挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
盾の勇者の成り上がり 作者:アネコユサギ

盾の勇者の成り上がり

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

354/846

真紅に染まる空

「錬、元康、樹! 本気で行け!」
「おう! 鳳凰烈風剣Ⅹ!」

 錬のスキルが転生者の放った結界に向かって飛んでいく。
 業火の如く燃え上がる鳥が羽ばたいている。
 しかし、見えない壁に阻まれたように火の鳥が嘶きながら貫こうともがくも、突破できない。

「ブリューナクⅩ!」

 元康の得意スキルになったブリューナクを放った。
 光となった槍が一閃となって飛んでいく。
 が、やはり結界に遮られてしまう。

「フルバスターⅩ!」

 樹が弓を銃器に変えてスキルを放つ。
 弓は結構汎用性の高い武器らしく銃器もカバーしているんだよなー……羨ましい限りだ。
 このフルバスターってスキルは……ま、銃器の先から極太のビームが出るようなスキルだと思ってほしい。
 聖武器の勇者が放ったスキルが一つになって結界を破壊しようとするが、それも芳しくない……か?

 どれだけ強力なスキルなんだよ。
 こっちは聖武器と眷属器の強化方法を全て使っているんだぞ!

「ぐ……」

 とは言いつつ、相手の顔色が悪い。
 やはり堪え切れないのか?

「おっと、癪だけどお前だけには任せてられねえな!」
「キャーかっこいいー!」

 波からやってきた先頭の奴を助けるように、もう一人が結界すれすれで手をかざす。
 すると、スキルが何故か逸れる。

「く……危なかったな」
「中々重い攻撃みたいだ」

 あっちも焦りの表情を浮かべるが、破壊できなかった。
 だが、こっちだってこのまま黙っている訳にはいかない!

「なんで波を広げるような真似をする!」
「そうです。その先に何があるのかわかっているのですか?」
「敵の言う事を聞きいれてはいけません!」

 ヴィッチ二号が遮ろうとする。
 激しくウザイ。攻撃ができるならすぐにでも殺している所だ。

「うるせえお前は黙ってろ!」

 ヴィッチ二号に向けて怒鳴りつける。
 この女のパターン、間違いない。

「お前、波を広げる事が何を意味しているのか、わかってやっているのか?」
「決まっているだろ? 世界を正しく導く為だ。ま、アップデートみたいなものだけどな」
「違う! こんな事をしたらお前の世界も、俺達の世界も草一つ生えない世界になるだけだ!」
「そんなわけないだろう。女神様から力を貸してくれって頼まれたんだ。これは世界の為に必要な事なんだよ」

 ダメだ。タクトと同じく話が成り立たない。
 加減する必要は無い、死を持って処分するしか、世界を守る術は無いだろう。
 とにかく、畳みかけるしか手段は無い。

「全員、畳みかけろ!」
「「「おう!」」」
「ヘブンズジャッジメントⅩ!」
「グングニルⅩ!」
「トールハンマーⅩ!」
「ラフー!」
「すぱいらるくろーてんー!」
「滅竜烈火拳Ⅹ!」

 etc……。
 各々の眷属器に選ばれた勇者がスキルを放ち、同時に後方から援護射撃の魔法が降り注ぐ。
 元々この世界を守る為に作られた影響か、それ等の攻撃は混ざり合い、大きな力へと変わる。
 そして強烈な爆発となり、敵を巻き込んだ。

「ぐ……中々、やるじゃないか」

 00:49

 土煙を誰かが魔法で吹き飛ばす。確認する時間すら惜しいからな。
 見れば結界にヒビが入っている。
 これならいける。俺だって出来ることをするまでだ。

「シールドプリズン!」

 お? 結界を作っている奴を閉じ込める事に成功した。
 出現スキルだからか?

「なるほど!」

 錬が敵の結界ギリギリにまで接近して。

「フロートソード!」

 フロートシールドの剣版を発動させる。
 錬曰く、操作が難しすぎなのと威力が無くて使いこなせないスキルらしい。
 そして結界内で浮かぶ剣で暴れさせる。

「なんの!」

 転生者らしき奴が錬の剣と鍔迫り合いを始める。

「ぐぐぐ……」

 そこまで得意なスキルじゃないし、結界の所為か操作が変だ。
 半分も威力が出ていないだろう。
 一か八か、アイアンメイデンを仕掛ける!

「チェンジシールド(攻)!」

 バキンと音を立てて、内側にトゲの付いた盾が結界を作っている奴に突き刺し。
 そのまま次のスキルへと繋ぐ。

「アイアンメイデンⅩ!」

 巨大な鉄の乙女が出現してトドメを刺す。
 威力は申し分ないはずだ。
 もちろん、敵が敵なだけに効いていない可能性もある。
 早く次の行動にでなければ。

「はぁ……はぁ……」

 盾から魂癒水を出して飲み干し、SPを回復させる。

「あ、危なかったー」

 ち……致命傷に出来なかった。
 見れば自分を守る結界をもう一つ作って防御していたようだ。
 ただ、そこから動けないようで、困惑しているようにも見える。

「何一方的にやられてんだよ」

 00:38

 今度は大きな鎌を振りかぶって結界からスキルを放つ転生者が現れた。
 ちょっと待てよ。結界に阻まれるんじゃなかったのか?

