お稲荷さまの秘め事!(63/135)PDFで表示縦書き表示RDF


お稲荷さまの秘め事!
作:俺とキルマシーン



63ページ目!古城の決戦!ファイナルラウンド!


 音もなく、刃は鈴鳴の首を喰らい、深く抉っていった。
 血管を切った感触はないが、肉を切った感触はある。
 しかし、それも微々たるもので、感触はないようなものであった。
 ゆっくりと刃がスライドし、抜かれ、一気に血飛沫が噴射された。

「まあ、血が手に入らなかった損失はあるが、私の計画にミスが生じるよりはマシだ」

「――それはつまり、ワタシを高く評価してくれてると見ていいアルか?」

 深い濃霧の中、首を切られたはずの鈴鳴の声が聞こえた。

「どういうこと……」

 同時にバチバチと炸裂音が響いている。電流の音だ。
 ロミオは見た。僅かな隙間から写るその光景を。己の武器が仲間を――マリーを襲った姿を。
 鈴鳴は二人の間にいた。身を低くしながら。
 そして、その手には十本の釣糸のようなものが張っていた。

「オマエは、自分の武器を少しも活かせてない。
 その武器は、中距離で使われて初めて絶大な威力を発揮する。
 何故なら、短距離や遠距離では対象に刃が当たらないカラね」

 鈴鳴はその場から動けなかった。攻撃を食らわずとも彼女の体力は限界に達している。

「――Dr,ロミオ。オマエの敗因は二つある。
 一つは、自身の戦闘経験の不足。もう一つは、仲間を道具のように扱ったことだ」

 十本の指に繋がれた十本の釣糸。その糸は首が縫合された、マリーの頭と心臓に繋がっていた。

「道具の痛みを知るネ……!」

(もう、ワタシの力では戦えナイね。少しだけ力を貸してくれ)

 十本の釣糸に電流が走る。
 微弱の電流はマリーの細胞を刺激し、スイッチが変わる。

 ――電脳療法(カルチャーショック)

 スイッチが変わったことにより、鈴鳴はマリーのコントロールを得た。
 そして、鈴鳴は信号を送る。
 魔術詠唱の信号を。

(届け――――パラベラム・フレアレイ!)

 マリーは無意識の内に手を前に掲げ、やがて、その手を赤い光が包み込み、それは無数の光線状となり、眼前で待機する。
 鈴鳴は少し離れた場所から、最後の命令(ラストオーダー)を下す。
 たった一言。

「放て」

 無数の赤い光線が一斉に飛び、音速の速さでロミオの体を射貫く。
 冥王の遊具を盾にしたおかげで多少は防げたようだが、ロミオはその場に倒れた。
 同時にマリーは消えた。
 そして、鈴鳴はミスリルが底をつき、倒れた。


 城の頂。
 同時刻、吸血鬼達の動きが止まった。
 荒い息遣いをした立麻と白の二人。

「終わったの……じゃな?」

 立麻は風の鎧を解く。

「そう、みたいだな」

 吸血鬼達。いや、美女達がざわめく最中、立麻と白はその場にぶっ倒れた。
 ゴチン、と頭をぶつける。
 頭をぶつけたのに、何故か、笑い合っていた。












ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう