挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
盾の勇者の成り上がり 作者:アネコユサギ

外伝 槍の勇者のやり直し

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

586/854

信仰は残る

「う……こ、これが転移スキル?」
「な、なんだこれは!?」

 お義父さんとエクレアが驚きの声を上げていますぞ。
 錬は既に経験しているから、そこまで驚いていませんな。
 樹はどうなのでしょうか?
 見た感じでは驚いている様な顔をしておりませんな。

「ここは何処ですか?」

 やや、野生的な町並みに樹が訪ねてきますぞ。
 通る人は亜人や獣人が大半ですな。
 過去に取得したポータルで、メルロマルクから離れていて安全だと思う場所と言うと、確実にここでしょうな。

「ここは――見覚えがある!」

 エクレアが言いました。
 おや? エクレアは来た事があるのですかな?
 もしくは親の関係で資料に目を通したとかでは無いですかな?

「シルトヴェルトですぞ」
「亜人の国という奴だな。尚文は良いが俺達の方は大丈夫なのか?」
「完全に敵地に飛ばされた様な物じゃないですか?」
「問題ありません。普通の……人間の冒険者のフリをすればどうにかなると思いますぞ」
「あまり差別は無い方の国という奴か?」
「いや、シルトヴェルトは亜人至上主義だ。人間と言うだけで怪訝な目を向けられて過ごしづらい国だぞ。下手をすれば奴隷にされかねない危険性を孕んでいる」
「変にいちゃもんをつけられたら危なそうだな」
「かと言って、三勇教の刺客がいるかもしれないメルロマルク近隣は危険ですぞ」

 お義父さん達は決断を迫られた様な表情をしております。
 なーに、大きな騒ぎに混ざらなければ問題はありません。

「さて、エクレア。まだ夢だと思うのは勝手ですが、夢であろうとも力を貸してほしいですぞ」

 エクレアは少々不満げではありましたが、渋々頷きましたぞ。

「……わかった。それで私は何をすればいいのだ? 夢であろうとも私は女王に此度の件を報告に行きたいと思っているのだが」
「ですから俺達は女王が会議をしているであろうフォーブレイの方へ行こうと思っていますぞ」

 お義父さんが言ってましたからな。
 タクトに注意を向けて避けるのも手だけど、上手く立ちまわれば問題ないと。
 世界で一番大きな国であるフォーブレイからの援助があれば、活動はしやすくなるでしょう。
 ゆくゆくはフィーロたんの捜索もしやすくなるでしょう。
 さすがお義父さんですぞ。

「……なるほど、確かに世界の宝である四聖勇者を扱うには本来、召喚国となるはずのフォーブレイだ。フォーブレイに連れて行くのが正解か……」
「抜け駆けなんでしたっけ? 元康さん」
「らしいですな。最初の世界でそんな話を聞いた覚えがありますぞ」
「その国からの風当たり強そうだな。良く争いにならなかったもんだな」

 錬が疑問をぶつけてきますな。
 ふふふ、ですぞ。
 その程度の理由、幾らでも返す事が可能ですぞ。

「あの赤豚の母親である女王は有能な人物なのですぞ」
「そんなにすごいのですか……」
「ああ、本来は英知の賢王であるオルトクレイ王の方が知略には優れるのだが……女王は王の代わりに外交を務め、戦争を起こさない様に尽力していた」
「人格者なんだな。国の暴走を許した時点で問題はあったようだが」
「元々四聖勇者を召喚したのは三勇教の暴走だそうですぞ」
「運悪く盾の勇者までもが召喚された事に問題があった……ってことなのか」

 お義父さんが疲れた様に呟きますぞ。

「お義父さん」
「……なに?」
「くさりかたびらがとても似合ってますぞ」
「あんまり嬉しくないけど、ありがとう……」

 今までお義父さんがくさりかたびらを着用している事は一度たりともありませんでしたから貴重な光景ですぞ。
 この目に焼き付けておきましょう。
 デジカメがあったら記録している所ですぞ。
 きっとお姉さんも欲しがりますな。

「さすがに今回の事件で三勇教も失脚するでしょうな」
「失脚も何も教会はもう無いじゃないですか……」
「教会は無くとも信仰は残りますぞ」
「何か凄く良いセリフっぽいけど、それって厄介なだけじゃないの?」
「そもそもあの国も、じゃないのか?」
「その辺りはきっとどうにかなると思いますぞ」

