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盾の勇者の成り上がり 作者:アネコユサギ

外伝 槍の勇者のやり直し

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四霊討伐作戦

「わかった。で、幽閉中の王も避難は済んだの?」
「はい。護送はしております」

 手の早い事ですな。城と共にしても良かったのではないですかな?
 今ではメルロマルクの城と城下町は応竜の降らした強酸の雨で見る影もありませんぞ。

「とにかく今は作戦を練る必要がある。麒麟を倒す為にフォーブレイの方へも行かないといけないしね」

 お義父さんが元気よく告げますぞ。
 そうですな。まだ希望はありますぞ。

「で? 霊亀と鳳凰、そして麒麟と応竜に関しての情報と所在は?」
「ここに」

 女王は世界地図を広げて、被害状況を書き込んで行きます。
 主に行動が早いのは最初に封印を解かれた鳳凰ですな。
 メルロマルクから西の地方を中心にやりたい放題ですぞ。

 昼夜問わず動きまわって命を狩り続けているので、被害も増大しているとの話。
 使い魔の動きも活発ですな。
 あくまで最後に確認した情報ではありますが、麒麟の封印が解けた後、雷を纏う様になったとか。

 次は霊亀ですな。メルロマルクから東の地方を中心に動いている様ですぞ。
 最初の世界ではメルロマルクの方へ来ましたが、今では方角を変えたとの話。
 動きこそ、ゆっくりではありますが霊亀の使い魔は動きの速い個体が多くて、着実に被害は増えて行きますぞ。

 しかも応竜の封印が解けると同時に、背中の山脈から水が溢れているそうです。
 霊亀を中心にまるで湖が形成されているとか。
 下手に近づこうものなら水没して溺死ですぞ。

 で、応竜ですな……。
 メルロマルク中に漂って強酸の雨を降らしているそうですぞ。
 しかも使い魔も出現して、暴れ始めている様子。

 最後に麒麟ですな。
 最初の世界でも戦いはしませんでしたが、ゲームだと風を使いこなすボスでしたぞ。
 霊亀の必殺攻撃と属性が似通っていますが、雷も使いこなした覚えがありますな。

 こちらは近くにあったフォーブレイに向かって進行して暴れまわっているとの話。
 フォーブレイは銃器が発展していますから、タクトの残党辺りが処理してくれませんかな?
 聞いてみるとしましょう。

「タクトの残党に知らせず特攻させるべきでは無いですかな?」

 アレが全て一軍だとは思えませんぞ。

「はい。フォーブレイ軍もタクトの仲間をしていた者達を筆頭に戦いを挑んだ様ですが、結果は芳しくないそうです」

 おかしいですな。
 さすがにタクトがいないだけでそこまで苦戦する相手になりえるのでしょうか?
 最初の世界ではタクト達が倒せる程度の雑魚だったはずですぞ。
 ……。

「お義父さん。そういえば応竜が少々歯応えがあった気がしますぞ」
「物凄く強い元康くんが歯応えのある敵? まあ、あの討伐条件じゃ厳しいんじゃない?」
「そうではなく、根本的に強くなった様な気がしますぞ」
「……考えてみれば、他の四霊も別の四霊復活と同時に変化が出てたよね……もしかして武器の強化みたいに、それぞれ重複するとか……?」

 お義父さんの顔色が青くなって行きます。
 作戦会議をしているみんなもですぞ。

「身を守ることの方に意識を裂いた方が良いかもしれないねぇ」
「そ、そうだけど、少しでもこの災害を乗り越えるべく戦うべきでしょ」
「四聖にトドメは刺さない様ですから、七星も大丈夫かもしれませんぞ」
「それ以外の仲間が殺されちゃ溜まったもんじゃないよ! それともあたい等だけで挑めってのかい?」
「そのつもりはない。けど……このまま世界が滅茶苦茶にされているのを黙って見ていろって言うの?」

 お義父さんがパンダ獣人と言い争いをしております。

「ラーサさんの気持ちは痛いほど分かる。だけど……こんな理不尽を俺は見逃したくない」
「はぁ……わかってるよ。あたいだって傭兵だ。金だけでは片付けられない事情だってあるってのはね。あたいも悪かった」

 おや? 割とすぐに喧嘩が収まってしまいましたぞ。

「新たに選ばれた七星がこんなに居るんだ、やるしかないって話だろ? 戦う事で金を貰うあたいには身に余る光栄ってもんだい」
「ラーサさん」
「でも勇者に選ばれたあたいは高いから覚悟するんだよ」
「う、うん!」

 お義父さんとパンダ獣人はなんだかとても仲良くなった様に見えますな。
 婚約者も何やら言いたげに見つめていますぞ。
 ですが、何も言わずにサクラちゃんに寄り添いました。

「私もがんばる」
「ガエリオンもがんばるの! 応竜を倒して竜帝の欠片を全部頂きたいの!」
「ウィンディアちゃん達にも危険な戦いをお願いすると思う。頑張ってほしい」
「うん」
「サクラは?」
「サクラちゃんもね。メルティちゃんは……」
「私も世界の為に戦います!」