「ほらよ! 飛天大車輪!」

 エネルギー化した鎌が車輪のようにこっちに向かって飛んでくる。
 俺が先頭にたって、それを受け止めた。
 む……そこまで威力は無い。
 これならっ!

「てい!」

 ガツンと力を込めて車輪を殴り飛ばす。

「ヒュー……中々つえーみたいじゃん」

 どうやらかなりずさんな連携みたいだ。
 眷属器の強化方法をそこまで練り込んでいないのか?
 いや、あれが眷属器であるかどうかすら微妙だ。

「グラス、あいつは眷属器の所持者か?」
「ええ……鎌の眷属器です」

 そうなのか。
 しかし……結界を突破するとか、どういう事だ?
 武器の技能……にしては怪しいな。

 大方、タクトのように神を僭称する者からもらったとかの能力か?
 先程女神様とか言っていたし、正解だろうな。
 自分の手駒に一方が勝利できる能力を持たせるとか、どんな考えだよ。

 00:18

 残り時間が少ない!

「あ……」

 ついに敵の結界が弾けた。
 この場にいる味方全てが、このチャンスを逃すまいと武器を構える。

「少し持ちこたえろ! 再度展開する!」

 よし! 攻撃するなら今だ!

「とにかく、あの後ろにいる連中を止めろ!」

 俺の掛け声に、全員が応じて走り出す。

「させるかぁああああああああああ!」
「輪舞無ノ型・無想!」

 グラスが飛びかかってくる敵に向かってスキルを放った。

「早く! 一歩でも早く! 輪舞無ノ型・蓮華! 輪舞無ノ型・零度! 輪舞無ノ型・無月!」

 息もつかせず、グラスはスキルを放ち続ける。
 確かグラスはスキルを使えば使う程弱体化する。
 それを覚悟で、使い続けてくれているのか!

 ならばこちらも全力で行く。
 この世界は俺達が散々困らされて、それでも守ってきた世界だからな。
 こんな中途半端な場所で終わらせるわけにはいかない。

「いくぞぉおおおおおおお!」

 俺が走り抜けると鎌を持った奴が切りつけてくる。
 その攻撃を盾で受け止め、全力で押し返す。

「邪魔をするな! この任務をクリアすれば、新たな力が授かるんだからよ」
「授かる?」
「なんだ知らねえのか? 必殺スキルの召喚が解放されるんだぜ」

 何を言っているかわからないが、話している暇は無い!
 どうせ碌でもない、自分本位な事しか言わないだろうしな。

「どけ! お前達は自分が何をしようとしているのか、わかっているのか!」
「ああ、知っているぜ。夢で俺達、異世界から転生した者全員に号令が掛ったんだ。女神様からな」

 女神……やはりそいつが黒幕か。
 概念みたいな存在という可能性もあったが、間違いなく知的生命だろう。

「波を早く解放しないと世界が滅ぶ、どうか力を貸して下さいってな! お前は世界を滅ぼそうとしているんじゃねえか!」
「ふざけるな! そんな力のある奴が何故お前等なんかに頼る? それだけの価値がお前等にあるのか? 残念だがお前等は利用されているんだ!」

 00:10

 ヤバイ! 時間が少ない。
 くそ……話なんてしている最中じゃないってのに!

「どけ!」

 もはやダメージを受けるのを覚悟で突き飛ばす。

「シールドバッシュ!」
「うぐ……」

 よし、上手い事目を回しているようだ。
 足が千鳥足になっている。

 00:06

「みんな! 奴らを仕留めろ!」

 後方で波に何かしている転生者らしき奴に近づいた。
 そして俺たちは各々のスキルを使って攻撃する。

「流星剣Ⅹ!」
「流星槍Ⅹ!」
「流星弓Ⅹ!」

 勇者を筆頭に、スキルが命中した。

「「うわあああああああああああああああああああ――」」

 後方にいた奴等が、そのスキルの雨を受けて消し炭と化す。

 00:03

 く……早く、波を鎮めないといけないのに。
 後方を見ると、クズやフィトリア、ガエリオンと谷子、ラトとミー君が連携して波から出現したばかりの大物の魔物……サイクロプスっぽい奴を仕留める瞬間だった。
 よし! これで――

「まだです! 私達の世界の方へ――」

 グラスの言葉に波の中に目を向ける。
 すると亀裂の下で複数の人影が目に入った。
 グラスの世界にもいる!

「休む暇なく、亀裂の中へ攻撃する勢いでやれ!」
「「ああ!」」

 その場にいた者達が一丸となって亀裂に向かい、今、放てる最も強力な攻撃を放った。
 様々な意思、心、想い――それ等が何重にも重なり合って力となり、一筋の閃光へと変わる。
 閃光は力の本流となってワインレッドに光る亀裂に当たって爆発する。
 全員が全員、確かに今までで一番強い攻撃だった。

 だが――

 00:00

 ワインレッドだった空は鮮血の如く深紅に染まり、波が扉のように大きく開かれる。

「やばい……世界が……」

 こんな所で世界は――滅ぶのか!?
 ゴゴゴと地響きを立てて、世界は揺れ始めた。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