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盾の勇者の成り上がり 作者:アネコユサギ

盾の勇者の成り上がり

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治療薬

 日も落ち、夜も更けた頃、またラフタリアのお腹がなったので、宿に荷物を置いて、近くの飯屋で晩飯を取る。
 さっきのは食前のおやつみたいなものだ。
 ラフタリアは見知らぬ店なので、何が良いのか分からないらしい。
 まあ、財布の中はある程度潤っているし、これからしばらく野宿の予定だ。
 多めに食べさせてやろう。

「えっと、デリアーセットを二人前とナポラータを頼む」

 店員に注文し、メニューが運ばれてきた。

「じゃあ食うぞ」
「うん」

 ラフタリアはやっぱ手づかみでもぐもぐと食べだした。
 10歳くらいと言うと育ち盛りだろう。俺の分までモノ欲しそうにしたので、追加注文する。

「明日から野宿になるから多めに食べて良いぞ」
「はぁぐい!」

 食べるか頷くかどちらかにしろと言いたかったけど、おいしそうに食べるので放っておいた。
 それから、改めて気づいたラフタリアの問題点に付いて部屋に戻ってから処理をする。

「髪がボサボサだな、少し整えるぞ」
「……はい」

 何か不安そうな顔をするラフタリアに俺はポンと頭に手を載せる。

「大丈夫だ。変な髪型にはしない」

 むしろ今の方が変だ。
 ある程度手グシで解いてからナイフで無駄な毛を切る。
 長過ぎの髪を肩くらいで整えてから散髪を終えた。

「よし、これくらいで良いだろ」

 前よりは幾分、見れる髪型になった。
 これで多少は身なりがよく見えるだろう。
 ラフタリアはくるくる回りながら自身の変化に顔を綻ばせている。
 何が嬉しいのやら。
 毛を掃除していると盾が反応する。

 ……。
 気づいていないな。
 すう……。
 ブックを開いて確認。ツリーとLvが足りないと出ている。

「ん?」

 ヤバイ、振り向いた。

「さて、そろそろ寝なさい」
「うん!」

 昨日と違って妙に素直だな。
 まあ、良いだろう。

 叫ぶかもしれない、騒ぐまで調合でもしておこう。
 ……。

 栄養剤が出来ました。
 栄養剤 品質 悪い→やや悪い 疲労回復効果のある薬、他に栄養を急速に補給する効能もある。

 治療薬が出来ました。
 治療薬 品質 やや悪い→普通 病を治療する効果のある薬。重度の病には効果が薄い。

 ふむ……森と山の薬草で色々作れるな。
 確か薬屋だと結構な金額で取引されている品だったはず。
 ただ、材料の消耗は激しい。割りに合うか微妙なラインだ。
 栄養剤が合計6本出来上がり、その他の薬もある程度出揃った。
 ただ、品質が良いものを作るのはやはり難しい、本職には勝てそうに無い。
 そもそも俺は盾の勇者であって薬剤師ではないが。
 ……盾に吸わせておくとしよう。

 カロリーシールドの条件が解放されました。
 エナジーシールドの条件が解放されました。
 エネルギーシールドの条件が解放されました。

 カロリーシールド
 能力未解放……装備ボーナス、スタミナ上昇(小)

 エナジーシールド
 能力未解放……装備ボーナス、SP増加(小)

 エネルギーシールド
 能力未解放……装備ボーナス、スタミナ減退耐性(小)

 一応、ステータス系のボーナスが揃っているか。
 スタミナってなんだ? 体力の事か?
 知らべる必要がありそうだな。
 後は薬草類だけど……いい加減技能系の習得が増えすぎていくなぁ。
 もっと戦闘寄りの技能が欲しい。
 あ、薬草類だけじゃ、まだ解放条件を満たしきれない。
 まあ良いか。

「ん~……」

 背伸びをして、そろそろ寝ようかと考えているとパチッとラフタリアと目が合う。あれは寝てるな。夜泣きの前兆。

「キャ――」

 咄嗟に口を抑えて叫びを消し、ポンポンと抱き抱えながら宥める。
 ふう、今日はどうにか抑えられた。
 このまま放そうとすると叫びだすんだよな。
 しょうがないか。一緒に寝てやろう。



 ……なんか冷たい。
 なんとなく顔に日の光を感じ、目を開く。
 すると、一緒に寝ていたはずのラフタリアが部屋の隅で震えている。

「どうしたんだ?」
「ごめんなさいごめんなさい、ごめんなさいごめんなさい!」

 必死に謝罪の言葉を繰り返すラフタリアに俺は眉を寄せ、何故冷たいのか下を見て察した。
 そう……ラフタリアはおねしょをしてしまっていたのだ。

 はぁ……。

 俺が怒ると思っているんだな。
 10歳の子供がおねしょをするかは知らないが、そんな怯えた目をされては怒る訳にもいかないだろう。
 俺はラフタリアの元へ行く。
 そして手を伸ばすとビクっとラフタリアは頭を庇って丸まった。

「まったく……」

 その手で震えるラフタリアの肩を撫で。

「おねしょしたのならしょうがないだろ。ほら、急いで洗うから脱げ」

 予備の服も必要だな。

「え……」

 不思議そうな顔でラフタリアは俺を見つめる。

「怒らないの?」
「反省している奴に鞭を打ってどうする。お前が反省しているなら怒らない」

 シーツが汚れてるな。店主にどれくらい払えば良いか……とりあえず布として貰って置こう。
 それから俺は店主に事情を説明、シーツの弁償をし、武器屋に予備の服を買いに走った。
 井戸の水は冷たいが、洗濯板で染みを揉み、荷物袋に摘める。
 草原を歩いていく最中に枝に括り付けて乾かせばいいだろう。

「さてと」

 申し訳なさそうに歩くラフタリアになんとなくイライラしてくる。

「気にするなっての!」
「……はい」

 はぁ……素直な子なんだろう。
 でも、やる気が無いとこちらも困るのだ。
 ぐう……。
 またラフタリアのお腹が鳴る。
 あ、恥ずかしそうに顔が赤くしている。

「そろそろ朝飯にするか」
「うん……」

 俺の裾を掴みながらラフタリアは付いてくる。

「……コホ」
「じゃあ罰としてこの薬を飲め」

 治療薬を入れた器をラフタリアに渡す。
 病持ちだから、定期的に薬が必要なようだし、ちょうど良いだろう。
 匂いを嗅いで、すごく渋い顔をするラフタリアだったが、罰と聞いて飲もうと努力する。

「うわぁ……苦い……」
「我慢しろ」

 ゴクゴクゴク。
 飲みきったラフタリアは今にも吐きそうなくらい青い顔をしていた。
 ちなみに調合した薬類は良い値で売れた。品質が悪いが、枯渇気味だったらしい。
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