54ページ目!ジュリエッタvs鈴鳴!ラウンド4!
体内のミスリルが鼓動する。
脳内に浮かぶイメージ。
風が黄金色の麦畑を揺らす。
雲海の空に雷鳴轟く。
突然の嵐で麦畑が全滅する。
鈴鳴の手に風雷穿槍が姿を現し出した。が、二メートルもの長さを生成させるのは時間的にかなり消費してしまうようだ。
十八もの火球の礫が鈴鳴の体に直撃――鼓膜を劈く爆発音が物静かな廊下に轟く。
立ち込める白煙。ジュリエッタをゆっくりと二階へと下りてきた。
が、その時だ。
白煙の中から槍が飛んできたのは。
ジュリエッタに傷は付かず、白衣を射貫いて無理やり引っ張り上がらせた。
壁に押し付けられるジュリエッタ。白煙の中より現れし鈴鳴。己の体に付き纏う白煙を振り切り、段差を一気に飛び越し、肉迫する。
抵抗する様子がないジュリエッタの首元に手刀が食い込む。
壁に強く押し付け、身動きを完全に封じた。
鈴鳴の額から血が流れる。両足と左腕は爆発にやられたようで、酷く痙攣している。
血走ったその眼でジュリエッタ睨みつける。
乱れる呼吸を制御しながら、
「ハァ……何が、ハァ……目的アルか?」
ジュリエッタは何も答えなかった。それどころか苦しむ様子すらない。まさに無気力無機質と言った感じだ。
「早く……答え……!?」
しかし、その時、ジュリエッタの瞳から一筋の涙が伝っていた。
そこは、とある研究室。
妖艶の照明が怪しく灯るその部屋は狭く、どこか牢獄を連想させる構造をしている。
しかし、外部から中が見られることはない。
鋼鉄の壁が周囲を頑なに閉ざしているからだ。
狭っ苦しいその部屋の七割以上が半透明な筒状の入れ物で占めている。それも人一人入るくらいの大きさだ。
というより、人一人が実際に入っているのだが。
その部屋の床はコンセントが複雑に絡んでおり、まるで蛇の巣窟にいるような錯覚を感じる。
どうやらそれが半透明な筒状の入れ物のコンセントとなっているようで、妖艶の照明はそれから発せられているようだ。
唯一残った二割のスペースに設けられた三つの手術台。
そこに、立麻と白が寝ていた。否、寝かされていた。
ロミオが機嫌良く歌うように何かを口にする。
「もう少し、もう少しで戻してあげるからね。我が信愛ジュリエッタよ」
ロミオの瞳から一筋の涙が伝った。
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