 お義父さんが続きを言う前に婚約者は遮って宣言しましたぞ。
 とても強い意志を俺は感じましたぞ。
 そうですぞ! 俺だって負けていられませんな。
 フィーロたんに言われた真の平和のために、俺は戦い続けますぞ。

「元康様、ユキは何があろうとも、命令を遂行してみせますわ」
「無茶はいけませんぞ」
「分かっております。無茶にならず、命令を完遂してこそ真なる強者なのですわ」

 ユキちゃんは頑張り屋さんですから無理はさせれませんぞ。
 ですが、俺だけでは手に余る状況、やらねばなりませんな。

「俺もがんばるぞ兄ちゃん!」
「キールくん。無茶しちゃダメ。ルナがその分がんばる!」
「ルナちゃん」
「だから……キールくん。この戦いが終わったらキールくんはルナの物に……」
「兄ちゃん! 俺もがんばるぜ!」

 おや? キールが何やらルナちゃんから離れるようにお義父さんに意思表明してますぞ。

「コウもみんなと戦うよー」
「そうですな。ユキちゃん。コウ、サクラちゃん、ルナちゃんは初期のフィロリアル様ですから後に育てられたフィロリアル様をちゃんと導くのですぞ」
「うん! ユキと共にがんばる!」

 みんなの決意を聞き届けたお義父さんはコクリと頷いてから答えますぞ。

「意気込みは決まったね。後は、残った七星勇者と話を付けてから戦いに挑もう。四霊は同時に倒さないといけないんだからね」

 こうして四霊討伐の作戦が入念に組まれる事になりました。
 ただ、運が悪い事に、クズに宿っている杖はお義父さんや俺の言葉に応じる事はありませんでした。
 小手は鳳凰の地にありますし、残った武器も選ばれた七星勇者が持って何処かへ逃げてしまったそうですぞ。
 面倒ですな。

 さて、まずは最後の四霊である応竜。
 これは俺が相手をする事になりました。
 仲間はユキちゃん達以外のフィロリアル様達、詳しい内訳はユキちゃんとお義父さんが割り振りました。
 他に援護としてメルロマルク軍が手伝うそうですぞ。
 女王もここですな。

 作戦はフィロリアル様の足で、応竜の欠片を一ヶ所に誘導させてから指定の日時に俺が必殺スキルと魔法で仕留めるという物ですぞ。
 四霊が生命を狙うという習性を逆手に取り、100匹のフィロリアル様とメルロマルク軍で誘導するという作戦ですな。

 フィロリアル様の身が危ないと俺が意見しましたが、フィロリアル様達自身が協力すると強い意思で答えたので俺も頷きました。
 なーに、俺ががんばれば良いだけですぞ。

 次にフォーブレイで封印が解けた麒麟。
 これはお義父さんが代表として婚約者とサクラちゃん、怠け豚が付き従うそうですぞ。
 未来でも戦った事の無い四霊なので、柔軟な対応が必要なのと、フォーブレイからの四聖勇者招聘要請だとか。

 尚、フォーブレイ軍が協力してくれるそうですぞ。
 少し不安ですな。
 作戦は、一対の麒麟を一度に倒す。
 お義父さんが足止めして火力の高いサクラちゃんにやってもらうとの話。

 そしてもっとも被害を出している鳳凰は助手とライバル、更にユキちゃんにキールですな。
 鳳凰は別々に行動するのがあまりにも目立つ為に、一度片方を倒して爆発を誘発させるそうです。
 そこから逃げ切る及び追い付く為の移動力を確保出来る、ライバルとユキちゃんが抜擢されました。

 連合軍を集めて、後方援護は欠かさないそうですぞ。
 作戦はお義父さんと同じですな。
 打ち合わせ通りに倒すのですぞ。

 そして最後は霊亀ですな。
 これはパンダ獣人とコウ、ルナちゃんにがんばってもらうのですぞ。
 倒し方は間違いないですからな、パンダ獣人が頭を破壊する役目を担っているそうですぞ。
 コウとルナちゃんが居れば心臓はきっとどうにかなるでしょう。
 連合軍はパンダ獣人の援護をするとの話ですぞ。

 ですが作戦決行日時の調整が難航しましたな。
 飛行船で移動するにも大気の変動があって、思いのほか進みが悪いのもありますが、四霊は移動するので移動に時間が掛りました。
 まあお義父さんだけフォーブレイに向かったのですがな。

 その間に俺達は四霊の被害に遭いそうな地域の避難誘導をしていたのですぞ。
 ですが被害者数は増える一方です。
 焼け野原になっている鳳凰の地にある砂時計の青い砂がどんどん……増えて行っているとの話でしたぞ。

 とにかくお義父さんを乗せた飛行船がフォーブレイに到着して四霊討伐の日程が組まれるまでにタクトを仕留めてから一週間近く掛ってしまいました。
 もはや世界中で被害を受けていない地域の方が少なくなっている状況ですぞ。
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