63ページ目!古城の決戦!ファイナルラウンド!
音もなく、刃は鈴鳴の首を喰らい、深く抉っていった。
血管を切った感触はないが、肉を切った感触はある。
しかし、それも微々たるもので、感触はないようなものであった。
ゆっくりと刃がスライドし、抜かれ、一気に血飛沫が噴射された。
「まあ、血が手に入らなかった損失はあるが、私の計画にミスが生じるよりはマシだ」
「――それはつまり、ワタシを高く評価してくれてると見ていいアルか?」
深い濃霧の中、首を切られたはずの鈴鳴の声が聞こえた。
「どういうこと……」
同時にバチバチと炸裂音が響いている。電流の音だ。
ロミオは見た。僅かな隙間から写るその光景を。己の武器が仲間を――マリーを襲った姿を。
鈴鳴は二人の間にいた。身を低くしながら。
そして、その手には十本の釣糸のようなものが張っていた。
「オマエは、自分の武器を少しも活かせてない。
その武器は、中距離で使われて初めて絶大な威力を発揮する。
何故なら、短距離や遠距離では対象に刃が当たらないカラね」
鈴鳴はその場から動けなかった。攻撃を食らわずとも彼女の体力は限界に達している。
「――Dr,ロミオ。オマエの敗因は二つある。
一つは、自身の戦闘経験の不足。もう一つは、仲間を道具のように扱ったことだ」
十本の指に繋がれた十本の釣糸。その糸は首が縫合された、マリーの頭と心臓に繋がっていた。
「道具の痛みを知るネ……!」
(もう、ワタシの力では戦えナイね。少しだけ力を貸してくれ)
十本の釣糸に電流が走る。
微弱の電流はマリーの細胞を刺激し、スイッチが変わる。
――電脳療法!
スイッチが変わったことにより、鈴鳴はマリーのコントロールを得た。
そして、鈴鳴は信号を送る。
魔術詠唱の信号を。
(届け――――パラベラム・フレアレイ!)
マリーは無意識の内に手を前に掲げ、やがて、その手を赤い光が包み込み、それは無数の光線状となり、眼前で待機する。
鈴鳴は少し離れた場所から、最後の命令を下す。
たった一言。
「放て」
無数の赤い光線が一斉に飛び、音速の速さでロミオの体を射貫く。
冥王の遊具を盾にしたおかげで多少は防げたようだが、ロミオはその場に倒れた。
同時にマリーは消えた。
そして、鈴鳴はミスリルが底をつき、倒れた。
城の頂。
同時刻、吸血鬼達の動きが止まった。
荒い息遣いをした立麻と白の二人。
「終わったの……じゃな?」
立麻は風の鎧を解く。
「そう、みたいだな」
吸血鬼達。いや、美女達がざわめく最中、立麻と白はその場にぶっ倒れた。
ゴチン、と頭をぶつける。
頭をぶつけたのに、何故か、笑い合っていた。
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