「…その力は何でも出せる力。」
「何でも?」
「…要が望めば何でも出る。」
「分かった。」
要は集中する。
俺が望む…俺は、死魔を倒す力がほしい。
「…そうか、なら私がやろう。その力を。」
「はぁ?…。」
「…。」
「!?…。」
雨神が要にキスをする。
ドクンッ!
「!?…。」
要の手から剣が出てきた。
「なっ!…剣?」
「…要にはよく似合っているな。」
「そうか?まぁ良い!」
「グワァァァァァァァァァァ!!!!!!」
死魔が叫ぶ。
「…お前の力を発揮しろ。」
「分かってる!!」
要は剣を強く握る。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
ジャキッ!!!
「グワァァァァァァァァ!!!!!」
死魔は真っ二つになって、血を流して倒れて消えた。
「…やったのか?」
「…あぁ、よくや…。」
ガクッ!
「雨神!」
雨神が突然しゃがみこむ。
「…大丈夫だ、ただ力を使いすぎただけだ…。」
「そうか?なら、いいけど。」
雨神は立ち上がる。
「…それで、要は家に帰るのか?」
「あっおう、雨神は?」
「…私に家など無いが…今は雨が降っている傘。」
「あっ…これ、昔俺が…。」
要が傘を見て言う。
「捨てないで居てくれたんだな!ありがとな!」ニコッ
「…別に、気に入っただけで…。」
「まぁ、だけど、ありがとう!」ニコッ
「…いいから、さっさと帰れ。私は要の見張りをしている。」
「はいはい!じゃあな!雨神!」ニコッ
「……。」
そして、傘が無くなった途端に、雨神に雨が掛かった。
要を見ると、まったく濡れていなかった。
「…傘が無いと、自分自身じゃいられない…。」
雨神の体が少し震えているように見える。
そして、いつしか雨神は消えていた。
「……。」
あの時も、何も無い私に、あの子供が話しかけた。
こんな化け物みたいな私に、傘を渡してくれた。
嬉しかった。
こんな人間もいるんだなって思えて…。
「要…。」
雨神はビショ濡れになりながら、一人で歩いていた。
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