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盾の勇者の成り上がり 作者:アネコユサギ

外伝 槍の勇者のやり直し

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食料配給

 それからしばらくして怠け豚の領地である町に辿り着きましたぞ。

 しかし……この町、見覚えがある様な……ハッ!
 怠け豚は、最初の世界で俺と一緒に行動していた、エレナ!
 お義父さんが何度も呼んでいた気がしますが、同名の豚だと思っていました。
 あの裏切り者が店を任されていた町がここですぞ。

 くっ……どうしてこの怠け豚が裏切り者のエレナだと気付かなかったのでしょうか。
 きっと今回も立場が悪くなれば、すぐに裏切るでしょうな。
 お義父さんに気付かれない様、人知れず殺すか考えますぞ。

 ……いや、逆に考えれば、立場さえ悪くならなければ良い駒かもしれませんぞ?
 実際、怠け豚の能力は程々に高いですからな。
 今までの行商や波での避難誘導、バイオプラントの栽培方法など、お義父さんに多くの助言をしております。
 ある意味では俺には無い能力があるとも言えます。
 この怠け豚の能力を見るに、簡単に消してしまうのは惜しいですぞ。

 言うなれば、裏切りたくないと思わせる事もまた、力なのかもしれませんな。

 そういう意味では最初の世界のお義父さんは良い指標です。
 お義父さんはあの魔物商や盗賊など、口には言えない輩を従えていると聞いた事があります。
 彼等は自分の利益に正直ですからな。
 もしもお義父さんの立場が悪くなれば、すぐに切り捨てるでしょう。
 そういった連中に味方でありたいと思わせる事が重要なのかもしれません。

 もちろん、無能を飼っている余裕はありません。
 精々お義父さんの駒として便利に使わせてもらいましょう。
 それに、もしも裏切ったら俺が迷わず処刑してやりますぞ。

 さて、俺が最初の世界で霊亀事件の後、逃げ回っていた頃。
 怠け豚を信じて合流しようとしていた時に向かったのが、ここでした。
 お義父さんが俺に忍び足で近づいて来て、城へ連行しようとしたのでしたな。
 俺はその後、ポータルで逃げたのですぞ。

「ブー」

 面倒そうに怠け豚が商店に入って、店の奥で何やら話をしていたようですぞ。
 その後、町の屋敷の方へお義父さんは出かけて行き、近隣の畑を借りました。
 お義父さんの話ですが、名目は怠け豚の家族が管理する畑となっているそうです。

 畑にお義父さんが種を植えると見る見ると成長していきましたな。
 赤い、馴染みのある実が実りましたぞ。
 計画の第一段階は成功ですな。

 すぐに、怠け豚の家が雇った農夫が実を収穫して馬車に積み込んで行きますぞ。

「エレナさんの所の商人も色々と売り歩いてくれるってさ。まあ、たぶん、大丈夫だと思うけど、ちゃんと注意してね」
「ブー……」

 怠け豚が部下の農夫に命じてから俺達は食料を配給の旅に出る事になったのですぞ。
 もちろん食料の合間に薬も売りますぞ。
 ですが、貧困に喘ぐ地域である南西の村などに食料を持って行くと飛ぶように売れました。

 ただ、お義父さんは貧乏で食べるのも大変な人達には無償や後払いで良いと言っておりました。
 物々交換や薬草との交換も受け付けているので、様々な品が馬車に積まれて行きましたぞ。
 ユキちゃんやコウに引かせる馬車も増えて、みんな喜んでおります。
 フィロリアル様は重い馬車が好きですからな。

 で、この頃にはルナちゃんも大きく、フィロリアルクイーンの姿になっていましたぞ。
 どうも個性なのでしょうが、他のフィロリアル様より体格が大きくなっていますな。
 そして最初は紺色だったのですが、色合いが白に紺のカラーですな。
 色合い的にフィーロたんの色違いみたいな感じですぞ。
 そろそろ天使になる頃ですな。

「ルナちゃん、どうか天使の姿になってほしいですぞ」
「元康くん、ここ街道なんだけど……って、ルナちゃんも受け入れないで!」

 俺の願いで馬車の外で歩いていたルナちゃんが天使の姿に変身しました。
 ……おや?
 お義父さんがルナちゃんに急いでタオルを被せますぞ。
 そして馬車に乗るように指示を出します。

