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盾の勇者の成り上がり 作者:アネコユサギ

外伝 槍の勇者のやり直し

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待ち伏せ

 教皇及び三勇教徒を仕留めて少しLvが上がりましたな。
 木箱を抱えて俺は建物から出てくるとユキちゃん達が駆けつけてきましたぞ。

「元康様、お怪我はありませんか?」
「キタムラ大丈夫だった?」
「傷一つありませんぞ」

 Lvは下がりましたがこの程度すぐに取り返せますぞ。

「それよりも卵は全て守り通せましたぞ!」

 三勇教徒一人一人に持たせて居たら面倒でしたな。
 まあ、下手に動いて割ろうものならその場で殺していましたがな。

「わぁ……いっぱいー」
「沢山手に入りましたわね」
「フィーロたんがいなかったらユキちゃんに管理は任せますぞ」
「任されましたわ」

 前回、ユキちゃんが代表して合唱魔法の指揮をしていましたからな。

「ではこれからすぐにナオフミ様の元へ向かうのですね?」
「イワタニの所へ行く?」
「そうですなー……」
「な!? 槍の偽勇者!? 何故生きてここに!?」

 そこに三勇教の兵士が俺達が現れ、驚愕の表情を浮かべていましたぞ。

「馬鹿な! 槍の偽勇者を仕留めたのを確認後に戦争に備えるとの手はずでは無かったのか!?」
「ははは! 教皇など雑魚も同然でしたぞ!」

 俺の返答に兵士達は一目散に逃げて行きますぞ。
 しかも騒ぎを聞きつけた監視兵がどうやら大きく緊急事態を告げる鐘を鳴らしております。
 面倒ですな。
 さすがにエイミングランサーで殺しきれるか怪しい所ですぞ。

 しかし、先ほどのやり取りからクズはまだ諦めていない様ですぞ。
 鐘を聞きつけて、革命派の動きが活発化したのか城門の方でも騒ぎが大きく……城下町でも煙が上がり始めました。

 これは……なんとなくですが籠城していたクズと赤豚が行動を開始するのではないかという予感がしますぞ。
 お義父さんには早く来る様にと言われていますが……クズと赤豚を逃がす訳にはいきませんな。
 今、奴等を逃がせばお義父さんが望む未来に影を落とす事になります。
 ならば……。

「コウ、フィロリアル様の卵をお願いしますぞ」
「わかったー」

 コウの背中に木箱を乗せ、俺はユキちゃんの背に乗りますぞ。

「ユキちゃん。ちょっと寄り道しますぞ」
「何処へ行くのですか元康様?」
「それは――城ですぞ」

 俺はメルロマルクの城に指を向けました。


 ――メルロマルク城の地下。
 牢屋が並ぶ監獄の先……城の緊急用の脱出通路ですぞ。
 そこにカツカツと石畳の廊下を走る音が響いております。

「ブー!」

 潜伏用にローブを羽織り、配下を数名引き連れた連中がその脱出通路を急ぎ足で移動しております。
 メルロマルクでも隠し通路があり、隠蔽されているのはわかりますな。
 どうやら複雑な仕掛けと鍵を持っていないとメルロマルクの地下水路には出られない作りなのは、連中の装備が物語っていますぞ。

「ブブブブー!」
「は、は! 急いでおります!」

 配下の騎士っぽい奴が……赤豚の命令に頷いて先の仕掛けを解こうとしている様ですぞ。
 鍵を持っていますな。
 そこに――
 ザシュッと俺は赤豚目掛けて槍を突き刺し……隠蔽スキルで隠れていた状態を解きました。

「ブヒ――!?」

 赤豚が背中から胸に掛けて俺の槍に貫かれて持ち上げられた事に驚いて後ろを振り向こうとしております。

「どこへ行こうと言うのですかな?」
「な――槍の偽勇者! 何故ここに!?」
「マルティ王女!」

 配下らしき騎士がその状況に気付いて声を出しますぞ。

「どうせコイツの事ですからな、敗北を悟った所で逃げると思っていたのですぞ」

 まあ、まだ城にいるか一か八かでしたが、このような作戦を提案するのはクズか赤豚だと分析していましたからな。
 ギリギリ間に合ったと言うべきですぞ。

 ユキちゃんに頼んで俺は城の塀を飛び越え、ユキちゃんはフィロリアル舎で情報収集を任せました。
 一応、フィロリアル様達から聞いた話では、クズと赤豚は俺を倒した後にお義父さんを呼び寄せて罠に掛ける算段だった様ですぞ。
 樹の仲間もこの城に待機しているとの話ですな。

 まあ、一見すると脅威は俺に集中している様に見えたのでしょう。
 お義父さんは盾故に守ることしか出来ませんからな。
 樹との一騎打ちも火力が足りなかったとか自惚れていたのは確かだったのですな。
 この辺りは三勇教と共謀して作戦を立案していたのだろうくらいは想像できますぞ。

 後は、樹の救出作戦を予定していたのですかな?
 革命軍には俺の死体を見せつけて鎮圧化させる予定だった様ですな。
 挙句、切り札のコピー武器で代表を皆殺しにするとか……その辺りは道中の兵士から白状させて知りましたぞ。
 愚かな連中ですな。

 で、卑劣な罠に掛けようとしたが教皇が返り討ち。
 その事実が革命軍に知れ渡って、革命運動が最高潮に達し、城への異議申し立てが門を破壊しようとする動きにまで発展したのですな。
 革命軍も革命の旗頭にする為に俺を探している様ですが、それでは手が遅いですぞ。

 教皇が倒れた今、責任者はもう英知の賢王しかおりませんからな。
 過去の栄光は地に落ち、革命軍も早く英知の賢王をシルトヴェルトとの友好の為に差し出さねば国民が殺されかねないと言うのを知っている。
 と言う所ですかな。

 そして権力者の後ろに隠れて好き勝手する赤豚は完全に不利を悟って城から脱出を図るのは……容易く想像できましたぞ。
 おそらくタクトの所にでも亡命するつもりだったのでしょう。
 ですから、俺が赤豚だったらどうやって逃げるかを想像しました。

 前回の周回で俺はメルロマルクの地下に牢獄がある事を知っております。
 その出口とは反対側に何があるのか……あの時も水音から想像するのは容易いですぞ。
 こう言った城には緊急用の脱出通路があると言うのは何処かで聞いた覚えがありましたから、赤豚がここを利用するのは簡単に想像できましたな。

 まあ、革命軍にそれとなく紛れて逃げる可能性が無くは無かったのですがな。
 そんな混戦状況を選ぶのなら早いうちにこの道を選ぶのは容易く想像できましたぞ。

「クズは何処ですかな? ああ、今は英知の賢王と言うべきですかな」
「ブ……」
「お前の返答は聞いてませんぞ」

 何やら赤豚の顔がこれでもかと歪んで見えますな。
 はは、何やら晴れやかな気持ちになりますな。

「お、王は王女様を逃がす為に城に残っている! 槍の偽勇者め! 早く王女から離れろ!」
「こんな事をして……英知の賢王が許さんぞ!」
「おやおや、腐っても玉座に座っていたいと言う事ですかな?」

 娘の赤豚を逃がして、最後まで王として玉座に居座る汚らしい根性、反吐が出ますな。
 大方、赤豚がこの事態を解決してくれそうな人物に頼るとか言いだしたのでしょう。
 ですがその作戦も失敗ですぞ。
 ここに俺がこうしている事を考えなかったのですからな。

「ブ、ブブブ――」

 何やら赤豚が悪態をついているようですが、何を言っているのか全然わかりませんな。
 無礼者とかですかな? それともパパが許すはず無いですかな?
 それともタクトに頼んで殺してやるですかな?

「ははは、何を言っているのですかな? まったくわかりませんな。では、お前に一言だけ伝える言葉がありますぞ」
「ブヒ!?」
「くたばれ! フレオンちゃんの仇!」

 俺は槍に力を込めてスキルを唱えますぞ。

「バーストランスⅩ!」
「ブヒイイイイイイィィィィィィィィィ―――……」

 穂先が爆裂し、赤豚が爆散しましたぞ。
 跡形も残りませんでしたな。
 まー、槍に刺されても元気でしたな。

「な、王女が殺されたぞ! 急いで英知の賢王に――」
「ブリューナク!」
「うわ――」

 地下水路につながる仕掛け事、同行していた騎士共を消し飛ばしてやります。
 水路へ繋がる道は完全に崩落するのを確認しました。
 後は……足元に残った赤豚の汚らしい血を火の魔法で蒸発させるだけですな。

 これでこの世のゴミを一つ秘密裏に消す事に成功しましたぞ。
 コイツが生きていても何の得にもなりませんし、殺したからと言って戦争や後世の汚点にはならないでしょう。
 王女は秘密裏に逃げ出して消息不明という事実だけが残るだけですぞ。

 目撃者は一人もいません。
 燻製の様に消してやりました。
 これで世界もより良い方へ向かう事でしょう。

 フレオンちゃん……仇は取りましたぞ!

「ハハハハハ! 汚物は消毒ですぞー!」
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