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盾の勇者の成り上がり 作者:アネコユサギ

外伝 槍の勇者のやり直し

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赤黒く濁していった

「うわー……あの文字は俺達で解読しなきゃいけないのか」
「そうなりますぞ。何、メルロマルク公用語でしたら俺が訳した物を書き記しますぞ。最初の世界でお義父さんに教わった事です」
「ここ、シルトヴェルトだよね? フォーブレイにも行くんだったら言語が違うんじゃ……」
「そうですな。俺もシルトヴェルトの文字は読めません」

 何やらお義父さん達が呆れた声を出していますな。
 なんですかな?

「メルロマルクの文字しかわからないのにあんなことをしたのか!?」
「もう行けないでしょ! そんな文字覚えてどうするの!?」
「行けなくはないですぞ。何なら魔法書辺りは俺が買ってきますぞ」

 なーに、どうせ魔物商からフィーロたんを購入する為に行くのですから問題ないでしょう。

「うわ……何食わぬ顔で行く気だ」
「アレだけの事をしているにも関わらず、厚顔無恥とはこの事ですね」
「強さに恐れ戦いて誰も手が出せないのは事実だろうな。ある意味……勇者だ」

 お義父さん達が若干、諦めたように深く溜息を漏らします。
 そうでしょうとも。
 俺はフィーロたんとお義父さんが目指す、真の平和の為に戦う勇者であり、愛の狩人なのですぞ。

「そうですな。魔法に関しては魔法書で読んで習得した方が理解が深まるのですぞ。魔法の玉を使えば使用する事は出来ますがな」
「どっちが高いんだろう?」
「本じゃないんですか?」
「いや、簡単に習得できる方が高いんだろう」
「この辺りの常識はエクレールさんの方が詳しそうだけど……真っ白になってるから聞けないか」

 お義父さんがエクレアの方をチラッと見てから脱力した様に俺に顔を向けます。
 相変わらずエクレアは真っ白になったまま、疲れ果ててますな。

「補足すると、メルロマルクはお義父さんを冤罪で追い出した後、サラッと俺達にだけ魔法の玉を無料で支給してくれましたな」
「完全に尚文さんを除外する気だったんですね」
「仕組まれた陰謀にホイホイと乗っかって俺達はとんとん拍子で調子に乗って行く訳だ」
「やはり魔法の玉を略奪に行くべきですかな?」
「その方向は無しでね? 元康くん」

 お義父さんに注意されてしまいましたぞ。

「だが、魔法の習得を考えたら元康に行ってもらうのも……」
「そうですね。『犯罪者に人権は無い』と言った主人公が居ます」
「いやいや……ゲーム感覚で常識を逸脱した事をしてたら、仮に世界を平和にした後に居場所とか無くなるのは元より、元の世界に戻っても力で解決しようって発想になるかもしれない」
「一理あるな。もうあの国には関わらない様にと思っているのだから、忘れた方が良いか」
「既に手遅れですが、立つ鳥跡を濁さずですね」
「完全に赤黒く濁していったけどね……」

 仲良き事は良い事ですな。
 今までのループを考えると信じられないくらい錬と樹が素直ですぞ。

「それで元康、強化方法は俺達がそれぞれ知っている物で良いんだな?」
「四聖の強化方法は問題ないですぞ」
「何故、四聖を強調するのですか? まるで他にもあるみたいな言い方じゃないですか」
「ありますが、今は目の前にある強化方法を習得する事を優先すべきですぞ」

 俺の言葉にお義父さん達は若干あきれ顔ですぞ。

「これだけの強化方法があるんだから、他にもあるのは当たり前か」
「もう全てを信じて行くしかないですね。否定していたら乗り遅れると言うのを元康さんは見せつけてくれました」
「ただ、攻撃力が無い盾の俺は強さを実感出来なさそう……」
「未来の俺達が信じなかったのはそれが理由かもな」

 などと話をしながらお義父さん達はそれぞれの強化方法を話し合いをしましたぞ。
 途中、お義父さんはドロップやウェポンコピーに関する所で、うろたえていましたな。
 あるよね! と何度も。
 おそらく知らなかったのでしょうな。
 前回や前々回のお義父さんは俺からマンツーマンで教わったので聞かなかったのでしょう。

