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小説家になろう企画

白雪姫は死なない

作者:Y-ma
みなさん。白雪姫は幾度となく殺されています。現代では、グリム童話のようなブラックジョーク性は完全に廃され、白雪姫と王子様の愛の絆を彩っていますが、さて…見てみましょう
白雪姫と言う一人のうら若き姫君がいました。白雪姫は王妃になる日が待ち遠しくて仕方ありませんでした






「皺くちゃのママは、もうすぐ死ぬぞっ!もうすぐ死ぬぞっ!」






王家に生まれた白雪姫は、母である王妃の死を待てずにいたのです。白雪姫に死の概念はなく、ただ喜ばしいことだと信じてやまなかったのです






「何という無礼な子!!城から出て行きなさい!!」






とうとう王妃は白雪姫を城から追い出してしまいました。白雪姫はなぜそうなったかもわからず、神秘的な力の湧き出る森へと向かいました







「ルンルンルン♪楽しいな!楽しいな!神秘的な森は楽しいな!」






白雪姫は森に躊躇うことなく飛び込みました。白雪姫には恐怖心と言うものがないのです







「お家を見つけましたーっ」






白雪姫は森を小一時間歩き回り、やっと一件の家を見つけました。木で造られた大きなお家、白雪姫は嬉しさのあまり卒倒してしまいました






「目を覚まされよ。あなたは何故こんな場所に来たのでしょう?」







気を失っていた白雪姫を七人の小人があの木の家まで運んでくれたのです






「その言い振り…あなた達私を存じて…私を…私は誰でしょう…あなた達を知らない私は…誰でしょう…」






白雪姫の問い掛けに困惑する小人達、すると一人の小人が叫びました






「王妃だっ!あなたの母君の王妃があなたに何らかの罪を着せたに違いないっ!!おぞましい…」





その小人はさっと部屋から出ていきました







「鏡よ鏡…白雪姫は死んだかい?」






「まだ死んでいません」





その頃、白雪姫を無理矢理追い出した王妃は魔女に堕ち、呪いの鏡を使って白雪姫の命の安否を気遣っていました







「鉄砲の使えるものを呼びなさい!銃殺じゃっ!白雪姫を銃殺するのじゃっ!」







と言う王妃からの命を受け、一人の猟師が白雪姫の居る木の家に向かいました







「あなたは、どなた?」





やって来た猟師に警戒することもなく、白雪姫は戸を開けました。小人達は部屋の隅でワナワナと震えていました







「わ、私は…はぁ…あなたのような、うら若き貴女を私は一目見たくやって参りました」






猟師は王妃の気が触れていることを目の当たりにし、しかし忠義も担ぐと言う意味で猪の肝臓を王妃に差し出しました







「こいつは旨そうだ…後百年は長らえる」





猟師の差し出した猪の肝臓は、王妃には白雪姫の肝臓と伝え、猟師はこれで良しっと思いました








「鏡よ鏡…白雪姫は死んだかい?」








「まだ死んでいません」







唖然とした王妃は猟師を呪い殺し、魂を喰らいました。やがて猟師の感覚が手伝い、王妃は自ら、売り子として白雪姫の元を訪ねました







「この腰紐をお召しなさい。きっとお似合いだ…ヒヒッ」







売り子に扮した王妃は、白雪姫に腰紐を売りつけました






「ありがとう…でも、要らないわ」








断られた王妃は、我を忘れ白雪姫の首を腰紐で締め上げ、殺してしまいました







「あわわわわ…白雪姫が魔女に殺された…嘘だ。早く白雪姫の首に巻き付いた腰紐を解こう」







小人達が一生懸命、白雪姫の首に巻き付いた腰紐を解くと、白雪姫は目を覚ましました







「小人さん達ありがとう。私は無事よ」








小人達は安心しました








「鏡よ鏡…白雪姫は死んだかい?」






「まだ死んでいません」







相変わらず鏡で占う王妃は、死んでいない白雪姫に異様なまでの怒りを抱きました







「白雪姫や?私だよ?お母さんだよ?さぁ、この櫛で髪を解きなさい」






またもや売り子に扮した王妃は、白雪姫がすべて忘れていると思い、正体を明かし、櫛を売りつけようとしました





「いいえ…お母様、櫛など要らないわ」






白雪姫は首を横に振りました







「きえーっ!この毒入りの櫛で死ねー!!」







毒入りの櫛を頭に突き刺された白雪姫は死にました








「あわわわわ…白雪姫がまた魔女に殺された…櫛を引っこ抜いて白雪姫を助けよう」







小人達は一生懸命、白雪姫の頭に突き刺された櫛を引っこ抜きました








「小人さん達ありがとう…また助けられたわね」






小人達は白雪姫の笑顔に心癒されました







「鏡よ鏡…白雪姫は死んだかい?」






「まだ死んでいません」






一方、魔女となった王妃は、鏡を怒りのあまり叩き割りました







「神話…おそらく、白雪姫はドワーフに愛されている。リンゴに毒を仕込もう。それで白雪姫は死ぬ…ヒヒッ」







王妃は遂に白雪姫が小人と戯れる場に現れました





「お母様…一体どういった心当てで来られたのですか?恥をお知りになられて下さい」







強気な白雪姫ではありましたが、それも王妃の思惑通り、王妃は卑屈な笑みを浮かべました







「ヒヒッ…白雪姫や。お詫びの印だよ?このリンゴをお食べなさい…」







リンゴを見るなり小人達は、ワナワナとどよめきました






「や、止めなさい白雪姫。ドワーフはこれ以上は踏み込めない…食べないで!!」







小人達が何を恐れているやら、白雪姫は安心させようと、王妃からリンゴを奪い取り一齧りしました







「アーハッハッハッ!!白雪姫敗れたり!!無知故の強さ…これ然り」





白雪姫はリンゴの毒にやられ、絶命しました






小人達は白雪姫を森の一番美しい場所に葬りました







「ん?なんだその人形は?美しいじゃないか?生きていれば妃にしたい」






そこへ通りかかった一人の男性は王子様でした







「王子様…こりゃ奇遇だ。この白雪姫を貰ってやってくれ、ドワーフにはもう手の打ちようがない…」







王子様は小人達の切なる思いを真摯に受け、白雪姫に口付けをしました






「ありがとう…私はあなたをずっと待っていた気がするわ…魔女を退治しないと…」






王子様の馬に乗り、今度は白雪姫から王妃の元へ向かいました。そして白雪姫は城に巣喰う魔女に、真っ赤に燃える鉄の靴を履かせ、誰も居ない舞踏場で絶命するまで踊らせました







「王子様…愛しています」









いかがでしたか?ハッピーエンドとはいきませんよね。悪夢のようなものです。お読みいただきありがとうございました

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