 女王が上手く立ち回ってどうにかする気がしますな。
 その辺りは婚約者の母親なのですから期待してますぞ。

「ではフォーブレイまで行くとしよう。乗り合いの馬車を乗り継いで行けばどうにかなるだろう」
「その前にお義父さん達のLv上げが必要ではないですかな?」

 俺の言葉に錬、樹、お義父さんが反応しますぞ。
 いくら俺がいるとはいえ、フォーブレイにはタクトがいます。
 簡単に敗れるつもりはありませんが、お義父さん達が強いに越した事はないはずですぞ

「そうだな。正直、元康に守ってもらうのではなく自分の身くらい守れるようになりたい」
「ええ、おんぶにだっこ状態で連れていかれてまた陰謀に巻き込まれるかもしれませんしね」
「そうだね。俺も強くなりたい」
「む……わかった。勇者殿達が戦えるように道中で魔物を倒して行けば良いのだな?」

 おや? エクレアは四聖武器の反発作用を知らないのですかな?
 まあ牢屋に入れられていた訳ですし、知らない部分もあるのかもしれません。

「勇者の武器同士は反発して経験値が入らないですぞ」
「そうですね。ところで昨日、僕が狩りをしていた時に経験値が入らなかったのですが錬さん、元康さん、尚文さん、近くに居ませんでしたか?」
「昨日の夜も言っていたな。元康に遮られたから聞き流していたぞ」
「昨日? 昨日は城下町を出た草原であの王女と一緒に、オレンジバルーンって魔物と戦っただけだから俺じゃないよ」
「俺は早足で二つ先の村の近くに生息する魔物と晩くまで戦っていたから知らないな」
「犯人は俺ですぞ!」

 誇らしげに答えてやりました。
 すると樹は呆れたように手を額に当てています。

「……やっぱりあなたでしたか。なんとなくそうだと思っていたんですよ。いくら探しても見つからなかったし、隠蔽スキルと魔法を使っていましたからね」
「樹は本当の事を言わないことがありますからな。念の為にストーキングしたのですぞ」
「未来の僕がどう歪んだかは知りませんが、今の僕は嘘なんて吐きませんよ」

 どうですかな?
 とは思いましたが、友好の為に黙っておきましょう。
 一応、言った通りの宿に泊まったのですからな。
 ですが、あそこで樹がウソをついていたら樹は今頃赤豚の道化をしていたでしょうな。

「どうやってLvを上げる? 俺や樹は戦えるから問題は無いが、尚文はエクレールにLvを引き上げてもらうか?」
「それが良いんじゃないかな? 問題はエクレールさんの装備が無いことだけど」
「メルロマルクの銀貨や銅貨が通じるのですか?」
「両替所に行けばどうにかなるとは思うが……あまりレートは良くないだろうな」
「では後ほど俺がメルロマルクの城へ行って略奪してきますかな? 安く済みますぞ」

 城の宝物庫や倉庫を物色すれば多少は装備が整うでしょうな。
 そこ等の武器や防具よりも性能が高いはず。
 しかもエクレアはメルロマルクの騎士、使い慣れていると思いますぞ。

「や、やめさせた方が良いんじゃないか?」
「そうだな。キタムラ殿、どうかやめて頂きたい」
「何故ですかな? 別に問題は無いと思いますぞ」
「RPGとかコンシューマーでは理解できなくもないけど……」

 お義父さんと樹が頷いていますな。
 そうなのですかな?

「前々回のループの時は倒した兵士の装備を奪って行きましたな」

 やっておけばよかったですな。
 そう言った瞬間、錬、樹、お義父さんが口を押さえて青くなりました。

「う……」
「と、とにかくやめて」

 どうしたのですかな?

「お義父さんが言うならしょうがないですな。ではそれぞれの金銭を纏めてから両替し、装備を整えるのが良さそうですな」
「妥当だな」
「ですが、俺はフィロリアル様の卵を買いたいですぞ」
「今から合わせて行こうって所でそれ? フィロリアルって確か、あの馬車を引く鳥だっけ?」

 お義父さんが呆れた様な声を出しました。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