「しかし……ものの見事にバラバラなんだな」
「とはいえ、色々と被っているように見える物までありますよ」
「そうだな、上限があるがリスクなしでの鉱石強化と、リスクありの鉱石強化等、間違えやすい」
「これだけの強化があると僕のなんてあって無い様な地味な感じになってますよ」

 そういえばジョブLvなんて物がありましたな。
 アレは馬鹿に出来ないのですぞ。
 実はスキルや技能を習得するのに必要だったりして、蔑にしたら痛い目を見るのですぞ。

「とりあえずは強化方法の実践と行きたいが、俺達は何もかもが不足してるから試しようが無いな」
「……結局はそうですよね。ですが確信を得る前に聞けて良かったと思いますよ」
「システム的には複雑だけど覚えられない範囲じゃないし、俺も結構なゲーマーだから似てるゲームから連想できるよ」

 お義父さんがさりげなくアシストしてくださいます。

「ですな。お義父さんは転移する前はとあるネットゲームのサーバー三位のギルドで幹部をしていたそうですぞ」
「良く知ってるね。やっぱり未来から来たというのは本当なんだね」

 段々とお義父さんの口調が柔らかくなってきておりますな。
 こう……最初はお調子者っぽい感じでしたが、俺達の真心を知ると言葉使いが優しくなって行くのですぞ。
 お義父さんは変化がわかりやすい方ですな。
 信じて下さるのが伝わってきますぞ。

 こう……お義父さんはまるで世界を映す鏡の様な方ですぞ。
 みんなに優しくされれば優しくなり、辛く当られれば厳しくなるのです。
 お調子者のお義父さんも良いですが、難しいでしょうな。

「三位って結構難しいんじゃないですか?」
「そこまで難しいものじゃないよ。知り合った友人を募って上昇傾向のある人を狩りに誘い、やる気の無い人はそれなりに……砦とか、ゲームによってはレイドとか言うのかな? そういのは大体テンプレートな作戦があるからね」
「それだけで難しそうだと伝わってきますよ」
「……」

 錬の目付きが若干鋭くなりましたな。
 アレは嫉妬ですかな?
 錬はソロ思考が強い傾向があるので、そういう感情が生まれるのかもしれません。

「そういえば、最初の世界で錬が言ってましたな。グレてしまったお義父さんと召喚された直後のお義父さんに似た知り合いがいると」
「……なるほど、そんな話もしていたのか」
「どうしたのですかな?」
「いや、問題は無い」

 これは錬自身の悩みと言う奴ですかな?
 お義父さんも首を傾げていますぞ。

「錬、言うか迷っていましたが最初の世界のお義父さんや前回のお義父さんの分析を聞きますかな?」
「……」
「元康くん」

 お義父さんが注意しておりますぞ。
 ですから黙りますかな?

「聞かせてくれ。未来の尚文は俺の事をなんて分析していた?」
「錬……」
「察するな。正直に言えば、俺は尚文みたいなタイプは苦手なんだ」

 場の空気が途端に悪くなってきた様な気がしますぞ。
 樹も言葉を投げかけるのを躊躇っていますな。

「自分を変えるつもりは無い。けど知ってるのと知らないとでは違うと思うから聞きたい」
「怒っても知りませんぞ?」
「そんな酷い事を言ったの? 未来の俺は」
「聞き手次第ですな」

 俺はそう思いますぞ。
 最初の世界のお義父さんはカルミラ島での出来事の時、確か仲間との距離感があるとか言ってましたな。
 錬がいなくても成立する陣形だったとか。

「いいから教えてくれ」
「最初の世界のお義父さんは心を入れ替える前の錬の事は『後輩育成プレイでの連携不和』を招く行動に問題があると言ってましたな」

 この言葉でお義父さんは錬がどんな方針で動くのか察しました。

「なるほど……どういうタイプで行動するか似た知り合いがいるよ」
「違う! 俺は俺に強くなる方法を聞いてくる仲間にそう言って教えて行くだけだ」
「気持ちはわからなくもないよ。どういう風にネットゲームをプレイするかは自由だから、俺も押しつけるつもりはないよ」

 お義父さんは錬に優しく語りかけますぞ。

「錬、別に俺は君を卑下する気は無い。逆に信じてくれた事を嬉しく思う。その信頼に俺も応えたいという事を前提に聞いて欲しい」
「説教を聞く気は無いぞ」
「する気も無いよ。元康くんの知る未来じゃそうだったかもしれないけど、今はもう違う。錬、君は一歩踏み出してるんだよ」
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