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盾の勇者の成り上がり 作者:アネコユサギ

外伝 槍の勇者のやり直し

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7=8

 メルロマルクに戻った俺達は急いで城へと向かいました。
 城に入ると女王が待っておりました。すぐに作戦司令室へと案内されますぞ。

「イワタニ様、よくお帰りなさいました。話があるのですが……」
「わかってます。霊亀ではなく鳳凰の封印が解かれたって話でしょ?」

 お義父さんの返事に女王は頷きましたぞ。
 既に鳳凰の情報が入ってきているようですな。
 話が早くて助かりますぞ。

「どうやら錬と樹は俺達の意表を突いて、そっちに行ったらしい」
「霊亀の国の方へと意識を割いていた所を今回の事件、少々軍の手配に時間が掛ると思われます」
「うん。だけど……敵の規模から考えて出来る限り、勇者の力でどうにかさせたい。元康くんの話だと、今の俺達ならどうにか同時撃破は出来ると思うんだ」
「わかりました。では私達は念の為、対鳳凰の連合軍を集結させておきます」
「お願いします。それと鳳凰の被害に遭いそうな人達の救助を頼みます」

 机に地図を広げて女王は鳳凰がどんな動きをしているかを俺達に説明します。

「現在、伝わってくる情報は錯綜しています。ですが確かな事実として鳳凰の封印されていた国は現在、鳳凰の進行によって甚大な被害が出ているとの話です」
「そうだね……出来る限り俺達は鳳凰と接敵して即時殲滅をしたい所だけど……」
「問題は鳳凰の進行先ですな」

 霊亀と鳳凰は行動は似通っていると思いますぞ。
 四霊は生き物の魂を集める習性があるそうなので、人や魔物の密集している地域を目指して行動するでしょう。
 現に最初の世界で霊亀は様々な国を進行し、最終的にメルロマルクの城下町に到着した所でお義父さんに倒されました。
 女王が地図上にある鳳凰の封印された国を中心に予測進路を描きこんで行きますぞ。

「元康くん、鳳凰に関して知っている事は他に無い?」
「同時撃破しない場合の危険性以外だと、片方が高高度、もう片方が低高度の連携をする所ですな」
「とりあえず、作戦としては元康くんに倒してもらうという他力本願になりそうだけど……」
「問題ないですぞ」

 最初の世界でも戦った相手ですからな。
 今の俺なら余裕で倒せると思うですぞ。
 あの時の俺よりも更なる強さを得た、今の俺ならば最悪の事態を避けられると思いますな。

「ところで気になったんだけど、錬や樹って霊亀よりも遥かに強い鳳凰に挑んだんだよね?」
「結果的にそうなりますな」
「なら霊亀で命辛々助かったなら……鳳凰なら死んでてもおかしくないよね? そうなったら、元康くんの話じゃループしちゃうんじゃ?」

 そういえばそうですぞ。
 ですが、まだループしていません。
 最初の世界で霊亀と戦った際、俺も錬も樹も生き残ったのですぞ。

 命辛々逃げたのは確かではありますが……考えてみれば霊亀は俺達の事など眼中にない感じでしたな。
 驚異とみなされない、四聖の勇者を四霊は無視でもするのですかな?
 出なければ説明ができませんぞ。

「もしかしたら……錬や樹を殺したらいけない事を四霊は理解している?」

 お義父さんの推測もありえなくはない話ですぞ。
 霊亀も鳳凰も戦う事になれば俺達にも攻撃して来るでしょうが、勇者を倒すよりも優先度の高い別の目的で動いている可能性が高いですな。

「今はこれを幸運と思って行くしかない。仮にここで元康くんの話の通りループしたとしても……次へ活かす為に元康くんは意識して」
「はいですぞ」
「それで、女王様。俺達は鳳凰の方へ向かって移動するけど、真っ直ぐでいいの?」
「その事なのですが、何分、情報の交錯があるので少々お時間をください」
「じゃあ定期的に城へポータルで戻って来るよ。現地で鳳凰の所在を聞くから」
「はい。こちらも出来る限りの準備を致します」

 女王から鳳凰の予測移動範囲を受け取り、俺達はその足で急いで移動を開始しました。


 鳳凰の封印された地は霊亀の封印された国と同じくメルロマルクから俊足のフィロリアル様の足でもかなり遠い所にありますぞ。
 その為、移動している最中にも次々と鳳凰の被害報告が俺達の耳に入る事になりました。

