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盾の勇者の成り上がり 作者:アネコユサギ

外伝 槍の勇者のやり直し

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同行者

 翌日。
 朝食を終えると、玉座の間へと案内されましたぞ。
 カルミラ島へ行く朝の事ですな。
 前回はLv上げが出来るとウキウすると同時に赤豚の件で城にいたくない気持ちがありましたからな、足早に城を後にしたのを覚えてますぞ。
 まあ、メンバー交換でお姉さんとお近づきになれるとはしゃいでもいましたが。

「あの……錬や樹は?」
「陽が昇るよりも前にカルミラ島へ向けて出発いたしました」
「はや! 幾らなんでも気が早すぎる様な気がするんだけど……」
「どうせ船で一緒になるのですぞ」

 もしかしたら、樹はLvが足りていないから俺達に負けた、と勘違いしているのかもしれませんな。
 錬はLv上げジャンキーなので特に違和感はありません。
 しかし、最初の世界でこんなに早く行きましたかな?
 まあ、俺も割と早めに出た覚えがありますが。

「はい。その件で既に影に言付けをしているのですが……勇者様方の友好を築かせる為にも仲間の交換をしてはいかがかと」

 女王がお義父さんに進言すると、シルトヴェルトの代表達も頷きましたぞ。
 そう言えばこの二人は未来でこの時にはいませんな。
 ついてくるのですかな?
 おや? パンダ獣人が何やら緊張した様子でシルトヴェルトの代表達と話をしていた様ですぞ。

「えっと……」

 お義父さんが女王とシルトヴェルトの代表を見ておりますぞ。

「そうだね。一時的なメンバー交換は必要かもしれないね」
「はい。イワタニ様やキタムラ様の実力とカワスミ様とアマキ様の実力に開きがあるのはこちらもご理解しております。今後の事を考えて情報の共有は不可欠かと思います」
「わかったよ。出来れば樹や錬には信じてもらいたいし、連携は重要だものね」
「では現地の使いの者の指示に従いください。出来る限り勇者様達のカルミラ島での滞在をサポートいたします」
「あ、ありがとう。じゃあそろそろ出発しようか」

 お義父さんが立ち上がると女王は一歩引いて婚約者に目を向けますぞ。

「ではメルティ、イワタニ様に協力するのですよ」
「はい……」

 頬を赤く染めた婚約者が上品に礼をしてお義父さんの隣に立ちますぞ。

「え? メルティちゃんも来るの?」
「はい、盾の勇者様の力になれるよう努力します」

 おや? おかしいですな。
 婚約者がカルミラ島にいた覚えはありませんぞ。
 んー……これも差異なのですかな?
 お義父さんがもはや王と代わりないので、その力になる為に婚約者が使わされると。

「メルちゃんも来るんだ?」

 サクラちゃんが楽しげに笑うと婚約者も笑いますぞ。

「うん、ずっと一緒だね」
「そっか! サクラ嬉しい」
「えへへ」

 何やら悔しいですが微笑ましい光景ですな。
 婚約者がここまで朗らかに笑っているのは見たことが無い様な気がしますぞ。
 フィロリアル様達に囲まれて嬉しそうにしているのは見たことがありますが、何でしょう。とても幸せそうですぞ。
 フィーロたんがいないと言うのにそんな顔をして良いはずはありませんぞ!

「兄ちゃん! 村の再建はいつになるんだ?」
「これから行くカルミラ島って所でLv上げをしている最中に国の人達がキールくんの村出身の人達を集めてくれるってさ」
「そっか! すげー楽しみだぞ!」
「ピヨ!」

 キールは興奮して尻尾を千切れるくらい振っていますぞ。
 ルナちゃんもキールの頭に乗って楽しげに鳴いております。
 すぐにキールくんみたいに可愛い子が増えると城の外に出て楽しげにスキップしていましたな。

「島へ行くの?」
「そうだよウィンディアちゃん。南国の島みたいだからガエリオンちゃんと一緒に楽しみながら強くなろうね」
「わかった。ところでキールくんの村を再興する時に、魔物とか集めちゃダメ?」
「んー……」

