お稲荷さまの秘め事!(43/135)PDFで表示縦書き表示RDF


お稲荷さまの秘め事!
作:俺とキルマシーン



43ページ目!魔術の使い方!応用編!


 立麻と白と鈴鳴の三人は、闇の国へと近づいていた。
 深き森を漂う霧は国に近づく程に色を濃くしている。
 毒々しい濃霧は三人の行く手を阻んでいた。

「……うむ、霧が濃くなってきたのう。少し様子を見て引かないようなら、今夜はここに泊まろう」

「ここに泊まるって……こんな墓みてーな場所にか!? 出るぞ! 絶対に何か出る!」

 と、鈴鳴はスタスタと先を歩いていた。
 白は鈴鳴の肩を押さえる。

「こら! 勝手に動くではない!」

 サッ、と、鈴鳴は紙切れのようなものを出してきた。
 霧がかかって見えづらいが、それは紙幣のようだ。
 にやり、と、卑屈に笑みを浮かべる。

「万が一の備えは必要アルよ。ワタシはこれで泊まらせてもらうよ」

 さっ、と、白は紙幣を奪う

「元はと言えば、鈴鳴が襲ってきたのが悪いのじゃ! これは全員で遣うべきじゃ!」

 さっ、と、鈴鳴はそれを奪い還す。
 慌てて白もそれを掴む。
 白と鈴鳴の間に紙幣の橋が繋がれた。

「その手を離すね」

「そっちこそ!」

 引っ張ったり引っ張っり返されたりと、醜いやり取りを続ける二人。
 しかし、そう長々と続けさせるわけがなかった。
 コツン、と、二人の頭に向けて立麻は軽く拳を落とす。
 二人とも雷に怯える子供のように縮こまってしまった。

「揉めてる暇があったら霧の薄い場所を探せ。――霧が濃くなってきやがった」

 薄気味悪い霧だ。人に嫌悪感を抱かせる。

「霧なんか一瞬で晴れさせてヤルね」

 と、やけに自信あり気にそう口にしたのは鈴鳴だ。

「どうするつもりだ?」

「ワタシのミスリルは自然の力を倍化する力ね。
 風雷穿槍は人体に流れる微弱の電気と槍を振ったと同時に流れる風で作ったものよ。
 ――これと同じ原理でやれば、霧を晴らすくらいの風は楽に起こせルね!」

 ポカーン、という効果音が似合いそうな間抜けな面を立麻と白の二人はしていた。
 その反応を鈴鳴は勘違いして捉えた。

「どうしたね? ワタシの天才っぷりに声も出ないアルか?」

 いやいや、と、立麻と白の二人はご丁寧に手を横に振るう。

「お前、もうミスリル切れたじゃねーか」

 空白の間が空く。
 数秒後、雷を撃たれたような衝撃が鈴鳴の中に走った。
 とりあえず気を取り直して、

「では、お前がやってみるとイイ」

 立麻にやらせることに。

「相棒はミスリルが切れてるようダカラね。残ってるのは、お前ダケよ」

「別に構わないけど、風を起こす材料はどこにあるんだよ?」

 鈴鳴は呆然とした表情で立麻を見る。

「……お前、ワタシの話聞いてなかったアルか?」

 立麻は疑問符を浮かべたような表情をしていた。
 鈴鳴は悩まし気に頭を抱えて溜め息をつく。

「“固体“だけが材料ではナイね。気体や液体だって立派な材料よ。魔術は、手短な材料でいかに具体的に想像できるかが鍵よ」












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