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盾の勇者の成り上がり 作者:アネコユサギ

外伝 槍の勇者のやり直し

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玉座

「尚文の配下にいるドラゴンが強固な守りを固めていたんだ。俺の話を全然聞かなくてな。説得するのに苦労した」

 当然の結果ですな。
 ライバルは錬に怨みがあるのですから、むしろ話を聞いた事の方が奇跡ですぞ。

「……僕は認めませんからね」

 それまで黙っていた樹が不服そうに言いましたぞ。
 まーだそんな愚かな事を言っているのですかな?
 本当に強情な奴ですな。

「まあ……生け捕りにして、しばらく監禁してたしね……」

 お義父さんも返答に困ったように呟きましたぞ。
 何か悪い事がありますかな?
 あのままでは樹は偽者として三勇教に消される危険があったのですぞ。
 その点で考えれば生け捕りが最適解ではないですかな?
 むしろ感謝して欲しい位ですぞ。

「三勇教やオルトクレイさん、マルティさんが悪なはずありません」
「ではここで弓の勇者……カワスミ様に真実を話すとしましょう。初めまして、私はオルトクレイの妻にしてメルロマルクの真の王。そしてマルティとメルティの母であるミレリア=Q=メルロマルクと申します」

 女王が玉座の前に立って宣言しましたぞ。
 兵士達が揃って敬礼をします。

「クズは何処ですかな?」

 ここにいないのはどうも不安でしょうがないですぞ。

「メルティちゃんが説得したんじゃないの?」
「えっと……父上は全然話を聞いてくれなくて、問答をしている間に母上直々の影が何処かに連行して行ったのですけど……その後は私が革命は成功した、女王もすぐに戻ってきますと宣言してからは……」

 返答に困る様に婚約者は言いましたぞ。

「ではオルトクレイを連行して来てください」

 女王の言葉に兵士達が動き、しばらくするとクズが両腕を抑えられて連行されてきましたぞ。
 なにやら激しい抵抗をしており、騒いでおりますな。

「放せ無礼者! わしを誰だと思っている!」
「国の権力二位の代理王だと思いますが?」
「おお! 妻ではないか! 国の連中が盾に洗脳され革命などという愚かな行為に走っておるのだ。責任者を即刻打ち首にせい!」

 この場にいて尚、クズは懲りずに命令しておりますぞ。
 馬鹿では無いのですかな?

「オルトクレイ、マルティは何処ですか?」
「マ、マルティは……」

 クズが視線を逸らしておりますな。
 赤豚なら俺があの世へ送ってやりましたぞ。
 まあ誰も見ていないので、あえて言う必要はありませんがな。

「この事態にワシの独断で逃がしたのじゃ」
「そうですか、では国中に指名手配を」

 女王は兵士にそう命令すると、兵士はすぐに出て行きました。
 そんな事をしなくても、もう見つかりませんぞ。
 永遠に。

「マルティが何をしたと言うのじゃ!」

 何をした、ですと?
 お義父さんを罠にハメ、フレオンちゃんを殺したのですぞ。
 許しがたい蛮行ですぞ。
 今回も殺してやりましたが、仮にループした際も殺してやりますぞ。
 何度でも何度でも、ループする限り、必ず血祭りにしてやります。

「いたずらに勇者様方の不和を招いた罰です。更に三勇教と共謀して国の貴族達を更迭した罪があります。勇者様方を私的に利用した罪は重たいのを覚悟なさい」
「そんな……じゃが、盾はマルティを強姦しようとしたのじゃぞ!」
「誰がそんな事するか!」

 お義父さんが怒っております。
 そんな中、女王は樹に目を向けますぞ。

「イワタニ様が強姦? 大いに結構、勇者の血を我が血族に入れられるなら得こそあれど損はありません」
「なんじゃと!? 何を言っているのだ妻よ!」

 その通りですぞ。
 赤豚の様な、豚の中でも一際穢れた豚の血にお義父さんを混ぜるなど、神をも恐れぬ所業ですぞ。
 ちなみに、俺にとっての神とはフィーロたんの事です。
 間違っても……なんでしたかな?

