59ページ目!吸血鬼達との決戦!ラウンド2!
ドカン! と城内に爆発音が轟く。今度こそ魔術が激突した音のようだ。
立麻と白の二人は、こじ開けた抜け道から下を覗く。
吸血鬼達がご自慢の両翼を羽ばたかせながら、こちらに向かって来ている。
立麻は大気を片手に集中させ、こじ開けた抜け道に向かって投げ込んだ。
刃のように鋭い突風を避けるために、吸血鬼達はやむなく散開する羽目に。
「これで集団で襲撃される心配はなくなったな」
ボカッ! と白は立麻を殴る。
立麻は殴られた所を擦りながら、
「ってて……こら! 白! テメェいきなり何しやがる!」
「立麻の阿呆! 散開させたら白達が不利になるだけじゃろうが!」
「あっちのが数は圧倒的に上なんだぜ? 散開させたほうが相手の作戦も崩れていいじゃん」
ボカッ! と再び立麻を殴る白。しかも、同じ所を狙うという確信犯っぷりを見せた。
「その言い分だと、この抜け道がただの逃げ道だと思っているようじゃが、違うぞ」
「えっ、そうなのか?」
「当たり前じゃ! 言うたじゃろ? 逆転の発想じゃと」
白は立麻と背中合わせになる。
「確かに、あの集団を二人で相手するのは厳しいが、それは挟み撃ちにされた場合の話じゃ」
「どういうことだよ?」
白は弧月を抜刀し、万全に対応出来るよう構えて、凛とする。
「奴らの魔力そのものは立麻より劣っている。奴らは心理的に敵を追い込んでから、一気に畳み掛ける作戦を立てているのじゃ」
城内を駆け巡る吸血鬼達。
「つまり、その作戦さえさせなければいいだけの話。
じゃから、逆に白達を挟み撃ちにするという相手の心理を利用して、この一方通行の抜け道に誘き出せば、一気に片付けられたのじゃ」
パキン! と窓が割れる音が左右から響き渡る。
毒々しい濃霧が、そこだけ晴れた。
立麻と白の目線の先だけが。
双方に散った吸血鬼達。その両翼が濃霧を晴れさせている。
「俺より魔力が劣っている?」
立麻は重々と確認する。
「そうじゃ」
立麻の目つきが変わった。不気味に口を吊り上げながら微笑む。
「何だよ。それさえ分かっていりゃ、怖くも何ともねえじゃねーか」
「どういう……こっ、!?」
瞬間、立麻の体の周りに大気が吹き荒れた。
そう、それはまさしく、今さっき白が使った魔術。
自分の身を対象とした、風の魔術だった。
それは、常軌を逸脱した力となり、身体能力を爆発的に上昇させる。
「どうもこうもねーよ」
立麻は、吸血鬼達に向かって駆け出した。
「戦う! ただ、それだけだ!
――来いよ。吸血鬼の美女さん方よ!」
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