48ページ目!お稲荷さまと神隠し!?
深い森を抜けた先には、墓場のように物静かな村があった。
木柱が釘打たれ造られた壁が四方を囲み、出入口側だけが開いている。
村の奥まで木造一階建ての家がズラリと並んでおり、その奥には古城が不気味に頭角を現していた。
古びた鉄の柵が城の回りを囲み、それらは煉瓦によって頑丈に固定されていた。
城の外見を見る限りでは、子供達がお化け屋敷にでも使いそうな、そんな怪奇現象の一つは起きてもおかしくない雰囲気がある。
まったく不気味な村だ。
しかも、ここ周辺に漂う深い濃霧のせいで、それらがより一層際立って見えるのだから、そういう雰囲気を感じてもおかしくないだろう。
出入口の前でポツンと立つ一行。
「なぁ、今回の目的も自然災害みたいなのか? この霧とか」
「今回は違う。この国では、神隠しの正体を突き止めるのが目的じゃ」
とりあえず中を進んでみることにしたようだ。
今にも壊れそうな床の上を歩くように慎重に歩を進める。
「神隠しってなんだ?」
と、質問するのは立麻。
その問いには鈴鳴が答えた。
「神隠しは、急に人などの行方が分からなくコトね」
「つまり、この国では人が立て続けに行方不明なっているってことか?」
「うむ。それもそうなんじゃがな」
白は村全体を壮観する。
霧深く包まれた村。冷気のような質感を持った霧が家を抜けていく。まるで幽霊のように。
「――見つかった時には、既に死んでいるのじゃ」
死んでいる。
その言葉に息を呑む立麻と鈴鳴の二人。
鈴鳴も任務の内容については何も聞かされていないので、立麻と同じ反応をするのも無理はないだろう。
白は悲痛な思いを表情に乗せる。しかし、吐気を感じるような嫌悪感も同時に乗せて話す。
「しかも、解剖されて中身が取り除かれた状態で発見されるんじゃ」
立麻は、怒りを露にするように拳を強く握り締めた。
八重歯を強く食いしばる。
「――ッ、何だよ! それ! 人の命を何だと思ってやがるんだ!」
「毎回ほぼ似た状態で発見されていると報告されているから、恐らく同一犯の可能性が高いじゃろうな」
「同じ人間がしていることとは思えナイね」
と、そこに白衣姿の一人の男が現れた。
二メートルは軽く越す長身。減量したボクサーを連想させる細身の体型。
不潔なイメージをもたらすボサボサな金髪。純粋な金色ではなく薄いクリーム色の髪だ。
何重にも重なった隈。遠目で見れば、睨みつけているのように見える。
その男は紳士に、頭を深く下げる。
一行は何故か圧倒されていた。
「ようこそ、闇の国へ。魔天老様からご報告は受けております。
――と、申し遅れました。
私は、この国で医者をやっている。Dr,ロミオと申します」
随分と演技臭い声で挨拶をされた。これが地声なのだろうか。
「どうぞ。城へご案内します」
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