「カワスミ様、良くお聞きください。このオルトクレイは極個人的な私恨で盾の勇者であるイワタニ様に罪を被せようとしたのです。三勇教はそんな愚かなオルトクレイを利用したのですよ」
「ああ、それは間違いない。三勇教の連中の暴挙は俺達も見てきた。ゼルトブルで活動する俺に再三に渡って国に戻る様に言ってくるし、活動の妨害も多かった。しかも失敗したら殺そうとしてくる野蛮な連中だ」

 錬が女王の証言に裏付けをしてますぞ。
 それにしても先程から錬のドヤ顔がウザイですな。

「結果、卑劣な手段でカワスミ様を利用し、国を意のままに操ろうとしたのです」
「そんな……いいえ、違います。貴方達は尚文に洗脳されているのです!」
「洗脳は便利な言葉でしょうが、良くお考えください。もはや三勇教は世界中から邪教として認識されております。どちらが正しいか、お時間を用意しますので一考してくださるようお願い致します」

 考える猶予を与えるとは甘い判断ですな。
 まあ、世界中で三勇教の暴走を樹が耳にすれば……考えを改める可能性があるのですかな?
 頑固に自分は間違っていないとか言いそうですぞ。

「さっき背筋が凍るようなおぞましい事を言われなかった?」
「そうですな。赤豚をお義父さんが犯して子供が出来たら万々歳と言う話ですな」
「う……冗談でも御免だよ、あんな奴。あ……ごめん、メルティちゃん」
「ううん、大丈夫。姉上の本性を知ってるなら……むしろなんでその選択をしなかったのかしら? 盾の勇者様と子供でも出来たら母上の信用も得られるし、継承権も上がると思うわ」
「何を不思議がっているのかな、メルティちゃん?」
「!?」

 ハッと我に返る様に婚約者は首を振りましたぞ。

「そ、そうよね! 姉上が何を考えていたのか私にはわからないし、もう過ぎた事だわ!」

 その様子を女王は咳をして流しました。

「樹、お前は優遇されていたから俺達の方が悪に見えるのかもしれない。だけど、真実は三勇教と王と王女が悪だったんだ。だからこうして俺達はこの場にいる。お前の理屈なら悪は滅び、正義が勝った。ただそれだけだ」

 錬が樹を諭す様に言いましたぞ。
 俺やお義父さんの言葉は聞き入れませんのは生け捕りにした時にわかっていますからな。

「嘘か真実かは女王が時間をくれたのだから確かめれば良い。それで良いじゃないか」
「ですが……僕は悪じゃありません!」
「……利用されていたのに気付かなかったのは悪じゃないだろ? 巡り合わせが悪かったと思えば良いんだ」

 樹は自分が悪に加担していたという現実が受け入れられないかのように何度も呟いております。
 そこにストーカー豚と仲間達が何やら駆け寄って樹を説得している様でしたぞ。

「あれですな。心の隙間に入って信用を得ようとしているのですぞ」
「元康くんは少し黙っててね」
「わかりましたぞ」

 お義父さんに注意されたので俺は黙りますぞ。

「ぐぬぬ! ワシは、ワシは認めん! 盾が人々を扇動して我が国を洗脳したのじゃ!」
「まだそんな妄言を……メルロマルクは生まれ変わる改革の時が来たのです。亜人を隷属し、苦しめ、悦に浸るような者はこの国には不要となったのですよ」
「違う! そんな事は認められんぞ!」
「オルトクレイ、貴方が認めまいと結果は変わりませんよ。既に貴方の権威は地に落ちました」

 女王はお義父さんに頭を垂れてから、その手を握ります。
 それから婚約者と共に玉座の方へお義父さんを連れて行きました。
 お義父さんは首を傾げてから女王に連れて行かれ……玉座に座らせられてしまいます。
 更にその膝の上に婚約者を座らせましたぞ。

「な、何をしているのじゃ! 妻よ!」
「何をしている? ですか? 盾の勇者であるイワタニ様に国の代表として玉座に座って頂いただけですよ」
「え? え? え?」

 お義父さんはどうしてこうなった、という顔で俺達を見渡しております。
 婚約者も顔を真っ赤にしてお義父さんの膝に座って困惑してますぞ。
 これはどういう事ですかな?
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