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盾の勇者の成り上がり 作者:アネコユサギ

盾の勇者の成り上がり

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ウェポンコピー

 その日の内に宿の納屋に停めていた馬車に入れてある道具から調合できる道具を盾に入れて調合のアイコンを弄る。
 とりあえずヒール丸薬に挑戦。
 ……1個だと作成時間は5分か。
 どうやら初級の他、中級を持っていると短縮されるみたいだな。

 5分後。
 ポーンという軽い音がして調合終了という文字が目の前に現れた。
 目利きで確認する。

 ヒール丸薬
 品質 普通

 材料に使った薬草の品質は悪いだから普通に調合すると……やや悪い程度だ。
 試しに良い同士を掛け合わせて見る。

 ヒール丸薬
 品質 普通

 ……あまり試していないが、どうやら品質が普通で固定されるみたいだな。
 となると作れる道具で材料が悪い物を調合させれば普通にまで品質を上げられる……のなら金儲けには良さそうだ。
 何より他の作業と同時に作れるのが強い。
 まとまった量を作ればLv上げと平行して作れるしな。
 ま、今のところ、女王がスポンサーとして援助してくれるようだから金銭の方は考える必要は無いか。

「ごしゅじんさまなにやってるの?」
「ん? フィーロか」
「うん」

 馬車で色々と試していると部屋にいるはずのフィーロが覗き込んでいた。
 フィーロは宿にいる時は基本的に馬車か部屋かのどちらかにいる。暇があると馬車の方へ来る感じだ。

「ごしゅじんさまじゃなかったら、フィーロの馬車で変な事をしている人を蹴ってる所だよー」

 怖い事をさらりと言う鳥だ。それ位警戒心がある方が安心できるが。
 何だかんだでフィーロは馬車を大切にしているからなぁ。毎日マメにフィーロは馬車の手入れはしている。
 潮風で金属製の馬車は錆びるかと思ったが、手入れのお陰で問題ない。

 むしろ以前の様に行商している訳ではないので、暇な時間が多い所為か綺麗過ぎる。
 鏡でもないのに光が微妙に反射している。どんだけ磨いているんだよ。
 まあ、フィロリアルにとって馬車は大切な宝物みたいだからな。夜に人の馬車で何かをしていたら泥棒を疑うか。
 尚、さすがのフィーロも修理はできない。
 どこかおかしい所があるとフィーロが騒ぐのでいつも俺が修理している。

「部屋に戻らないで馬車で寝るの? じゃあ一緒に寝るー」
「そんなわけ無いだろ、ちょっと調べ物だ」
「ふーん」

 さて、これから島に出張している武器屋にでも顔を出して……っと考えた所でもう直ぐ真夜中になる事に気付いた。
 ま、明日でも良いか。
 これから武器強化に勤しまなくてはいけないし、普通の盾を解放できるという期待が胸を膨らませる。

「お帰りなさいませ。どうでした? 収穫はありましたか?」

 部屋に戻ると待ちわびたかのようにラフタリアが俺に尋ねてくる。

「かなりの収穫だった。色々と試したいことも増えて忙しくなるだろう」
「それは良かったですね。明日から本格的なLv上げになるのですよね?」
「ああ、色々と……せねばならないがな」

 ついでにモンスターのドロップを確認して盾から出そう。
 武器っぽいのを落としていた魔物がいたはずだ。

「ちょっと下がっていろ」
「はい……?」

 ラフタリアが首を傾げながら下がるのを見てから、確認しながら剣を発見したので出してみる。
 盾からゴトンと音を立てて剥き身の剣が出て落ちる。

「わ!」

 ラフタリアが驚きの声を上げた。

「な、なんですか?」
「まあ……言うなれば魔物の落し物?」
「魔物がこんなものを落とすのですか?」
「さてね」

 えっと、元のモンスターは……ブラウンウサピルか。
 目利きで鑑定してみる。

 鉄の剣
 品質 普通

 まあ、雑魚だったからなぁ。

「ラフタリアの剣も大分ガタが来ているからな。最悪、その剣を使え」
「あ、はい。ありがとうございます……?」

 出所が謎の剣を手に持ちながらラフタリアはマジマジと剣を見つめる。
 フィーロが剣の匂いを嗅いでいる。

「ウサピルの匂いがするよ」

 すげぇ。良くドロップした魔物を当てられたな。
 さすがはフィロリアル。腐っても魔物だ。
 まあ良いや。とりあえず明日が楽しみだな。
 ドロップの整理をしつつ、適当に薬を盾に調合させて、その日は眠った。


