「良く考えたら異世界ですよね」
「全て異世界で解決するのが凄いな」
「亜人もLvである程度は成長しますぞ」
「うーん、ファンタジーの不思議。ゲームと間違うのも納得だね」

 お義父さんがサクラちゃん達を優しく抱え上げて喉元を撫でます。
 みんな気持ち良さそうにしてますな。

「あ、ずるいですよ、尚文さん。僕にもやらせてください」
「ふん」

 錬は興味なさげにしておりますが、時々チラッと覗きこんでますな。
 俺の目は騙されませんぞ。

「ほら、錬も撫でてあげてよ」

 サクラちゃんが愛想よくしておりますぞ。

「……しょうがないな」

 錬と樹がみんなを優しく撫でます。
 ですが俺にはわかりますぞ。
 錬と樹は撫でるのが下手なのですな。
 ユキちゃんやコウがちょっと嫌がっていますぞ。
 サクラちゃんはおっとりですから拒まないようですな。

「む……もう朝か」

 エクレアが放心から立ち直った様ですぞ。
 今までずっとその姿勢だったのですかな?
 さり気なく毛布を掛けたのはお義父さんだと思いますぞ。

「おお、もう孵ったか」
「うん、エクレールさんも撫でる?」
「いや、私は護衛の仕事があるので遠慮する」
「硬いなー……まあ良いや。じゃあ元康くん、お願いするね」
「わかりましたぞ」

 ユキちゃん達の育成など造作も無いですな。

「あ、お義父さん、サクラちゃんにパーティーを受けるようにお願いしますぞ」

 今の状態ではサクラちゃんは俺の仲間ではありません。
 お義父さんの管轄ですからな。

「了解。サクラちゃん、元康くんとしばらく一緒に行って来てくれない?」
「ピイ!」

 サクラちゃんは了解したとばかりに元気に鳴いて俺の申請を受けてくれました。

「ちなみにユキちゃん達の卵の欠片で魔物使いの武器が出ますぞ」
「うん、わかったよ。みんなでわけておくから」
「では手土産に様々な物品を持ってきますぞ」
「楽しみにしてるよ」
「「「ピイ!」」」

 ユキちゃん達を持って俺はお義父さん達が手を振る中、出発したのですぞ。


 さて、如何にして効率良くユキちゃん達のLvを上げるかを考えた方が良いですな。
 強化方法で出来る仲間の底上げもついでにして行きましょう。
 お義父さん達をびっくりさせるのですぞ。

 慣れた手付きで俺はシルトヴェルトの山奥へ向かい、スキルと魔法を放って行きますぞ。
 エクレアの時よりも奥地ですな。
 ドラゴンや凶悪な魔物が闊歩する秘境ですぞー!
 まあ、もうだいぶ慣れましたがな。

「エイミングランサーⅩ! ブリューナクⅩ! グングニルⅩ! リベレイション・ファイアストームⅩ! ハハハ! 弱い! 弱過ぎるぞぉおお!」

 もはや俺の狩りの時の口癖になりつつありますな。

「「「ピイ!」」」

 フィロリアル様が俺の戦いに合わせて元気よく鳴いてくださいます。
 これはますますやる気が出てきますぞ。
 ついでに地味に下がっていたLvの低下もある程度解消していますな。
 良い感じに俺も強くなって行ってますぞ!

 そんな調子で俺達は秘境を漁って行ったのですぞ。
 お? 今回も中々良さそうな装備が色々と出てきてますな。
 前回はメルロマルクの動向を意識して、シルトヴェルトでしか使えない装備と割り切っていましたが、今回は気にする必要はありません。

 難点はお義父さん達が装備するにはLvやステータスが足りない所ですかな?
 前々回もお義父さんに着せようとしたら動けなくなってしまいましたからな。

「ささ、ユキちゃん達、ご飯の時間ですぞ」

 グーグーとLvによる上昇で飢えを主張するフィロリアル様達に狩った獲物を与えますぞ。
 まあ、言うまでも無いですが、最初は牧場で購入した雛鳥用の食事でしたが、すぐに枯渇して行きます。
 この時のフィロリアル様の胃袋は底なしですぞ。
 お義父さんの食事の味を知ると更に底なしになること請け合いですがな。
 HAHAHA!

 手頃に解体して、お義父さんの土産にもしなくてはいけませんな。
 いやー……効率的に狩るこの光景をお義父さんに見てほしいですぞ。
 確かサクラちゃんの背に乗ったお義父さんは、配管工のヒゲ親父が星を手に入れた時の様な気分だと言っていた気がしますぞ。
 気のせいでしたかな?

「「「ピヨ!」」」

 ユキちゃん達は着実に成長して行ってますな。
 既に半日で40に到達しましたぞ。
 ここの魔物はどれだけ高Lvなのですかな?

 まあ、前回来た時よりも深い場所ですからな。それでも霊亀よりは弱いので、見かけ倒しという奴でしょう。
 精々、ゲーム知識で分析するとLv120行ったら良い方ですかな?
 数を狩ればどうにかなる物ですな。

 ああ、カルミラ島の様な美味しい場所があれば問題なくユキちゃん達を、それこそ勇者並みに育て上げられると思いますぞ。
 とりあえず、いつクラスアップ出来るか分からないので資質向上をしておきましょう。
 お義父さん達を乗せられるまでの間に、どれだけ上げられるかの挑戦ですな。
 お土産は、どうしますかな?

 なんて思いながら、俺達は日が落ちるまで狩りを続けましたぞ。
 この頃にはユキちゃん達は第二形態を超えて、普通のフィロリアル様の姿になりかかっておりました。
 天使の姿の時も可愛らしいですが、雛鳥の時など過ぎ去れば一瞬ですな。

 ああ……とはいえ、ユキちゃん達はやれば雛の姿に変身出来ますが。
 ルナちゃんが良い前例ですな。
 キールをこよなく愛したルナちゃん。

 今回はキールと再会するのは先でしょうな。
 今は錬と樹の問題を片付けるのが先ですし、フォーブレイに向かうのが先決ですからな。
 いずれ、ですぞ。

「ではお義父さん達の為に物を運んで行くのですぞ」

 人里に戻った俺は金で中古の荷車を購入して、ユキちゃん達に手に入れた素材を運んでもらう事にしました。
 なーに、盗賊や魔物の類は蹴散らして行けば良いですからな。
 問題は、素材を全て乗せきれない所ですかな?
 前回もぶち当たった問題ですぞ。

「しょうがないですな。一旦、ここにおいておきましょう」

 ドロップ類は槍に収めていますからいつでも取り出せますぞ。

「さあみんな! お義父さんの元へ帰りますぞー!」
「「「グア!」」」

 元気よくユキちゃん達は荷車を引いて駆け出しました。
 いやはや、楽しい時は一瞬ですな。
 手土産も一杯、素材やドラゴンの巣穴で手に入れた財宝を売れば一攫千金ですぞ。
 ははははは!
 俺達は夜の秘境を、楽しげに下ってお義父さんの元へと帰って行ったのですぞ。
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