 お義父さんが困った様に唸りながらキールを見ますぞ。

「良いんじゃないかな? 元康くんも沢山フィロリアルを育てるって言うし、波に備えて戦力は多いに越した事は無いよ」
「ありがとう」
「なの!」
「それをやるにしてもカルミラ島から帰ってきてからね」

 助手とライバルも笑顔ですぞ。
 後は相変わらずやる気のなさそうな怠け豚が面倒そうに鳴いていますぞ。

「ユキちゃん、これからもっと賑やかになりますぞ」
「元康様の手に入れた卵達ですね。私も面倒をちゃんと見ますわ」
「コウは?」
「コウは少し乱暴ですから心配ですわ。悪い事をしたらどうなるかわかっていますわね?」
「解体怖い!」

 コウは最近そればっかりですぞ。
 少し臆病になっているのでしょうな。

「心配無用ですぞ。悪い事をしなければお義父さんもみんなも優しいですぞ」
「うん! コウもみんなの為にがんばる! コウ良い子!」

 コウはどちらかといえば、自分に言い聞かせる様にそう言いました。

「カルミラ島で元康様が新しい子を沢山育てるのですわ。私達はそのお手伝いをするのですわ」
「そっかー! 楽しくなりそうー」
「ではお義父さん」
「うん。次の波に備えてカルミラ島へ出発だね」
「ですぞ!」

 俺達は国が用意した馬車に乗り込み、ユキちゃんやサクラちゃん達に引いて貰ってカルミラ島へと行く船のある港へ出発したのですぞ。


 カルミラ島への港へ行く道中、キールが村のある場所を遠くで指差していましたぞ。

「兄ちゃん、あっちに俺の育った村があるんだぜ」
「そうなんだね。行商をしている時にもこの辺りは来た覚えがあるけど……」
「前に一度だけ兄ちゃんに内緒でルナちゃんと行ったぜ」
「へー……えっと……」

 お義父さんが返答に困っておりますぞ。
 俺もまた聞きですが、最初は廃墟同然だったのではなかったでしたかな?

「気にしなくて良いぜ兄ちゃん。後少しでやっと、村を再興出来るんだ! がんばるぜ」
「そうだね。俺も協力するよ」
「私も協力するわ」

 婚約者が立候補していますぞ。
 何にしても前向きに行くべきですな。
 未来の知識を総動員してより良い未来を掴み取るのですぞ。

 今の所は良い傾向ですぞ。
 ただ……フィーロたんはいずこにおられるのですかな?
 そこでコウの引く馬車が並走しますぞ。

「相変わらず乗り心地わりーな……アンタの所の馬車は」
「あ、ラーサさんはゆっくりと……出来ないか」

 パンダ獣人が気持ち悪そうにしていますぞ。
 部下の方は既にぐったりしている様ですな。

「まあ、良いんだけどよ。この程度で戦えない様じゃ話にならねえからよ」
「カッコいい姉ちゃん、カルミラ島の後は村の再興をするんだぜ!」
「そうか。で? 噂で聞いたんだが、お前等はこのメルロマルクでまだ行商を続けんのか?」
「あ、そうだねー……ぶっちゃけお金に関してはそこまで困って無いし、エレナさんの斡旋する商人組合の援護もあるからそこまでは……かなー」

 とは言いつつ、お義父さんはキールとパンダ獣人を見ますぞ。

「大丈夫だよ二人とも、衣装に関しては気にしないで。行商はしなくても準備はさせるから」
「いらねえよ!」
「アンタはあたい等を着せ替え人形か何かだと思ってんのか!」
「プッ! あははは!」

 婚約者がそんな問答を見て腹を抱えて笑いだしましたぞ。

「おかしくねえ!」
「そうだ! 何がおかしいんだ!」
「二人とも可愛いからねー着飾る事に対する態度がおかしいんじゃない?」
「ぜってー、違うだろ!」
「そうだそうだ!」

 などと言いながらも、キールの後ろに居たルナちゃんがキールを抱きしめましたぞ。

「大丈夫、キールくんは可愛い」
「ルナちゃん! そんな事言われてもうれしくねーよ!」
「ラーサさんも可愛い。もっと可愛くしたいイワの気持ちはルナが良く分かる」
「こいつら……」

 何やらパンダ獣人の背景に炎が宿っているように見えますぞ。
 青筋も浮かんでいますな。
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