 翌朝
 起きてから軽めに食事を取り、島に出張している武器屋を覗く。
 あるある。色々な盾が沢山。

「これ、ちょっと見ても良いか?」
「どうぞどうぞ」

 値札が高めなのは観光地独特の物価の高さだよな。
 とは思いつつ、これって冒険者業でも適応するのか。
 この島でどうやって金稼ぐんだ?
 妥当な所で魔物の収集品か? キワモノばかりだけど。
 マゼンタフロッグの肉とか料理に使われていたら嫌だな。
 そういえば買取商もこの島に居たっけ。後で尋ねてみるか、アクセサリー商の証文が役に立つ。

「ナオフミ様?」
「ああ、ラフタリアもフィーロもちょっと待っていてくれよ」
「はぁ……」
「ごしゅじんさま何するの?」
「待って居ろって」

 そう言いながらの壁に立てかけられている盾を持ち上げて取っ手を掴む。
 ビリッと言う振動と共に視界にアイコンが浮かんだ。

 ウェポンコピーが発動しました。

 アイアンシールドの条件が解放されました。
 レッドアイアンシールドの条件が解放されました。
 ピンクアイアンシールドの条件が解放されました。
 ホワイトアイアンシールドの条件が解放されました。
 ブラウンアイアンシールドの条件が解放されました。
 ブルーアイアンシールドの条件が解放されました。
 スカイアイアンシールドの条件が解放されました。
 etc……

 店売りの盾ってカラーバリエーションも含めて解放されるのかよ!
 そういえば最初のスモールシールドもカラーバリエーションで解放されていたな。装備ボーナスがステータス系だったから特に思い出しもしなかったけど。
 だが……この理屈だと些か疑問に思った事があるのだが……。
 バルーンシールドってあるのかな? あの魔物の盾が出ない。
 あの魔物はオレンジとレッドがいたからな。もしかしたらノーマルがいるのかもしれない。

 とりあえずこの店にある盾は同じように持ち上げて解放させた。
 ラウンドシールドにバックラーにナイトシールド、銅の盾、青銅の盾、鋼鉄の盾、銀の盾……皮の盾ってのもあった。なめした皮じゃ出なかった盾もあるんだな。
 どうも店売りの盾はカラー系が基本的に入るっぽい。
 だから持つたびに解放される盾が増えてきて、装備ボーナスの確認をしている暇が無い。

 まあ、大体がステータスアップ系だからそこまで問題は無いのだけど。
 あ、でもスキルもチラホラと出ている。全てを確認するには時間が掛かりそうだ。

「大体こんな所かな?」
「はい?」

 武器屋が首を傾げて俺を見ている。
 品揃えはそこまで良くないが、それにしても余るほどの盾が解放された。
 島でのLv上げが終わったら武器屋の親父の所にでも顔を出そう。親父ならもっと品揃えが良いだろうし。

「何かお決まりになりましたか?」
「ん? いや……」

 そういえばどう見てもゴミくさい武器が魔物のドロップに混じっていた。処分しておこう。

「少し待っていてくれ」

 店主に見えないように振り返って要らないと思った武器を数点取り出す。

「この武器を買い取ってくれないか?」
「おお、では査定させていただきます」

 少々疑問に思いつつ、武器屋の店主は俺が出した武器、青銅の槍、その他数点を受け取る。

「状態も良さそうですね……何か魔法の残滓がありますが……」

 やはり作った物とは違うのか。

「銘が入っていないので、少々買取金額が下がりますがよろしいですかな?」
「銘なんてあるのか」

 考えてみたらそうだよな。
 どこの工房の誰が作ったのかを入れておかないとダメだろうし。

「状態は良いのでそこまで下げませんからご安心を、しかし何処でこの武器を手に入れたのですか?」
「秘密だ」

 あまりに疑う深い奴だったら嘘でも言ってはぐらかすが、まだその段階じゃない。
 銘の無い武器か……?

「おや、良く見たら銘のような物が……これは盾を模したマークですね」

 そんなものがあるのか?

「どこかの鍛冶師が伝説にちなんで刻んだのでしょう」
「そういうのがあるのか?」
「ええ、遥か昔の文献にありますね。今でも時々居るのですよ。伝説の武器にちなんだ銘と称してこのようなマークを刻む職人が」
「はは、じゃあ、あんまり評価は高くないという所か」
「そうなりますね。質は本当に良いのですが、このような銘を刻むのはその道に入って浅い者でしょう」

 武器屋の店主も査定に困り気味だ。

「まあ、活性化が本格化している今のカルミラ島なら買ってくれる冒険者も居るでしょうから、銀貨20枚で買いましょう」
「分かった」

 他数点を武器屋の店主に渡し、合計銀貨90枚を得た。
 もっと早くドロップに気付いて居ればラフタリアの装備とかをもっと良く出来たのだけどなぁ……まあ気にしたらしょうがない。
 武器屋を後にしてから、盾をアイアンシールドに変えて、装備ボーナスを解放させるのを待つ。
 っと、アイアンシールドにはスキルが付いていた。

 アイアンシールド 0/10 C
 能力未解放……装備ボーナス、「シールドバッシュ」
 熟練度 0

 明らかな攻撃スキルだ、
 どんなスキルなのかちょっと楽しみだ。


「あの……その盾は、店で売っていたものに似ているのですが……」
「ああ、伝説の武器は店売りの武器とかを解放するにはその武器を持ってみないとダメらしい。良い盾があったら持たせてもらうだけで手に入る」
「という事は……なんか犯罪をしているような気がしてきます」
「万引きをしている訳では無いぞ、そもそも盾をコピーしますから、なんて店の奴に言えるか?」
「……そうですね」

 まあ、俺も微妙な気持ちにはなる。
 店内でマンガやゲームをコピーしてますって感じか?
 映画を上映しているのを撮影するのに似ているのかも。
 犯罪だよな。完璧に。
 だがここは異世界だし、伝説の武器を持っている奴なんてまず居ない。

 何よりこの世の中、騙された奴が悪い。
 そこまで言うつもりはないが、咎められる様な事でもない。
 他の三人もやっている訳だしな。

 些か言い訳染みているような気もするが……そう納得しよう。
 親父の店なら親父も喜んでコピーさせてくれるだろう。
 きっと他の勇者も最初は親父の店でコピーをしたはずだ。
 その分、ラフタリアの装備を親父の店で作ってもらえば良い。

「後は市場を覗いて見るか」

 元康と樹が説明した武器強化の鉱石が売っていないか確認するのもある。
 そういう鉱石が簡単に売っているのかというのもあるけど。


 結果的に言えば殆ど売っていなかった。
 辛うじて、リーシアがくれた鉱石が並んでいた程度だ。名前をプラニ鉱石。
 プラニ鉱石シールドの条件が解放されました。というのは最初に樹の強化方法を試した時だったか。装備ボーナスは防御力1だったな。
 残念なのはキメラヴァイパーシールドクラスの盾だと、別の鉱石が必要になるらしい。
 ヘルプを見ると説明されていた。

 強化に付いて
 強化は5などの分母の数まで行うことができます。但し、上限が高い武器の場合は希少な鉱石、素材を必要となります。

 で、この必要素材。どうも製鉄技能か何かで作らないといけない物もあるっぽいのだ。ただ、プラニ鋼と必要素材を指示されたので、調達は出来そうだ。
 本来、プラニ鉱石はかなり柔らかく、そして弾性もあって、金属に混ぜると付与を高める効果があるらしい。
 合金みたいなものか? 混ぜすぎるのはかえって悪いとか。

 樹の場合は弓にプラニ鋼を作らせて逐一強化しているのだろう。もしくは更なる上位の強化素材があるのか。
 製錬技能が役立ちそうだ。売っている鉱石を購入して技能で作るのを指示して置く。

「さて、それじゃあ行くとするか」
「はい」
「うん!」

 やっとちゃんとしたLv上げが出来る。
 何より強化された盾の効果も調べておきたい。
 期待は膨らむばかりだ。

「ほら、早く行くよ! わしゃあ体が疼いてしょうがないんじゃ。アチョー!」
「母さん。できればもう少し落ち着いて!」

「…………」

 何処かで聞いたような声が市場の方から聞こえて来た気がするが……振り向かないようにしよう。
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