「……ルナ……よろしく」
「えっと、まだ予備の馬車が無いから良いよ」
「……そう?」

 背格好はユキちゃん達と同じく幼い外見ですぞ。
 サクラちゃんと比べるとやはり大きく違いますな。
 俺は再度、ルナちゃんの天使の姿を再確認しましたぞ。

 まず、目の色は紺色ですな。
 夜の海の様に深い紺色の瞳ですぞ。
 これは変わりません。

 次に髪の色ですな。
 なんとサラサラと輝く銀色ですぞ。
 陽の光を吸い込んでキラキラと輝いていますな。

 今までのフィロリアル様の姿とはどうも異なる色合いになりましたぞ。

 髪型は、好みに別れますが、お義父さんがルナちゃんに聞いて好きな髪型にさせましたぞ。
 ルナちゃんは片方で纏めるのが好きなご様子。

「ユキちゃんやコウ、サクラちゃんと比べると何か違うね」
「そうですな」
「フィロリアル姿の色合いに合った髪の色をしてないよ」
「今までと何か違う事をしましたかな?」
「う~ん……最近だとキメラの肉を食べてたけど、俺達も食べてたしな……」

 全然わかりませんな。
 しかし、フィーロたんも天使の姿とフィロリアルの姿で差がありました。
 何が原因なのでしょうか?

「……変?」
「変じゃないよ。だけど違うなーってね」

 どうもルナちゃんは喋るのが得意では無い様ですな。
 一言で終わる会話が多いですぞ。
 サクラちゃんもどちらかと言えば口数は少ないですが、それでも聞けば答えますし、歌が好きな様です。
 ですがルナちゃんは喋る事全般が短めのようですな。
 これは個性ですぞ。

「……へー……」
「ブー……」
「ああ、うん。エレナさんに似てるけど、ルナちゃん。真似しちゃダメだよ」
「……マネしてない」

 クール系ですな。
 ルナちゃんは静かに行動するのが好きな様ですぞ。
 魔物と遭遇すると背後から一撃を掛けるのは好きな様です。

「しかし……なんでサクラちゃん達とは天使の姿の時に髪の色が違うんだろう……? まあ、サクラちゃんも他の子と違って目の色に違いがあるんだけどね」

 そうですな。
 思えばフィーロたんも色々と違いがありますからな。

「イワ……キール、ルナのポンポンで寝る」

 夜になるとフィロリアル姿のルナちゃんがズテンと座り込んで、お義父さんを手招きしてお腹をポンポンしてますぞ。

「ルナちゃんのおなかか? あったかそうだな!」

 キールが近づいてルナちゃんのお腹に寄りかかりますぞ。
 ルナちゃんはその様子をとても優しげな眼で見つめております。

「うお。すげーやわらけえ!」
「コウもキールくんを迎える準備出来てる!」

 と、コウがパカっと口を開きますぞ。

「内側に入る気はねえ! いい加減にしろ!」

 ワンワンとキールはコウに犬歯を見せて鳴きましたぞ。

「ルナちゃんはポンポンさせるのが好きみたいだね」
「……うん。キールくん、可愛い」

 ギュッとルナちゃんはキールを抱きしめますぞ。
 ふむふむ、コウとは別の意味でキールの事が好きみたいですな。
 子犬のキールが好きとは、女の子らしい一面ですぞ。

「可愛いじゃねえ! カッコいいだろ」
「……ルナ、キールくんみたいになりたい。小さくてピヨピヨしたい」
「十分可愛いと思うけどー……」

 ふわっとルナちゃんは羽毛を逆立たせてヒヨコのようにしていますな。
 ですが、少々体が大きい所為か、脚の長さもあって比率が悪いですぞ。
 まあ、フィロリアル様は等しく可愛らしいですが。

「天使の姿はキールくんに負けないくらい可愛いと思うよ」
「……ルナ、本当の姿が可愛くなりたい……ピヨピヨ……したい」
「うーん……みんな個性的だね。ラーサさんと仲良くなれそう……かな?」

 そうですな。
 あのパンダ獣人は可愛い物が好きなようでしたし、着飾るのに対して抵抗感を持っていましたぞ。
 ルナちゃんとは気が合いそうですな。
盾一行の善行値:20(7)
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