お稲荷さまの秘め事!(70/135)PDFで表示縦書き表示RDF


 ここまでの秘め事は!
 歓迎されたかと思えば、なんとロミオは一行の血を奪おうとしていたのだ!
 愛人のジュリエッタは、今のロミオを悲しい気持ちで見ているようだ。
 それに気づいたロミオだが、その時、革命の魔術師が現れた!
お稲荷さまの秘め事!
作:俺とキルマシーン



70ページ目!革命の刻、来たる……!


 唖然とした表情のまま、立麻は硬直していた。
 が、瞬間、白の方を振り向いた。得体の知れない何かに恐怖したような、驚愕の眼差しを向けた。
 白は、寝ていた。心身共々、疲れてしまったのだろう。
 立麻は、安堵に息をつく。
 そして、ロミオと鈴鳴の二人に告げる。

「今、言ったことは、白には言わないでくれ」

「なぜアルか? 事実を知らせないと、騙されたままになってしまうヨ」

 立麻は、真っ直ぐな眼差しと声を向けた。

「白にとっての魔天老は、育て親と同じなんだ。
 仲間も故郷も失って、更に育て親にまで裏切られたなんて知ったら、どうにかなっちまう。
 だから、今は、黙っていてほしい」

 立麻は重苦しい面持ちをしていた。悲しみはある。が、怒りの方が何倍にもあるだろう。
 何故なら、爪が食い込むくらい、強く、拳が握り締められていたからだ。

「……そうアルね。様子を見て話すほうがいいネ」

「すみません……」

「アンタが謝る必要はねーよ。魔天老が悪いんだから」

 立麻はロミオに、優しく、けれど、辛辣な形のある笑みを向けた。歯をニカッと見せながら。

「つっても、魔天老だけが悪いわけじゃないぜ。形はどうあれ、アンタも手を貸したんだから」

「そうアルよ。罪は罪ネ」

 ロミオは、二人に対し頭を下げた。

「……なんで、ジュリエッタがオマエの事を忘れてしまったか分かるアルか?」

 一変し、鈴鳴は優しい口調で語り掛けた。

「昔のように、命を大切にしないからアルよ」

「はい……」

 だから――、と鈴鳴。

「昔のように、命を大切にするアルね」

 その言葉は、ロミオの心を少しだけ軽くしたのかもしれない。
 しかし、ロミオは衰弱しきった表情のままだった。

「戻ったところで、私の犯した罪は消えませんから……」

 そうだ――、と野太い声が。
 その声は、その場にいる者の声ではなかった。
 瞬間、強大なる魔力が、全員に重々しく襲いかかる。

「分かってるじゃねェか。手前の罪は消えねェよ。
 消えるのは、手前の命だ。Dr・ロミオ」

 外套が揺らめく。
 三日月のように吊り上がった口元。
 手が、解読困難な文字で形成された紋章が描かれた手が、ロミオの頭を触れていた。
 紋章が、赤く点滅する。
 赤い光が点滅する中、衰弱しきった表情を見せていたロミオが、微かに笑った。
 立麻と鈴鳴が、ロミオに元に駆け寄ろうとした瞬間、

「革命を邪魔した罪……手前の命で償いやがれ!!」

 赤き光は絶頂に達した。
 鼓膜をつんざく爆発音が轟く。焦臭いニオイが充満する中、頭上より鮮血の雨が降り注ぐ。
 バタッ、と爆煙の中より、頭部が真っ黒に炭化したロミオが倒れ落ちてきた。












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