65ページ目!仲間のフリした敵!
「今のって……どういうことだ?」
白が傍らで首を縦に頷かせていた。
「どうもこうもないヨ。言葉の通りネ。つまり、ジュリエッタに事実を受け止めてもらうってことアルよ」
機能停止。
立麻と白の二人が固まってしまった。
鈴鳴は二人に向けて金槌で打つ真似をする。
と、まるで氷の中から解放されたかのように二人が動き出す。
「鈴鳴は、あの声の一番の被害者じゃろう?」
「だからといって、この問題を解決しないとなると、神隠しの真実が報告できないアルよ」
「神隠しの真実って……神隠しはロミオがやったんだろ?」
鈴鳴は溜め息をついた。
「やったのは確かだろうけど、本人の口から直接聞いてない。いくらワタシ達が言っても本人が知らばっくれたら意味ないヨ」
なるほど、と白が頷く。
ロミオはまだ寝たままだ。
「要は、神隠しの真実を知るためには通らざるを得ない点があるってことか」
鈴鳴は指を三本立てた。
「一つ目は、人間を必要とする理由。
二つ目は、人間を使って何をするのか」
二本の指を下ろしたところで、三本目の指をゆっくりと下ろす。
そして、
「最後。この問題はロミオ自らが進んで行ったことなのか」
二人は疑問符を浮かべたような表情をする。
「いや、ロミオがやったからこうなったんだろ?」
「うむ、立麻の言う通りじゃ」
鈴鳴は、ロミオの顔を窺い、再び二人の方を向いた。
疑心の込められた声で、
「どうアルかねー……。ワタシはロミオから進んで行ったとは思えないネ」
一つ間を空けて、
「考えても見るネ。人の命を大切に扱うロミオが、なぜ、急に人が変わってしまったアルか?」
そう口にした。
立麻と白は眉を八の字にしながら悩んでいる。
「たぶん、ジュリエッタのためなんじゃないか?」
「うむ、ジュリエッタからは生気を感じぬ。それが何か関係してるのかもしれん」
鈴鳴は深々と首を頷かせる。
「恐らく、理由や目的はジュリエッタに関係することだろうネ。
だけど、どんな目的であろうと、あんなにまで愛を誓った者を裏切らせてまで動かした“何か“とは何アルか?」
何か。
立麻と白の二人は揃って、そう呟いた。
そして、鈴鳴は立ち上がり、
「“誰か“が、オマエを動かしたからではないか。――そうだろう? ロミオ」
ロミオの方を振り向いた。
ロミオは寝ていた。が、
「ふふふ……」
それは、寝たフリをしていただけだった。傍聴していたのだろう。
ロミオはベッドから跳び上がり、鈴鳴を指差す。
体が、顔が、目が肉迫する。
「いい読みをしている。が、全てが解った訳ではあるまい」
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