お稲荷さまの秘め事!(59/135)PDFで表示縦書き表示RDF


お稲荷さまの秘め事!
作:俺とキルマシーン



59ページ目!吸血鬼達との決戦!ラウンド2!


 ドカン! と城内に爆発音が轟く。今度こそ魔術が激突した音のようだ。
 立麻と白の二人は、こじ開けた抜け道から下を覗く。
 吸血鬼達がご自慢の両翼を羽ばたかせながら、こちらに向かって来ている。
 立麻は大気を片手に集中させ、こじ開けた抜け道に向かって投げ込んだ。
 刃のように鋭い突風を避けるために、吸血鬼達はやむなく散開する羽目に。

「これで集団で襲撃される心配はなくなったな」

 ボカッ! と白は立麻を殴る。
 立麻は殴られた所を擦りながら、

「ってて……こら! 白! テメェいきなり何しやがる!」

「立麻の阿呆! 散開させたら白達が不利になるだけじゃろうが!」

「あっちのが数は圧倒的に上なんだぜ? 散開させたほうが相手の作戦も崩れていいじゃん」

 ボカッ! と再び立麻を殴る白。しかも、同じ所を狙うという確信犯っぷりを見せた。

「その言い分だと、この抜け道がただの逃げ道だと思っているようじゃが、違うぞ」

「えっ、そうなのか?」

「当たり前じゃ! 言うたじゃろ? 逆転の発想じゃと」

 白は立麻と背中合わせになる。

「確かに、あの集団を二人で相手するのは厳しいが、それは挟み撃ちにされた場合の話じゃ」

「どういうことだよ?」

 白は弧月を抜刀し、万全に対応出来るよう構えて、凛とする。

「奴らの魔力そのものは立麻より劣っている。奴らは心理的に敵を追い込んでから、一気に畳み掛ける作戦を立てているのじゃ」

 城内を駆け巡る吸血鬼達。

「つまり、その作戦さえさせなければいいだけの話。
 じゃから、逆に白達を挟み撃ちにするという相手の心理を利用して、この一方通行の抜け道に誘き出せば、一気に片付けられたのじゃ」

 パキン! と窓が割れる音が左右から響き渡る。
 毒々しい濃霧が、そこだけ晴れた。
 立麻と白の目線の先だけが。
 双方に散った吸血鬼達。その両翼が濃霧を晴れさせている。

「俺より魔力が劣っている?」

 立麻は重々と確認する。

「そうじゃ」

 立麻の目つきが変わった。不気味に口を吊り上げながら微笑む。

「何だよ。それさえ分かっていりゃ、怖くも何ともねえじゃねーか」

「どういう……こっ、!?」

 瞬間、立麻の体の周りに大気が吹き荒れた。
 そう、それはまさしく、今さっき白が使った魔術。
 自分の身を対象とした、風の魔術だった。
 それは、常軌を逸脱した力となり、身体能力を爆発的に上昇させる。

「どうもこうもねーよ」

 立麻は、吸血鬼達に向かって駆け出した。

「戦う! ただ、それだけだ!
 ――来いよ。吸血鬼の美女さん方よ!」












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