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サンタに萌えを求めてみよう
作:怠惰



ケース1



 あーもう、またこの時期が来たのね……まったく、面倒だわー。なんで見ず知らずの子供の為にプレゼントなんて用意しなくちゃいけないのかしら。
 え? 何よ、うるさいわね。そんな事分かってるわよ。仕事なんだから手を抜くなんてことする訳無いじゃない。トナカイはトナカイらしく黙って橇を曳いてればいいのよ。
 しかし今の子供たちときたら、プレゼントにゲームソフトだのマンガだの、つまらないものばっかり頼むのね。子供らしくバットとボールでも持って外で遊んでなさいってのよ、まったく。
 あ、トナカイ、そこの家よ。そう、青い屋根の。子供部屋は一階らしいから裏庭から回りなさい。そう、オッケー、おまえにしては上出来だわ。
 それじゃプレゼントを置いてくるから大人しく待ってなさい。騒いだら角をへし折って土産屋に売るわよ。



 ……部屋の中は随分おもちゃが散らかってるわね、ちゃんと片付けなさいよ。親のしつけがなってないわ。
 子供は……うん、よく眠ってるわね。それじゃ失礼して、と。よいしょっ!
 ……壁抜けも問題無し。煙突のある家が少なくなったからわざわざこんな技術まで身につける必要も出て来て、サンタ稼業も面倒になったわね。
 さて、この子の願いは、と。どれどれ……ふーむ……。
 ……『サッカーボール』かしら……あら、上に何か乗ってるわね。
 ……『お母さんの手袋』? なんでそんなものを……。
 ……『貧乏』……『毎日の仕事』……『かさかさの手』……。
 ……はぁ、成る程。そういう事ね。
 ……いいわ、その願い、叶えてあげる。手袋でいいのよね?
 でも、大人用の手袋なんてどこに仕舞ったかしら。底の方を探した方がいいわね。
 ……まったく、探すのに邪魔だわ、このボール。ちょっとそこに置いておきましょう。
 ……ん、やっと見つけた。どうせ使い道もないだろうし、ついでにこの耳当てとマフラーも押し付けちゃえ。
 よし、仕事終了、と。次の家に早く行かなくちゃ。
 ……時間もないし、仕舞うのも面倒だからボールは放っておきましょ。



 あー、疲れた疲れた。子供の頭の中なんて覗いたって面白くないわね。幼稚過ぎてあほらしくなるわ。
 ん? なににやけてんのよ。優しい? な、何の事よ?
 …………、〜〜〜〜っ!! う、うっさいわね! べ、べ、別にあれは使い道の無いものを処分しただけよ! そう、袋が重くなるし!
 変わるわよ! 布切れ一枚だって私にとっては十分重荷なの! ああもう、さっさと次行くわよ次!


〈ケース1 ツンデレサンタ〉



こんな感じの話が続きます。宜しければ続けてどうぞ。













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