 錬や樹がどうなったかは生きている事以外全くわかりませんぞ。
 これは最初の世界で、俺にも経験がありますな。
 とんでもない事をしてしまったという罪悪感から現実逃避に走る……ならまだ良かったのですが、最悪には最悪が重なりますな。

 フィロリアル様を乗り継いで三日、連続運用で無茶だと思いつつ快調に進んでいた所ですぞ。
 鳳凰の進行は早く、西から北へと移動しているとの話でしたので、余計な動きに俺達は翻弄されていた時の事。
 バキンとガラスが割れる様な音が響き……俺とお義父さんは嫌な汗を流しました。

「くっ……ねえ、元康くん、凄く確認したくない事なんだけど」
「ですな……」

 さすがの俺もお義父さんが何を言いたいのか分かりますぞ。
 音からして何か嫌な出来事が勇者に伝えられた事になりますぞ。
 恐る恐る、俺は視界の隅にある砂時計のアイコンに意識を集中させました。
 するとそこにはもう一つ……青い砂時計が出現して、7という数字が出ていましたぞ。

「これは霊亀ですな」
「……」

 お義父さんが頭を抱えてうずくまりましたぞ。

「まさか……錬か樹のどちらかが鳳凰の封印を解いて、右往左往している俺達をしり目に霊亀の方の封印を残った方が解いた!?」
「としか説明できませんな」
「世界の滅びを助長でもさせたいのかあの二人は!」
「きっと俺達を出し抜くために協定でも結んでいたのではないですかな?」

 あの二人の事ですからな、ありえない話では無いですぞ。
 ですが……この砂時計のアイコン、少し変ですな。
 二つのアイコンが何やら繋がっているように描写されていますぞ。
 接合に『=』が入っていますな。
 こんな物に見覚えはありません。これはなんですかな?

「鳳凰だけでも厄介なのに霊亀にも挑まないと行けないなんて……言っては悪いけど鳳凰が三日経っても討伐されていない段階で不審がって欲しかった!」

 不測の事態に錬にしろ樹にしろ挑戦していない、もしくは挑戦失敗したのか分かりませんが封印を解くなんて馬鹿な真似を躊躇してほしかったですな。
 倒されるまで待ってから挑んでくれれば連戦ですが、まだマシでしたぞ。
 まあ、数字からして麒麟に挑まれるよりはまだ良いですがな。

 麒麟はフォーブレイの近くに封印された地があるのですぞ。
 あそこはタクトがいますからな。ドサクサに錬や樹が殺される可能性があります。
 とはいえ、今の俺達にとっては泣きっ面に蜂の状態ですぞ。
 お義父さんはとても悩んだ様な表情を浮かべています。

「元康くん、鳳凰は元康くんに任せて、霊亀の方は俺達でどうにか出来るかな?」

 鳳凰の封印が解かれた時に取っておいたポータル位置では少々遠いですぞ。
 動き出した霊亀に遭遇するのに半日以上は必要でしょうな。
 何だかんだで霊亀も復活直後は近隣の国や町、魔物の巣を攻撃しますぞ。

「おそらく大丈夫だと思いますぞ」
「そっか……じゃあ元康くんは鳳凰の所在がわかったら鳳凰の所へ。それまでは俺達と霊亀の方に行ってみよう。霊亀を先に倒せるならそれに越した事はないからね」
「わかりました」
「みんな、いつでも戦えるようにしておいて」

 馬車に乗るみんなとフィロリアル様達、そしてライバルが応じますぞ。
 出来る限りのポータルに巻きこんで俺達は転移致しました。


 それから半日、霊亀が辺りを荒らしまわっている姿が徐々に見えてきましたぞ。

「元康くんの話だと、頭と心臓の同時破壊だったね」
「ですぞ」
「厄介なのは外の頭の攻撃、じゃあ元康くんとフィロリアル達は体内の心臓をお願い。俺達は外側から頭を潰し続けるから!」
「アレに挑むのか!?」

 キールが霊亀に目を向けて叫びますぞ。
 規格外に大きな化け物ですな。その反応も無理はありません。
 ですが、今の俺達なら倒せなくはないと思う相手ですぞ。

 まあ……お義父さんと俺以外は資質向上でステータスを誤魔化している状態ですがな。
 それでも目算で170相当以上の能力は確実に所持していますぞ。
 これだけの人員がいれば少ない人数で霊亀に挑んで勝利できるのは間違いありません。
 ささっと霊亀を倒して鳳凰に挑まないといけません。

「そうだよ。確かに見た目は凄いけど、きっと勝てる」
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