お稲荷さまの秘め事!(21/135)PDFで表示縦書き表示RDF


お稲荷さまの秘め事!
作:俺とキルマシーン



21ページ目!火の民族は見捨てられた?


 アカは寝ていた。傍には立麻と白の二人が寄り添っている。
 今でこそ安静な状態でいるアカだが、数分前までうなされた状態だった。
 立麻も白も神妙な面持ちでアカを見下ろしている。

「……何か訳ありみたいな感じだったな」

「実際に訳ありなのじゃ」

 立麻は鋭い目つきで白を見た。

「どういうことだよ?」

 白は深呼吸をし、身心共々落ち着かせてから、ゆっくりと口を開いた。

「これは、魔天老様の情報なのだがな――」

 真っ直ぐな目で立麻を見る。

「“ある儀式“が行われているそうなのじゃ」

「ある儀式?」

 うむ、と軽く相槌を打つ白。
 途切れた会話の間に打つ雨は、物静かな空気を崩していた。

「雨を止める儀式じゃ」

「あ、雨を止める儀式!?」

 思わず間抜けな声を上げる立麻。その声のせいなのか、アカを頭痛に悩まされながら起き上がった。
 白はアカの両肩を支える。

「すまぬ。お主を驚かせるようなことをしてしまって」

 アカはおしとやかな口調で返す。

「いえ、こちらこそすいません。ご来客様を前にしてあんな声を上げるなんて……」

「構うことはねえよ。もとはと言えば勝手に家に入ったこっちが悪いわけだしな。――俺は立麻、で、コイツがシロ」

「だからシロじゃのうて、(びゃく)じゃ!」

 白はピンッと尻尾を吊り上げた。
 クスクス、と小動物のように小さな笑い声が聞こえた。その声はアカによるものだった。
 アカが口元に手を押さえてお上品に笑っていた。立麻と白は疑問符を浮かべたような表情をしている。
 そして、アカは気づく。二人の視線に。

「あ、ごめんなさい。こんなに嬉しい気分になれたのは久しぶりなもので、つい」

(こんなに嬉しい気分って……俺がシロをおちょくってる姿を見てか?)

 アカは胸を撫でおろすように手を当てた。

「私の名前は、アカ・フレアローズ。情熱の薔薇とも呼ばれているのですが、気軽にアカって呼んでくださいね」

 アカは照れ臭そうにそう言った。
 だが、立麻の目は明らかにアカの手が当てられた部分を向いていた。

「アカか。よろしくな。アカ」

「ちゃんと相手の目を見ていうものじゃぞ。立麻」

「相手の胸を見て……はっ! すまんすまん! つい違うものにみとれてしまって」

 白は首を横に傾げている。が、アカは咄嗟に胸元を手で隠した。どうやら年相応の理解力はあるようだ。

「――ところで、二人は何故、“今の火の国“に來たのですか? この世界の住民なら、どういう状況かはわかっていたのでは?」

「うむ、だからこそ来たのじゃ」

 アカが驚愕した表情を浮かべる。
 立麻は背後に座る白を親指で指差しながら、偉そうにこう言った。

「コイツは魔術師なんだ。それも魔天老とか言う世界三大魔術師の使いなんだよ(本当かどうか知らねーけど)」

 白も無い胸を張りながら誇らしげに言った。

「ふむ! 白達は魔天老様直属の御命令を頂き、この雨を止めるべく、ここ火の国に訪れたのじゃ!」

 ぴょこん、と狐の耳が動く。
 アカは呆気にとられた表情をしていた。が、ようやく口が開いた。

「無理、ですよ……」

 開かれた口から放たれた言葉。

「神は、私達、火の民族をを見捨てたのですから」












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